先日、10ヶ月健診に来られたお母さんから、
「うちの子、四つん這いのハイハイをしないんです。でも、もうつかまり立ちはするんです。これって変なんですかね?」
という質問がありました。
詳しくお話を聞いたところ、”ずりばい”が上手に出来るようになって、『そろそろハイハイしてくれるかな?』と楽しみにしていたそうです。
でも、四つん這いのハイハイをせずにつかまり立ちをしたので、『あれ?ハイハイはしないのね…』と、ちょっと残念な気持ちになったそうです。
確かに、四つん這いのハイハイって、”ザ・赤ちゃん”って感じでかわいいですよね♪(そう思うのは私だけ?)
育児書などに、赤ちゃんの運動の発達の順番『ずりばい → ハイハイ → つかまり立ち』と、書いてあるのをよく見ます。
そういったこともあり、ハイハイが抜けてしまうと、『うちの子の発達は大丈夫なの?』と、心配になるのも無理ありません。
そこで今回は、10ヶ月健診でお母さんたちから聞かれる
「ずりばいだけでハイハイしないけど大丈夫ですか?」
「何か病気とかの可能性ってありますか?」
という質問についてお答えしていきます。
ずりばいだけでハイハイしないけど大丈夫?何か病気とかの可能性は?
ずりばいだけでハイハイしないけど大丈夫?
10ヶ月健診でお母さんたちから
「うちの子、ずりばいだけで、四つん這いのハイハイをせずにもうつかまり立ちをするんですが、これって大丈夫ですか?」
「四つん這いのハイハイをせずにつかまり立ちしちゃってるんですが、これってなにか問題とかないですか?」
と聞かれます。
答えとしては、ほとんどの場合は大丈夫ですし問題ありません。
育児書などに書かれてある『ずりばい → ハイハイ → つかまり立ち』というのは、”絶対にこの通りに発達していきます!”というのではなく、”だいたいこの順番で発達していくことが多いですよ“、ぐらいに思ってもらうといいですね。
ちなみに、ハイハイの中には、ずりばい(ほふく前進みたいなハイハイ)、高バイ(手のひらと足の裏で四つん這いになってするハイハイ)、尻バイ(お座りした状態から、手を使って体をずらしてお尻で移動していく方法)など、ちょっと変わったハイハイも含まれます。
赤ちゃんによって”得意なハイハイ”があるので、ずりばいが得意な子はずっとずりばいばかりということもあります。
ちなみに私の友達の子も『ずりばい → つかまり立ち』と進みました。
その子はずりばいが上手で、サササササッって、すごく素早かったのを覚えています。
ホント、もうびっくりするぐらい素早かったですね。
今はもう大きくなったので、普通に歩いてるんですけどね。
「いつか笑い話として子どもに教えてあげるんだ」
と、友達は楽しみにしています。
このように、四つん這いのハイハイをせずに、『ずりばい → つかまり立ち』という子は、実は結構います。
なので、あんまり心配しすぎないでくださいね。
あと、うちの母は
「ハイハイしないと足の筋肉が成長しなくて、歩くのが遅くなるんじゃないの?」
と言っていましたが、立ったり歩いたりは、足の筋肉だけでなく、脳や神経の発達が重要になってくるので、必ずしもハイハイしないといけないという訳ではないんです。
ハイハイしてもしなくても、最終的には『つかまり立ち → 伝い歩き → 独り立ち → 歩く』と、発達が進んでいってくれれば大丈夫ですよ。
赤ちゃんひとりひとりに個性があるように、発達についても個性や個人差はあります。
周りの子よりゆっくりでも、その子なりに成長・発達していっていれば、焦らなくても大丈夫ですからね。
ハイハイしないのって何か病気とかの可能性ってあるの?
ハイハイしないのは病気でも何でもないと言いたいところですが、残念ながらそうではありません。
先程、『”ほとんどの場合は”大丈夫ですし問題ありません』とお答えしたのはそのためです。
ホント、ごくごくまれにですが、神経系の病気が原因でハイハイしないということがあります。
でも、本当にごくごくまれにですからね。
“病気の子の特徴のひとつにハイハイをしない”というのがあるだけで、”ハイハイをしない子が必ずしも病気と関係している”というわけではありません。
そこはあんまり心配しないでください。
本当は、これを書くとお母さん方が過剰に心配されるので、書かないほうがいいかとも思ったんですが、看護師・医療従事者として、正しい情報を伝えなければいけないという思いから、あえて書かせていただきました。
でも、くどいようですが、本当にごくごくまれにですからね。
ハイハイしなくても、その子なりに発達していればそんなに心配することはありません。
ハイハイをする・しないについてもそうですが、それ以外にも気になる事があったら、受診の際に相談してくださいね。
まとめ
子どもの発達に関しては、”こうなるのが正解”・”絶対こうするはず”といったような、“正解”や”絶対”はありません。
大事なのは、”その子なりに成長・発達しているかどうか”です。
子どもはロボットじゃないので、全員が全員
『生後90日で首がすわる』
『生後120日で寝返りをする』
『生後180日で支えなしで座れる』
というわけじゃありません。
というか、皆が皆同じだったらちょっと怖すぎます。
なので、
『もう○○ヶ月なのにしゃべらない』
『まだ○○ヶ月なのにしゃべった』
『もう○歳○ヶ月なのに歩かない』
『まだ○歳○ヶ月なのに歩いた』
といったように、個人差があるのは当然なんです。
「でも、親としては心配で…」
というのは、当然のことだと思います。
その心配を解消するためには、クリニックをもっと活用してください。
今回のハイハイの件に関してもそうですが、乳児健診時や病気での受診時に、その心配・不安なことを、看護師や医師に聞いてください。
お母さんが不安だったり、心配したりしていると、子どもにはその気持ちが伝わってしまいます。
子どもは、私達大人が思っている以上に親をしっかりと見ています。
子どもを心配させないためにも、何か気になる時、心配な時にはかかりつけ医に相談することをお勧めします。