赤ちゃんの太もものシワの左右差って異常なの?(先天性股関節脱臼)

この記事は約3分で読めます。

先日、乳児健診で、

「子ども(赤ちゃん)の太もものシワに、左右差があるんですが大丈夫でしょうか?」

という質問を受けました。

インターネットで検索をすると『先天性股関節脱臼のサインかも』といった言葉も出てくるので、そんな専門的な言葉が出てくると、驚いたり不安になったりしますよね。

 

そこで今回は、『赤ちゃんの太もものシワの左右差は異常なのか?』という疑問にお答えするために、”先天性股関節脱臼”についてもお話(説明)していきますね。

赤ちゃんの太もものシワの左右差って異常(先天性股関節脱臼)なの?

太もものシワに左右差があるからといって、必ずしも異常があるわけではありません。

正しくは、『股関節に異常があるとシワの左右差が出ることがある』ということです。

 

先天性股関節脱臼(最近では“発育性股関節形成不全”とも呼ばれます)は、赤ちゃんの一部(約1000人に3人ほど)にみられる病気です。

通常、太ももの骨の先端(骨頭)は骨盤のくぼみ(臼蓋)にしっかりとはまっています。

しかし、生まれつきの体質や姿勢、育て方の癖など、何らかの要因で、この骨頭がくぼみからずれてしまうことがあり、これを「股関節脱臼」といいます。

 

関係するといわれる要因には、

■家族に股関節脱臼の経験があるなどの体質・遺伝
■女の子に多い(ホルモンの影響と言われます)
■お腹の中での姿勢(逆子だったなど)
■生後の抱き方や姿勢の癖

などがあります。

 

股関節に脱臼があると、次のようなサインが見られることがあります。

■仰向けにして膝を立てたとき、左右の足の開き具合が違う(通常はM字に開く)
■足を外側に開かせたとき、片方だけ開きが悪い
■鼠径部(足の付け根)のシワに左右差がある

 

そのため、乳児健診(主に4か月健診)では、この“足の開き具合”も確認しています。

太もものシワの左右差だけで股関節脱臼と判断することはなく、シワの左右差は正常な股関節のお子さんでもよく見られるため、他のチェック項目と合わせて判断します。

 

そのため、太もものシワに左右差がある“だけ”で慌てて受診する必要はありません。

ただし、足の開き具合の差など、他にも気になる点がある場合には、一度病院で相談していただくと安心できると思います。

まとめ

股関節脱臼(股関節形成不全)は、早く見つけるほど治療期間が短く、お子さんやご家族の負担も小さくてすむ病気です。

早期であれば、自宅で股関節の角度を固定する器具を3か月ほどつけるだけで、約7割は改善するといわれています。

 

一方、気づくのが遅くなると、入院して牽引治療を行うことがあります。

牽引治療とは、『足の角度を固定した状態で、1ヶ月くらいベッドの上で仰向けのまま過ごす』というものです。

以前、私が大きな病院で働いていたときも、年に1名ほどは入院で牽引療法を行っていましたが、本当にベットに寝たまま固定されるため、トイレにも行けないのでオムツで過ごさないといけないし、体を起こして遊ぶこともできないので、お子さんだけでなく、そのご家族も本当に大変そうでした。

 

入院での牽引療法が終わっても、今度は外来で、足の角度をギプスで半年ほどは固定しておくという治療になるので、まだ大変さは続きます。

それでも治らなければ、今度は手術に…と、場合によっては、かなり負担が大きくなってしまいます。

 

このように、股関節脱臼は早期発見がとても大切な病気です。

気になるサインがあるときは、どうか遠慮せず、一度受診して相談してみてくださいね。