春ですね。
入園されるお子様、親御さん、おめでとうございます。
今まで日中ずっと一緒にいた親御さん、寂しく不安な気持ちは子どもだけではないと気付くと思います。
そんな入園等が始まるこの時期、
「トイレトレーニングがあんまり進んでないけど、そのまま子どもを入園させても大丈夫なのかしら?」
「うちの子、まだおむつが外れてないけど、入園させてもいいのかしら?」
と、子どもを園に預けるにあたり、おむつ・トイレトレーニングの進み具合で、悩まれたお母さんも多いんじゃないでしょうか。
私も少し前に同じ悩みを持ち、「いいのかな?」と思いつつも、おむつをつけたまま登園させました。
そしたら園から連絡が入り、その時ばかりは焦りましたね(^^;
当院・しいの木こどもクリニックでも、
「トイレトーニングを進めてはいるんですが、なかなか上手くいかなくて…。どうすればうまくいきますかね?」
というような質問をされるお母さんが結構いらっしゃいます。
今回は、入園前にトイレトーニングは必要なのかどうか。
また、入園前におむつが外れてなくても大丈夫なのかということについて、私の体験談を交えてお話していきます。
入園前にトイレトレーニングって必要?おむつが外れてなくても大丈夫?
結論から言いますと、入園前にトイレトレーニングは必要ですが、おむつは外れてなくても大丈夫です。
また、もっと言うと、「トイレ行こっか」などの声かけは必要ですが、“トレーニング“というぐらいのトイレトレーニングは必要ありません。
トレーニングという言葉にあまり囚われすぎてしまうと、
「トイレでしっこさせる。トイレでしっこをさせなければいけない」
となり、どうしても気持ちが焦ってしまいます。
それよりもまず、子どもにトイレへ行くことを覚えてもらう為の”声掛け”のほうが大事です。
また、声掛けも、”トイレに行くのを覚えてもらう”ことであって、”トイレでしっこをさせることを覚えてもらう”ことではありません。
“まずはトイレに行くことを覚えてもらう”という声かけが大事です。
少し、うちの子どもを例にお話していきますね。
長男、1番最初の子どもは、親としてもいろいろ初めてだらけ。
私も周りで
「トイレトレーニング?うん、してるよ」
「トイレを明るく飾って、子どもが行きやすいようにしている」
などという話を聞くと、
「来年から園に入るし、おむつ取らないとダメだよなぁ」
と、焦ったりしていました。
とは言え、子どもがトイレを楽しいと思えるように飾ったり、トイレを促すなどの行動は、その時はあまりとっていなかったなぁと記憶しています。
しいて言えば、自分がトイレに入っている時は、閉めずに開けておいたくらいです。
そんなこんなで時は過ぎ、子どもも保育園に入園することに。
もちろん、そういう状況なので、息子は園に入る前におむつが取れず、何回か、おむつのまま園に行かせていました。
すると、冒頭少しお話したように、園の担任から、
「おむつはせずに登園させてください。次回からはパンツでこさせてください」
と言われてしまいました(^^;
その後は毎日、替えのパンツ2枚と、ズボンを2枚持たせるようにしました。
しかし、まれにそれでは足りない時もあり、ときに、園のパンツとズボン、3枚目の替えで帰って来る時もありました。
冬生まれの息子は、夏休み前までほぼ毎日、帰宅するなりお風呂場へ直行させていました。
理由は…そういうことです( ̄  ̄;
また、パンツやズボンの替えは、翌日もまた必要なので、すぐに洗濯。
この時は、ちょっとトイレトレーニングしておけばよかったなぁと思いましたね。
でも息子は、どこ吹く風で、
「今日はワニになってトイレに行ったよ」
「今日は忍者になってトイレに行ったよ」
と、園でのトイレへ行く行動を、楽しそうに教えてくれました。
そして、息子が1人でママ友の家に遊びに行った時、突然その日は訪れました。
「○○ちゃん、うちのトイレでしっこ出来たよ!」
「えっ!?」
(なぜうちじゃなく友達の家で…)
と、少し複雑な心境でした。
「どうやって?」
と聞くと、ママ友は
「なんとなくしっこしたい時かなって思って声掛けしたら「行く!」って言って、そしたら普通に出来たよ」
とのことでした。
どうやらそのママの人柄と、そこのお家のトイレの雰囲気が良かったみたいです。
あと、その友達と一緒に、”便器に向かって同時に1箇所に放水!”みたいな感じでしょうか、男の子ということもあり、”立ちション”させたそうなんです。
それが功を奏し(?)、無事、しっこが出来たみたいです。
それからは、
「トイレ行こうか」
の声掛けを、”出かける前”や”お風呂に入る前”、”ご飯の前”や”朝起きたとき”など、常に決まったタイミングで言うようにしました。
そしたら、いつしか普通にトイレに行ける(トイレに行きたいと言える)ようになりました。
この時に感じたことは、“無理強いはダメ”だということ。
でも、声掛けは必要だということ。
また、その子その子のタイミングがあるということを学びました。
ちなみに下の娘の場合、やっぱり大したトイレトレーニングはしませんでした(^^;
娘は、春から初夏の時期に生まれたんですが、なぜか園に入る前に、トイレで、しかもおむつも外れていました。
「下の娘はなんで自然とおむつが外れたんだろう…?」
と、いろいろ思い返してみたところ、娘は、兄といとこの女の子と遊んだりすることが多く、いとこの子が、可愛いプリキュアのパンツを履いたりしていて、プリキュアが好きだった娘は、
「それ(プリキュアのパンツ)が履きたい!」
という強い思いから、自力でトイレトレーニング、兄やいとこの子を見て、学んだのではないかと思います。
もちろん今回は、上の子で学んだ”声掛け”だけはちゃんとしましたよ♪
(その他はこれといって何もやってませんが…( ̄  ̄; )
でもまぁ結果オーライでいいじゃないですか♪
いくら親がおむつを外したいと思っても、
「トイレでしたい!」
「パンツを履きたい!」
「おむつは嫌だ!」
と、子ども自身が思わないと、おむつ外れは進まないと私は思います。
ちなみに、息子・娘だけではなく、”私”はどうだったのか、ちょっと母に聞いてみました。
母は、早くに母親を亡くしているので、子育ての相談は、実の姉か、父の姉。
その頃(私が小さい頃)は、トイレトレーニングなんていう言葉はなかったけれど、
「とにかく神経質にならないこと」
と、姉(実の姉)から言われたそうです。
また、
「無理してトイレでさせると、逆にトイレを嫌がったりするようになるから」
とも言われたそうです。
残念ながら、私はその頃の記憶はありませんが、4歳の頃にはおむつが取れて、ちゃんとトイレでやれていたようです。
「とにかくおむつを外すためにあれこれはしていない。しいて言えば声掛けぐらいかな?」
「トイレ行こっか?お母さんも行くよ」
などという、声掛けはホント大事だねと言っていました。
あと、母親は、”声の掛けすぎの失敗談”も語ってくれました。
おむつ外しとはちょっと関係ないかもしれないんですが、私が小学校低学年の時、叔母の家に泊まることになったんですね。
その時に、母に何回も何回も
「ちゃんとトイレに行きなさいよ。ちゃんとトイレに行きなさいよ」
と言われ、私はどうやらそれがプレッシャーとなり、膀胱炎(ぼうこうえん)になったことがあります。
膀胱炎は、”おしっこを我慢してなる”だけではなく、”精神的なところからも膀胱炎になってしまう”と、その時母は医師から言われ、あまり声の掛けすぎ(プレッシャーを与えるの)も良くないんだなと反省したようです。
何事も”程々に”ですね。
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まとめ
毎年この時期(入園の時期)が近づくと、息子のおむつが取れず園に行かせていた、親としての苦い思い出が蘇ります。
まぁそれだけ息子が可愛すぎて
「大丈夫かな?ちゃんと行けるかな」
って不安だったんだと思います。
もっと言うと、
「泣かずに園で楽しめるかな?」
「ちゃんと荷物を自分のロッカ―に置けるかな?」
「靴を上手に履けるかな?」
「先生に困ったことを言えるかな?」
「同じクラスの子と仲良くできるかな?」
「給食食べれるかな?」
と、入園するにあたり、不安なことだらけでした。
でも、おむつが外れていないことは、頭にありませんでした…m(_ _*)m
「おむつして登園?それともパンツで登園させたほうがいいのか?」
と、ちょっとずれた悩みは持ってましたけど…(^^;
おむつが外れてない状態で園に入っても、園の先生たちがきっと外してくれると思います。
でも、その場合、入園前にしっかりその旨を伝えるのが大切・マナーです。
いくらお金を払っているからと言って、おむつ外れからしつけやらを、なんでもかんでも園に任せるのはちょっと違うと思います。
相手(園)の立場に立って考えてみるとわかるかと思います。
「うちの子、まだおむつが外れてないんですけど大丈夫でしょうか」
という、その一言だけでいいんです。
それに対して保育士さんたちは
「ダメです」
「大丈夫じゃありません」
なんて言わないと思います。
「それじゃお母さん、今後は○○と○○も持ってきてください。あと、家では…」
と、今後どうやってその子のおむつを外していくのか、提案してくれると思います。
どんなときでも相手を気遣う心、気遣う気持ちはとても大切です。
また、
「うちでも頑張ってるんですけど、どうすればうまくいきますかね?」
と、ときには相談してみるのもいいかもしれません。
保育園は、子育てのプロが集ってますからね。
“初めて立った”、”初めて喋った”等と同じ、”おむつが外れた”も、親とその子の唯一の思い出になります。
どうか、その唯一の思い出が、”カリカリした思い出”ではなく、”にこやかな思い出”になるよう、少し気持ちに余裕を持って、おおらかな気持ちで子どもと接していきましょう。
きっと、笑顔が多い、後で笑い話になる、おむつ外しになりますよ。