乳児健診で時々、
「子どもと目線が合わない時があるんです。これって斜視なんでしょうか?」
というご相談をいただきます(4か月健診で特に多い印象です)
診察の時には正常に見えていても、
「今は大丈夫なんですけど、普段目線が合わない時は、こんな風に見えるんです」
と、写真を見せてくださる方もいらっしゃいます。
確かに、母子手帳のチェック欄や、乳児健診の問診票に、『目線が合いにくいことはありませんか?』とあると、
「目線が合わないって異常なことなの?」
「インターネットで調べると斜視って出てくるんだけど、これがそうなの?」
と、心配になるお気持ち、とてもよくわかります。
そこで今回は、『赤ちゃんの目線が合いにくいのは斜視なのか?』という疑問について、お話ししていきますね。
赤ちゃんの目線が合いにくいのは斜視!?

まず、「斜視」について説明しますね。
通常、両目の視線は同じ場所を向いています。
しかし、右目と左目の視線が別々の方向を向いてしまう状態、これが斜視です。
そのため、黒目が中心から外れて見えることがあります(上下左右どの方向にもずれ(寄り)ます)。
斜視をそのままにしておくと視覚の発達に影響し、弱視につながることもあるため注意が必要です。
しかし、生後半年くらいまでは、斜視ではないのに斜視のように見えることがよくあります。
生後2か月頃までの赤ちゃんは、視力がまだ弱く、視線が定まらないことが多いため、目線が合いにくく感じられることがあります。
2~3か月頃になると、立体的に物を見る力が育ち、視線も合いやすくなってきます。
しかし、目を動かす筋肉がまだ未発達なため、ぼーっとしたときなどに、一時的に目が寄って見えることは珍しくありません。
また、日本人(アジア系?)の赤ちゃんは、鼻の付け根が低く、内側のまぶたが厚いことが多いため、その影響で白目が隠れ、実際には斜視でなくても内側に寄って見えることもあります。
これらはどれも成長とともに改善し、生後6か月頃までには自然と治ることが多いとされています。
そのため、生後6か月未満であれば、多くの場合は一時的な見え方のズレで、様子を見ても問題ないことがほとんどです。
ただし、
■明らかに目が強く寄っている
■月齢が進んでも改善が見られない
■いつ見ても黒目の位置がずれている
など、気になる点がある場合は、生まれつきの斜視の可能性もあるため、眼科で相談することをおすすめします。
お母さん・お父さんの『なんだかいつもと違う気がする…』という直感は、とても大事で大切なサインですよ。
まとめ
毎日赤ちゃんを見ている親御さんだからこそ気づける『いつもと違うかも』というその感覚はとても大事です。
でも、特に初めてのお子さんだと
「これって心配しすぎ?」
「どこまで様子を見ていいの?」
と、迷うことばかり、わからないことだらけですよね。
そんな時は、どうか遠慮せずに受診してください。
異常がなくても、医師から「大丈夫ですよ!」と言われるだけで安心できるものです。
院長はよく、
「小児科は“病気かどうか”を判断するところ。気になったら受診するのは親御さんの仕事。そこから先は医者の仕事で、医者の責任」
と、親御さんにお話をされています。
時々耳にする、
「こんなことで来たの?」
「こんな軽い症状で受診しないで!」
なんていう態度・発言は、当院では絶対にありません。
気になることがあれば、いつでも受診し、相談してくださいね。
