腸重積症ってどんな病気?症状や治療法は?

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皆さんは、『腸重積症』という病気についてご存知でしょうか?

「聞いたことがない」という方や、「何かで聞いたことがあるかも…」という方など様々だと思います。

かく言う私も、看護師になっていなければ

「なにそれ、聞いたことない」

と言ってしまうと思います(´∀`;)

 

そんな聞き馴染みのない病気ですが、見落としてほしくない子どもの病気のひとつになります。

そこで今回は、『腸重積症』について、症状や治療法についてお話していきますね。

腸重積症ってどんな病気?どんな症状が出るの?

『腸重積症』は、『腸の一部が別の部分に入り込んでしまい、腸管が重なってしまう』という病気です。

(余談ですが、漢字って便利ですよね。字からなんとなく察することのできる辺りが…)

もう少し詳しく言うと、小腸の終りの辺りの、回腸という部分が大腸に入り込んでしまって起こるものです。

生後6ヶ月頃~3歳頃までにみられることが多い病気で、風邪などの感染症の影響や、胃腸炎などで腸の動きに異常がある事が関係あるのではないかと言われていますが、原因ははっきりとはわかっていません。

症状としては、まずは腹痛があります。腹痛は、強くなってはおさまり、また時間をおいて強くなるという、間欠的な場合が多く、『お腹を痛がっていると思ったら、少ししたらケロっとしている。そして時間が経つとまたお腹を痛がる』という事がよくあります。

赤ちゃんの場合も『機嫌が悪くて泣いていると思ったら、少ししたら泣き止む』『時間が経つとまた機嫌が悪くなって泣く』という事が繰り返し起こります。

これは腸管が重なってしまうことより、腸の中を上手く通過できなかったり、腸の血行が悪くなってしまったために起こります。

その他には、腸の動きが悪くなることによって嘔吐があったり、便の中に血が混じること(血便)もあります。この時の血便は、イチゴゼリー状の血便(血と粘液が混ざった便)とよく言われるので、なんとなくイメージしやすいのではないでしょうか。

さて、冒頭で『見落としてほしくない病気』とお伝えしましたが、腸重積症は『早期発見』『早期治療』が大切な病気です。

ここから、ちょっと怖い話になりますよ。

なぜなら、腸の動きや血行が悪くなった状態で放置してしまうと、腸管の細胞が死んでしまいます。そうすると、その部分に穴が空いてしまったり、そこからお腹の中で感染症を起こしたりしてしまい、最悪の場合、生命に関わることもあります。

もちろん、これは『最悪の場合』なので、『あれ?』と思ったらすぐに病院・クリニックを受診してもらえればよっぽど大丈夫な事が多いです。痛みが激しくなってから、24時間以内に治療ができればよっぽど大丈夫なので、夜間であれば翌日の受診でも大丈夫ですよ。

腹痛や嘔吐は、子どもではよくある症状ですが『よくある事だから』と様子を見ていい場合と、そうではない場合があるため、今回はあえて『最悪の場合』をお伝えさせていただきました。m(_ _)m

腸重積症の治療法は?

さて、病院・クリニックで『腸重積症(疑い)』と判断された場合の治療法なのですが、一般の小さな病院やクリニックでは診断や治療ができないため、設備の整った大きな病院を受診してもらうことになります。

治療としては、薄めた造影剤(レントゲンに写る物質)や、空気、生理食塩水をお尻から腸の中に注入し、それで圧を加えることによって腸重積を元の状態に戻す、ということをします。

多くの場合、8~9割程度はこの方法で改善すると言われています。

そのうち5~10%程度は再発の可能性があるので、外来もしくは入院で1~2日ほどは経過を観察していきます。

余談ですが、以前(5年位前なのでだいぶ昔ですが)私が他県の大きな病院の小児科病棟で働いていた時は、年に1~2人くらいは腸重積症で入院してましたね。

が、だいたいは救急外来で処置を終えてからの経過観察の入院だった(ような気がする)ので、実際に私が治療の処置に立ち会ったことはないんですよね…(´∀`;)

腸重積の発症から24時間以上経ってしまっていたり、先ほどの治療で改善が見られなかった場合、腸重積が再発してしまった場合は、手術をすることになります。

【クリニック(小児科)はどのタイミングで受診すればいいの?】

まとめ

腸重積症は『早期発見』『早期治療』が大切な病気です。

その『早期発見』のためには、ご家族の『なんだかいつも(普段)と違う』という感覚が重要になります。

特に小児科ではそのご家族の感覚は病気を見つける大切なヒントだと思っています。

『どこが、って上手く言えないけど、なんだか様子が違う』という、アバウトな感じでも大丈夫です。

心配なこと、気になる事があれば小児科を受診してください。

当院・しいの木こどもクリニックの院長先生も、よく

「小児科は病気の時に受診するだけじゃなくて、病気かどうか判断する所だと思ってください」

とお話されています。

お家で『病気かな?大丈夫なのかな?』と心配して過ごすのは心細いですよね。

それだったら、病院・クリニックを受診して医師に判断してもらった方が安心できるんじゃないでしょうか?

よく

「病気じゃないのに受診してすみません」

とおっしゃる方がみえますが、全然そんな事思わなくていいんです。

『病気じゃないんだ。あぁよかった!』とポジティブに考えてもらった方が、医療者側としても嬉しいです。

気になることがあれば、些細なことでも大丈夫なので、受診の際に相談してくださいね^^

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