2016年に不活化ポリオワクチンの「2回目追加接種」が認可されてから、当院でもこのワクチンを取り扱うようになり、もうすぐ8年ほどになります。
任意接種(自費での接種)ではありますが、多くのご家族が接種を希望されています。
一方で、
「任意接種なら、打たなくてもいいのでは?」
と迷われる方もいらっしゃいます。
そこで今回は、ポリオワクチンで予防できる病気『ポリオ(急性灰白髄炎)』について、改めてお話ししたいと思います。
ポリオってどんな病気?

ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスによって起こる感染症です。
感染者の便などを介して、口からウイルスが体に入ることで感染します。(経口感染)
感染しても、大部分(90〜95%)の人は症状が出ない「不顕性感染」で終わりますが、4〜8%の方には発熱や頭痛、のどの痛みなど、風邪のような症状が現れます。
さらに、1〜2%の方では首や背中のこわばり、強い頭痛などを伴い、無菌性髄膜炎を起こすこともあります。
そして、最も注意が必要なのが、まれに重症化して手足や呼吸に関わる筋肉に「麻痺」が起こるケースです。
重い場合には、呼吸不全で命に関わることもあります。
一度起こった手足の麻痺は、残念ながら回復しないことも多く、後遺症として残ることがあります。(麻痺が起こる確率は0.1〜2%とされています)
日本では、1980年を最後に新たなポリオ感染は報告されていません。
しかし、今も一部の国では流行が続いており、日本にウイルスが持ち込まれるリスクはゼロではありません。
また、日本でも、感染が報告されていないだけで、数年に1度、下水道などでポリオウイルスは発見されています。
これだけ外国人観光客が多い現在であれば、日本にウイルスが持ち込まれているというのも、何も不思議なことではありません。
だからこそ、ポリオに対する唯一の予防法、ワクチン接種が大切になってきます。
現在、ポリオには有効な治療法がありません。
あるのは、唯一”ワクチン接種”という予防法だけです。
そのため、当院では不活化ポリオワクチンの追加接種を強く推奨しています。
まとめ
近年は、外国人観光客や海外からの移住者が増え、国境を越えた人の行き来が日常になっています。
「海外に行かないから大丈夫」
「日本では流行っていないから安心」
という考え方は、今の時代には合わなくなってきています。
ポリオはほとんどの方が軽症か無症状で済むとはいえ、まれに重い麻痺や命に関わることもある病気です。
まずは病気のことを正しく知り、そしてお子さんを守るための「予防」についても、ぜひ考えてみてください。

