赤ちゃんがママのお腹の中にいるときにもらった病気に対する免疫は、百日せきや水痘(みずぼうそう)では生後3ヶ月までに、麻しん(はしか)や流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)では1歳までに自然に失われてしまいます。
その為、赤ちゃん自身が免疫を作って、病気にかからないようにしなくてはいけません。
今回は、赤ちゃんを病気から守る予防接種について、『赤ちゃんはいつから予防接種ができるのか』、『予防接種の種類や接種間隔』、そして『定期接種と任意接種の違い』についてお話していきます。
赤ちゃんの予防接種はいつからできるの?種類や接種間隔は?
赤ちゃんの予防接種っていつからはじめたらいいの?
「赤ちゃんの予防接種のスケジュールって、いつからはじめれば(組めば)いいですか?」
と、妊娠中のお母さんが子どもを連れてきた時によく質問されます。
ズバリ、答えとしては妊娠中です。
予防接種は、早いもので生後2ヶ月から接種が可能になります。
そのため、
「生後2ヶ月からならそんなに慌てなくてもいいよね~」
と、多くのお母さん方が思ってらっしゃいます。
しかし、赤ちゃんの予防接種は、”種類”も”回数”も、とってもたくさんあります。
そして、ワクチンには、それぞれ接種できる月齢や年齢が決まっています。
予防接種のスケジュールをギリギリに立てていた場合、予防接種を予定していた日に体調が悪くて接種できなくなってしまった、なんてこともあります。
大切な赤ちゃんの為にも、なるべく早く予防接種を受けられるよう、妊娠中に予防接種の接種スケジュールを立てることをおすすめします。
予防接種の種類や接種間隔は?
予防接種の種類や接種間隔について、『生後○○ヶ月から接種できる予防接種』という分類でご紹介していきます。
2ヶ月から接種できる予防接種
ヒブ(インフルエンザ菌b型)・・・4週の間隔をあけて3回接種。3回目から7ヶ月後に追加接種。
小児用肺炎球菌・・・4週の間隔をあけて3回接種。3回目から60日以上の間隔をあけ1歳以上で追加接種。
ロタウイルス・・・4週の間隔をあけて2回接種。
B型肝炎・・・4週の間隔をあけて2回接種。2回目から4ヶ月後に3回目接種。
以上の4種類を生後2ヶ月から接種することができます。
3ヶ月から接種できる予防接種
4種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオの混合ワクチン)・・・3週の間隔をあけて3回接種。3回目から1年後に追加接種。
生後3ヶ月から接種することができるのは、この4種混合のみとなります。
5ヶ月から接種できる予防接種
BCG・・・1回の接種。
生後5ヶ月から接種することができるのは、BCGだけになります。
1才から接種できる予防接種
MR(麻しん、風しんの混合ワクチン)・・・第1期を1才~2才の誕生日の前日までに接種。第2期を小学校就学前(年長さん)1年間に接種。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)・・・1才~1回目の接種。1回目から3~5年後に2回目接種。
水痘(みずぼうそう)・・・1才~1回目の接種。1回目から3ヶ月~1年後に2回目接種。
1才から接種することができるのは、上記の3種類になります。
定期接種と任意接種の違いは?
予防接種には、定期接種と任意接種があります。
「なんとなくはわかるけど…」
という方が結構多いので、簡単に説明させていただきます。。
【定期接種】
自治体からの通知があり、定められた接種期間の中で接種を進めていきます。
接種料金の自己負担はないか、一部負担となります。
【任意接種】
自治体からの通知が無いため、親御さんがお子さんの月齢を判断し、接種をします。
任意接種は自己負担での接種となります。
「任意接種って、任意なんだから受ける必要性は低いんじゃないの?」
と思われるお母さんやお父さんも多いかと思います。
しかし、接種していなかったため感染し、病気の重症化や合併症、さらには命を落とすケースが残念ながらあります。
接種しておけば、多くの場合はかかりませんし、仮にかかったとしても自然に感染するより軽度で済みます。
お子さんの健全な成長のために、最善の選択とは何かを判断していただくことが大切です。
【不活化ポリオワクチンの2回目追加接種は任意接種だけど必要?】
まとめ
妊娠中はそうでもなかったのに、産後になるとかなりバタバタしてしまいます。
正直、その時期に予防接種のスケジュールを立てるのって大変です。
予防接種って、種類や回数、いつから打てる打てないと、実は結構複雑です。
今はスマホのアプリで接種スケジュールが組めたりしますが、
「体調不良で接種が延期になって、もう何がなんだかわかなくなってしまって」
というお母さん方も結構みえます。
そして、予防接種のスケジュールを見せてもらうと、ギリギリに組んでいて、
「すいませんお母さん。○○の予防接種なんですが、もう打てないです」
となってしまったこともありました。
そういった経験から、しいの木こどもクリニックでは、接種忘れ、接種漏れを防ぐために、予防接種のスケジュールをこちら、クリニック側で組ませていただく『プランニング』を行うようにしました。
■赤ちゃんの予防接種はいつからできるのか
■予防接種の種類は何があるのか。
■予防接種の種類はたくさんあるが、それぞれ打つことでどうなるのか。
■予防接種の接種間隔はどうすればいいのか。
などなど、ただ単に予防接種のスケジュールを組むだけではなく、お母さんの色んな心配事について説明させていただいてます。
こういった『プランニング』をやってくれる小児科が、今後、増えていってくれればと思う限りです。
すべては患者様・子どものためですからね。