5月初旬、厚生労働省のホームページで
『伝染性紅斑が例年の同時期と比べ、かなり多い状況となっています』
とのお知らせが掲載されています。
岡崎市では、現時点(6月中旬現在)では発症例は確認されていないようですが、全国的に流行していたということは、今後、岡崎市でも流行する可能性があるということです。
そこで今回は、伝染性紅斑(りんご病)とはどのような病気なのか。
また、その予防法や治療法についてお話ししていきます。
伝染性紅斑(りんご病)ってどんな病気?
伝染性紅斑(りんご病)とは、両頬に赤い発疹(紅斑)が現れる病気で、その発疹がりんごのように見えることから『りんご病』とも呼ばれています。
この病気は、主に5~9歳の子どもに多く見られ、次いで0~4歳の子どもにも発症が多いとされています。
伝染性紅斑は、約10~20日の潜伏期間を経て、微熱や風邪の症状が現れ、その後、両頬に蝶の羽のような境界鮮明な赤い発疹(紅斑)が現れます。
発疹は頬だけでなく、体や手足にも広がることがありますが、通常は1週間程度で消失します。
特徴的な発疹が現れるまでは、風邪と似た症状が続くため、感染初期の段階では見分けがつきにくいことがあります。
発疹が出る頃にはウイルスの排出量が減少しており、感染力は弱くなっていますが、風邪のような症状が現れている初期段階ではウイルスの排出量が多く、感染力が高い時期とされています。
伝染性紅斑の予防法や治療法は?
残念ながら、伝染性紅斑には予防用のワクチンはありません。
そのため、予防するには、手洗いやうがい、マスクの着用など、基本的な感染対策が重要となります。
また、伝染性紅斑には、特別な治療法はありません。
ほとんどの場合、症状は軽いため、症状に応じた治療・対症療法が行われます。
・発熱や体の痛みがある場合には、解熱剤や鎮痛剤。
・発疹がかゆい場合には、抗ヒスタミン薬。
しっかりと水分を補給し、安静に過ごすことが大切です。
元気があれば、特別な治療は必要なく、自然に回復します。
また、妊婦さんが伝染性紅斑に感染すると、お腹の赤ちゃんにも影響を及ぼし、後遺症が残ることや流産のリスクが高くなることがあります。
そのため、伝染性紅斑が流行している時期には、風邪のような症状があるお子さんとの接触を避けることが望ましいかもしれません。
まとめ
伝染性紅斑(りんご病)は、ほとんどの場合、軽症で済むことが多いです。
発疹が現れた頃には感染力も弱まっているため、本人が元気であれば、特に園や学校を休む必要はありません。
しかし、発疹が出る前の段階では感染力が高いため、知らないうちに他のお子さんに感染を広げてしまう可能性があります。
そのため、風邪のような症状がある時はマスクを着用するなど、周囲にうつさないよう配慮することが大切です。