とびひってどんな病気?治療法や気をつける事は?プールに入ってもいいの?

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暑くなってくると、汗や虫刺されのせいでお子さんが体をよく掻いている。

こんな光景をよく目にしませんか?

見ていていつも思うのですが、子どもって力いっぱい掻いちゃいますよね。

 

私たち大人だと、『これ以上掻いたら傷になって痛くなるからダメ』と、経験から、そして感覚的にわかるので、力を加減することができます。

しかし、子どもっていろんな意味で『全力投球』というかなんというか、傷になることなんて気にせずに掻いてしまいますよね。

掻き傷ができてしまう事も困りますが、夏の季節には他にも注意してもらいたいことがあります。

それが”とびひ”です。

 

結構有名な病名なので、耳にしたことのある方も多いかと思いますが、実際とびひってどんな病気かご存知でしょうか?

ちなみに私(看護師7年目)は最初、ぶっちゃけよく分かってませんでした(^^;

あっ、今はちゃんと分かってますからね。

そして、とびひに関して多いのは、やっぱり夏の時期に発症することが多いので

「とびひの時ってプールに入っていいんですか?」

という質問です。

子どもは、プールや水遊びがだ~い好きですからね♪

 

そこで今回は、とびひとはどんな病気なのか。

また、とびひの治療法と気をつける事について。

そして、とびひの時はプールに入っても大丈夫なのかという、親御さんからよく聞かれる質問についてお答えしていきます。

とびひってどんな病気?治療法や気をつける事は?プールに入ってもいいの?

とびひってどんな病気?

とびひとは、正式には『伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)』と言います。

虫刺されやあせも、小さな傷などに細菌が入り込み、感染することで発症します。

 

細菌が入り込むことが原因と聞くと『傷の部分を不潔にしちゃってたから?』と、心配になるかもしれませんが、とびひの原因になるのは、健康な人の皮膚や鼻の中にいる常在菌(どこにでもいる菌)なので、不潔にしたからとかではないですよ。

 

発症すると、多くの場合は水疱(水ぶくれ)ができます。

そして、その水疱の中には、たくさんの細菌が含まれているため、そこを触った手などで体の他の場所を触ってしまうと、あちこちに広がってしまいます。

結構かゆみが強い場合が多いため、

①水疱ができる

②かゆくて掻く

③水疱(水ぶくれ)が破れる

④細菌のついた手(破れた水疱を触った手)で他の場所を触る

①水疱ができる…(繰り返し)

という感じに広がってしまうことが多いです。

こうやって次々と飛んでいくことから『とびひ(飛び火)』と呼ぼれています。

 

また、とびひは夏に流行することが多い病気なんですが、それにはちゃんとした理由があります。

季節的に暑い夏の時期は、他の季節と比べて、虫刺されやあせもになることが多いですよね。

そして、かゆさに耐えれず、その箇所を掻いてしまい、そこから細菌が入り込みとびひになってしまうんですね。

 

思わず掻いてしまうことで後々とびひになり辛い思いをする。

そうならないためにも、虫刺されやあせもはとにかく掻かないように注意しましょう。

治療法や気をつけることは?

では、とびひの治療法や、とびひになる前・なった後に気をつけることについてお話していきます。

とびひの治療法

とびひの治療は、原因となる細菌をころす薬(抗菌薬)を使用します。

症状が軽ければ塗り薬でも十分ですが、症状がひどい場合は、塗り薬+飲み薬を使用することになります。

また、掻くと症状が悪化してしまうので、かゆみが強い場合には、かゆみを抑える塗り薬や飲み薬を使うこともあります。

 

症状が軽いうちに治療した方が早く治すことができるので、ひどくなる前に一度受診してくださいね。

子どもさんの場合、小児科はもちろん、皮膚科でも大丈夫ですよ。

とびひになる前・なった後に気をつけること

皮膚が乾燥しているお子さん(アトピー性皮膚炎のお子さん)は、健康な皮膚のお子さんよりもとびひにかかりやすいので、夏の間もしっかりとスキンケアをしましょう。

しかし、湿疹の薬(ステロイド)は、とびひを悪化させてしまうこともあるので、自己判断で薬を使用せず、必ず医師に確認するようにしてください。

 

また、日常生活の中で気をつけてもらいたいことは、とびひになった部分を触った手で他の場所を触ると広がっていってしまうので、なるべくとびひの部分を触らないようにしましょう。

 

タオルや衣類に水疱(水ぶくれ)の中身(細菌)がつくと、そこから他の人にうつることもあるため、タオルや衣類の共有は避けるようにしましょう。

でも、洗濯は一緒にして大丈夫ですからね。

 

お風呂も基本的には入っても大丈夫です。

ただし、温まりすぎるとかゆみが強くなる場合もあるので、かゆみがひどい時には、お風呂に入る時間を短くしたり、サッとシャワーだけで済ませるようにしましょう。

とびひの時はプールに入ってもいいの?

とびひの場合、プールや水泳は、とびひが治るまで入ってはいけません。

先程もお伝えしたとおり、とびひは水疱(水ぶくれ)の中に原因菌がいて、次々とうつってしまう病気です。

プールの水を介してうつるということはありませんが、プールの水の中にも細菌がいるので、とびひの症状が悪化したり、他の子に接触することでうつしてしまう恐れがあります。

残念ですが、治ったことが確認されるまでは、プールや水泳はお休みしましょう。

【水いぼってプールでうつるって本当?】

まとめ

とびひは、他人へというより、自分自身の体のあちこちにうつりやすい病気です。

しかし、早めに対処することで、ひどくなる前に治すこともできます。

気になる時は、一度早めにクリニックを受診して、医師の指示通りに薬を使いましょう。

 

他にも

「とびひの時って、〇〇はどうしたらいいの?」

という疑問がありましたら、遠慮なく診察時に聞いてくださいね。

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