当院・しいの木こどもクリニックでは、発疹・発赤がある方は、隔離室に入っていただくことがあります。
これは、クリニック内での患者様から患者様への病気の感染を防ぐためです。
ちなみに、空気感染する、隔離が必要な発疹・発赤は、水ぼうそうとはしかだけですが、パッと見て見分けるのは難しいため、先生に診てもらうまで、念の為、隔離室に入っていただいています。
でも、この発疹や発赤って、感染症でできるものもあれば、虫に刺されてできたり、お風呂上がりにだけできたりと様々です。
つい先日、私も体にぶつぶつが出来ていたので、そのぶつぶつが何かを調べようと思い、インターネットで検索しようとしたところ、
「ん?これって発疹?発赤?どっち?」
と、単純な疑問が出てきました。
結局、インターネットでは明確な違いがわからなかったので、先生(医師)に聞いて教えてもらいました(^^;
そして、
「発疹と発赤の意味・言葉の違いよりも、それがどんな疾患(病気)かということのほうが大事だよ」
ということも教えていただき、そのお話がとても勉強になりました。
ということで今回は、発疹と発赤の違いについてと、
「どんな症状かではなく、どんな疾患(病気)かが重要!」
という、先生からお話していただいた内容についてご紹介していきます。
発疹と発赤の違いって何?
症状、発疹と発赤の違いについてはサラッといきますね。
発疹:芯があってぶつぶつしている
発赤:境界線がなく拡がっている
という違いになります。
正直、これを聞いた時、
「違いはわかったけど、で、どうすればいいの?」
となりました。
多分、先生はそれを察してくれて、次の段落でご紹介する、”違いよりもどんな疾患(病気)かが重要“ということを語ってくれたんだと思います。
どんな症状かではなく、どんな疾患(病気)かが重要!
それでは、”症状ではなく、どんな疾患(病気)かが重要“という、先生が語ってくれた内容をご紹介していきます。
症状と病気(疾患)は違う。
発疹・発赤は症状の話で、例えば
「うちの子、毎晩咳が出るんですけど、大丈夫ですかね」
という場合、親御さんは子どもの症状を教えてくれる。
それを僕らが診察して、
「これは風邪ですね」
「肺炎になりかけてますね」
「気管支喘息ですね」
など、病気(疾患)を伝え、その病気によって治療法が変わってくる。
発疹・発赤というのは、今ので言うと、”肺炎です”ではなく、”咳が出てる”ということ。
この、“咳が出てる”という症状を、僕らが問診や診察をすることによって、”なぜ咳が出ているのか”、というその病気が分かり、治療法や対処法をお伝えするということ。
だから、症状では治療法や対処法はわからないけど、病気・疾患がわかることによって、治療法や対処法がわかってくる、違ってくる。
親御さんから、
「うちの子、言葉の発達が遅いんですけど、どうしたら早くなりますか?」
という質問があった時も同じで、何が原因かを知ることが何よりも大切。
それによっては、しばらく様子を見ても大丈夫な時もあるし、こういう風にしていきましょうとお伝えすることもある。
言葉の発達が遅いのが問題ではない。
何が原因で遅いのかを知る・調べることが大切。
今回の発疹・発赤も同じで、発疹や発赤が出てるのが問題ではない。
皮膚が過敏になっていて、常に発疹が出る場合だと、
「なんか塗ったほうがいいね」
ってなるけど、普通の時に発疹は出ないけど、お風呂上がりのときにだけ出るという場合は、
「お風呂に入って、毛細血管が拡張されて発赤が出るということだから、肌がちょっと過敏になってるぐらい」
ってなるので、それぐらいだったらなんか塗るということにはならない。
発疹が出来てるからどうするとか、発赤が出来てるからこうするとかじゃなく、まずは何が原因で発疹・発赤が出ているのか。
それがわかった上で、それはしばらく様子をみていいのか。
それともすぐに治療・対処をしたほうがいいのかを判断することが大切。
と、先生は教えてくれました。
確かに、子どもが鼻水を出していても『風邪』なのか、『アレルギー性鼻炎』なのか、はたまた『蓄膿症』なのかなんて、医師に診てもらわないとわからないですもんね。
そう考えると、どんな症状かではなく、どんな疾患(病気)かを、クリニックで判断してもらうことって大事だなと、今回改めて学ばせていただきました。
まとめ
発疹と発赤の違い、症状を見分けることは出来たとしても、どんな疾患(病気)かがわからなければ、治療・対処のしようがありません
その疾患(病気)は、当然ですが、私達素人では判別できません。
判別出来たつもりで、実は別の疾患だったという場合、治療や対処が遅れてしまいます。
それは結果、子どもに辛い思いを長くさせてしまうことに繋がります。
何をしてその発疹や発赤が出たのか、まずはその原因を探ることが大切です。
そして、早めに一度クリニックで診てもらい、治療・対処していくことをおすすめします。