麻しん(はしか)が一部地域で流行している時に気をつけることって?

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2026年3月に、鹿児島県で麻しんと診断された方が長野県を旅行で訪れていたことから、長野県が注意喚起を行っているという情報をSNSで見かけました。

その他にも、関西地方で麻しんの患者さんが確認されたという報道もありました。

 

麻しんは空気感染する非常に感染力の強い病気です。

患者さんが一定時間その場所に滞在していただけでも感染する可能性があるため、今回のように行政から注意喚起が出されることがあります。

 

また、2026年3月だけではなく、日本国内では現在でも散発的に麻しんの患者さんの発生がみられています。

そのため、厚生労働省も「麻しん(はしか)にご注意ください」と、定期的に呼びかけています。

 

「でも、注意してくださいと言われても、何に気をつければいいの?」

と思われる方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、麻しん(はしか)とはどのような病気なのか。

そして、流行時に気をつけたいことについてお話ししていきます。

麻しん(はしか)ってどんな病気?

麻しん(はしか)は、麻しんウイルスの感染によって起こる感染症です。

 

感染経路は、

・空気感染(飛沫核感染)
・飛沫感染
・接触感染

があります。

 

麻しんは非常に感染力が強く、1人の患者さんから12~14人程度に感染するといわれています。

症状は、最初に38℃台の発熱や咳、鼻水、くしゃみなどの風邪のような症状から始まります。

 

その他に、

・倦怠感
・不機嫌
・目の充血
・目やに

などがみられることもあります。

 

小さなお子さんでは、下痢や腹痛を伴うこともあります。

この初期の発熱は2~4日ほど続くとされています。

その後、一度熱が37℃台まで下がりますが、半日から1日ほど経つと再び39℃前後の高熱が出ます。

熱の経過をグラフにすると山が2つあるように見えるため、「二峰性発熱」と呼ばれます。

そして、この高熱が出る頃から発疹が現れます。

発疹は顔から始まり、体幹、そして手足へと広がっていきます。

発疹が全身に広がる頃になると熱は徐々に下がり始め、通常3~4日程度で解熱します。

 

また、発疹も時間の経過とともに変化し、

・少し盛り上がる
・色が濃くなる
・徐々に薄くなる

という経過をたどります。

 

さらに、発疹が出る1~2日前には、頬の内側に白い小さな斑点(コプリック斑)が現れることがあります。

これは麻しんの特徴的な所見の一つです。

 

まとめると、麻しんの特徴は

・最初は風邪のような症状で始まる
・一度下がった熱が再び高くなる(二峰性発熱)
・高熱とともに発疹が出る
・頬の内側に白い小さな斑点(コプリック斑)がみられることがある

という点です。

 

ただし、初期症状だけを見ると一般的な風邪と区別することは難しく、特徴的な発疹や二峰性発熱が現れるまでは診断が困難な場合も少なくありません。

そのため、周囲で麻しん患者さんが発生している状況で、発熱や咳、鼻水などの症状が出た場合には、麻しんの可能性も念頭に置いていただきたいと思います。

麻しん(はしか)が一部地域で流行している時に気を付ける事

麻しんウイルスは非常に小さく感染力が強いため、手洗いやうがいだけで十分に予防することは難しいとされています。

また、マスクも一定の効果は期待できますが、麻しんを完全に防ぐことはできません。

 

そのため、

・流行地域への不要不急の訪問を避ける
・流行時には人混みをできるだけ避ける

といった対策が重要になります。

 

そして、最も有効な予防方法は予防接種です。

1990年4月2日以降に生まれた方は、接種漏れがなければ定期接種として2回の麻しんワクチン接種を受けているはずなので、しっかりと抗体がついていると考えられます。

 

一方、それ以前に生まれた方は、

・定期接種が1回のみだった
・ワクチン接種を受けていない

可能性があります。

 

まずは母子手帳や予防接種記録を確認し、ご自身の接種歴を把握しておきましょう。

接種回数が不足している場合には、感染リスクを下げるためにもワクチン接種を検討することをおすすめします。

お子さんについても、いつどの感染症が流行するかは予測できません。

予防接種は接種可能な時期になったら、できるだけ早めに受けておくことをおすすめします。

 

また、『もしかして麻しんかもしれない…』と思った場合は、直接受診する前に必ず医療機関へ連絡しましょう。

病院やクリニックによっては、他の患者さんへの感染を防ぐために、

・入口を分ける
・待機場所を分ける
・受診時間を調整する

などの対応を行っている場合があります。

自分やご家族から他の患者さんへ感染を広げないためにも、ご協力をお願いいたします。

まとめ

時期によっては、麻しんの患者さんの報告が増えていることから、今回改めて麻しんについてお話しさせていただきました。

小児科の立場からお子さんについてお伝えすると、1歳で接種するMRワクチン(麻しん・風しん混合ワクチン)のⅠ期を受けていれば、多くの場合は十分な免疫が獲得できています。

さらに、5~6歳で接種するMRワクチンⅡ期は、1歳時に獲得した免疫をより長く維持するための大切な追加接種です。

こちらも忘れずに受けておきましょう。

 

また、少し話は変わりますが、感染症が流行した際には「正しい情報を選ぶこと」も大切です。

現在はインターネットやSNSで簡単に情報を得られる一方で、誤った情報が広まることもあります。

情報を見る際には、

・発信元は信頼できるか
・最新の情報か
・公的機関や医療機関の情報と一致しているか

を確認するようにしましょう。

 

迷った時は、かかりつけの小児科医に相談してください。

病気のことだけでなく、お子さんの成長や育児についても、心配なことや不安なことがあればお気軽にご相談くださいね。