赤ちゃんが授乳後に吐き戻しをすることについて、1・2ヶ月頃~5ヶ月頃の保護者の方からよく聞かれる質問です。
特に、4ヶ月健診の際に心配される方が多い印象ですね。
「授乳後によく吐き戻すんですが、大丈夫でしょうか?」
というご質問をいただくことがよくあります。
確かに、大人の私たちにとって『吐く』ということは、大きな心配事ですよね。
赤ちゃんが吐き戻してしまうと、不安になるのも無理はありません。
でも実は、赤ちゃんが吐き戻しをするには、ちゃんとした理由があるんです。
そこで今回は、赤ちゃんが吐き戻してしまう原因と、その際に保護者の方が気をつけるべきことについてお話しします。
赤ちゃんが吐き戻してしまう理由は?気をつけることは?
赤ちゃんが吐き戻しをしてしまう理由はいくつかありますが、まずは胃の構造が大きく関係しています。
赤ちゃんの胃は、大人と比べると縦型で、胃と食道の境目(噴門部)がまだしっかり閉じることができません。
そのため、寝返りをしたり、体を動かしたり、ゲップをしたりする際に、どうしても飲んだ物が戻ってしまうことがあります。
このような吐き戻しは、赤ちゃんの胃が成長することで徐々に減っていきます。
通常、4~5ヶ月頃から減少し始めると言われています。
また、授乳中や授乳後の体勢も関係しています。
横抱きよりも縦抱きで授乳したり、授乳後すぐに寝かせるのではなく、少し上体を起こしておくと、吐き戻しを防ぎやすくなります。
さらに、授乳後にゲップと一緒に吐き戻してしまう赤ちゃんもいるので、しっかりとゲップをさせることも大切です。
ただし、上手に哺乳できる赤ちゃんは空気を飲むことが少ないため、無理にゲップをさせる必要はありません。
また、赤ちゃんはまだ「おなかがいっぱい」という感覚がわからないため、飲みすぎて吐いてしまうこともあります。
ただし、授乳時間を短くしたり、ミルクの量を減らしたりすると、赤ちゃんが満足できずに泣いたり怒ったりすることがあるため、調整が難しい場合もあります。
満腹中枢が発達すると、飲みすぎることが減り、吐き戻しも自然に減っていきます。
吐き戻しを見かけると心配になるかもしれませんが、吐いた後に苦しそうな様子がなく、機嫌よく過ごしている場合は、様子を見ても問題ありません。
ただし、以下の場合は注意が必要です。
・噴水のように激しく吐く
・吐いた後にぐったりしている
・吐いた後に下痢や発熱など、他の症状が見られる
これらの症状がある場合、単なる吐き戻しではない可能性があるので、すぐに病院を受診してください。
また、吐いた物の色や性状を確認することも大切です。
・透明や白色(ミルクや母乳の色)の場合は、大抵問題ありません。
・赤や茶色、黒い場合は血液が混じっている可能性があるので注意が必要です。
・黄色や緑色の場合は、胆汁が混ざっている可能性があり、こちらも病院を受診してください。
まれに、ドロっとした物を吐くこともありますが、白っぽければ消化途中の母乳やミルクの可能性が高いので、異常ではありません。
それ以外で変わったものを吐いた場合も、病院での受診をお勧めします。
吐いたものの写真を撮っておくと、医師に伝えやすくなります。
ただ、これはあくまでも受診した方がいい「目安」なので、心配なことや気になることがあれば、早めに病院を受診してください。
まとめ
赤ちゃんは身体的な発達がまだ完全ではなく、そのため、吐き戻しをしてしまうことがあります。
しかし、これはお子さんが成長することで自然に減っていきます。
成長・発達の速度には個人差があるため、吐き戻しがいつ完全に治まるかは一概には言えませんが、成長に伴って必ず吐き戻しは少なくなっていきますので、心配しすぎないでくださいね。
吐いたときの様子や、吐いた物の状態をしっかり確認し、もし何か気になることや心配なことがあれば、早めに病院を受診して相談しましょう。