数年前、「大人も風疹のワクチンを受けましょう」という呼びかけが話題になりましたが、その前にも何年かおきにテレビやSNSで「大人の風疹ワクチン接種」について取り上げられていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。
(風疹の)予防接種についての話題は、風疹が流行した時に特に出てきますよね。
実際、風疹は数年おきに小流行していることがあります。
最近では、2013年と2018年に風疹の流行があり、特に2018年にはワクチン接種率が低い世代に対して、抗体検査やワクチン接種の補助が行われていました(この補助は2025年3月末で終了しています)
その後、風疹の発生は年間10件程度となっており、流行は落ち着いているようですが、感染症はいつ流行するか分かりません。
そこで今回は、風疹とはどんな病気なのか。
そして、私たちが気をつけるべきことについてお話ししたいと思います。
風疹ってどんな病気?予防法とその重要性!

風疹は、発熱、全身に小さな赤い発疹が現れること、そして、首や後頭部、耳の後ろなどのリンパ節が腫れることが主な症状です。
潜伏期間は約2~3週間と長いため、感染してすぐに症状が現れることは少ないです。
まれに、脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症が起こることがあり、その場合には入院が必要になることもあります。
ただし、風疹に感染しても症状が出ないこともあります。
小児では30~50%、大人では約15%程度、症状が現れないと言われています。
また、風疹には特効薬はなく、解熱剤などの症状に合わせた治療が行われます。
大切なのは、風疹に感染しないように予防することです。
特に注意が必要なのは、妊娠初期の妊婦さんへの感染です。
風疹に対する免疫が不十分な妊婦さんが妊娠初期(妊娠20週まで)に風疹にかかると、胎児に先天性風疹症候群(CRS)が発症するリスクが高くなります。
CRSには、先天性心疾患や難聴、白内障などが含まれ、妊娠12週までに感染すると85%、妊娠13~16週で50%が発症するとも言われています。
予防のためには、ワクチン接種が最も効果的です。
現在、風疹の予防接種は、1歳頃と小学校に上がる前の2回が定期接種として行われています。
ほとんどの方は、子どもの頃に接種していますが、世代によっては接種していない場合や、1回しか受けていないこともあります。
もし、妊娠を考えている方や、妊婦さんのパートナー、同居家族が風疹の予防接種歴が不明・未接種の場合は、抗体価検査やワクチン接種を受けることが推奨されています。
妊娠中はワクチン接種ができませんので、妊娠前にチェックしておくことが重要です。
まとめ
現在、風疹の予防接種は、麻疹(はしか)と風疹を同時に予防するMRワクチンとして、1歳頃と小学校に上がる前の2回、定期接種が行われています。
このワクチンを受けることで、約95%の人が免疫を獲得できるとされています。
最近は風疹の大きな流行は見られませんが、感染症は予測できないため、流行が始まってから慌てるのではなく、日頃から予防や対策を意識しておくことが大切です。
風疹は予防できる病気です。
正しい知識を持ち、自分や家族を守るために行動しましょう。
