『溶連菌』って言葉は、お子さまがいるお父さん・お母さん達は、耳にしたことがある人もたくさんいると思います。
しかし、初めて聞くお父さん・お母さんも少なくないのではないでしょうか。
また、
「溶連菌という言葉は聞いたことがあるけど、実際どんな病気で、どんな症状が出るの?」
とか、
「検査方法や治療方法ってどんなことするんだろう?」
など、結構知らないことって多いんじゃないでしょうか。
実際私も、医療従事者として病院で働いていましたが、小児科で働き始めるまで、溶連菌って言葉を聞いたことがありませんでした。
保育園や幼稚園、学校で流行ってるって聞いたことはあるけど、どんな病気かよく知らないなというお父さん・お母さん。
私と同じように、初めて聞くお父さん・お母さんのために、今回は溶連菌のことについてお話していきたいと思います。
溶連菌ってどんな病気?どんな症状が出るの?検査方法や治療方法を紹介
溶連菌とはどんな病気?どんな症状が出るの?
では、溶連菌とは一体どんな病気なのか。
また、どんな症状が出るのかについてお話していきますね。
溶連菌とは、正式には”A群β溶血性連鎖球菌”という菌によって起こる、”溶連菌感染症”のことです。
潜伏期間は大体2~5日で、喉が真っ赤になり、喉の痛みが主な症状です。
その他に、発熱、体や手足に細かく赤い発疹が出たり、舌にイチゴのようなぶつぶつが出ることもあります。
でも、全ての症状が皆に出るわけではありませんので、1つでも気になる症状があれば、お医者さんにしっかり診察してもらうことが大切です。
普段よくかかるウイルス性の風邪と違い、咳があまり出ないことも特徴の1つです。
でも普段、喘息などで咳が出やすいお子さまもいますよね。
クリニックにも喘息のお子さまが多く来院されます。
とくにそういったお子さまは、なかなかお家で判断することが難しいと思いますので、普段の様子をよく知ってくれているかかりつけの先生に、しっかり診ていただくといいですね。
溶連菌の検査ってどんなことをするの?
溶連菌って言葉自体あまり聞いたことがないのに、検査方法なんていったらもっと分かんないですよね。
溶連菌の検査は、問診、先生の診察をした上で、可能性があれば検査を行います。
検査は専用の綿棒とキットを使い、綿棒を喉の奥にこすりつけて、検体を採ります。
だいたい10分前後で反応が出ますので、その場で溶連菌かどうかがわかります。
しかし、短い期間に溶連菌を繰り返している場合、詳しい検査が必要になることがあります。
その場合は、検査の方法は一緒ですが、結果が出るまで数日から1週間くらいかかることもあります。
私も一度、溶連菌の検査をしたことがありますが、思わず先生の手をふりほどいてしまいました(^^;
今でも時々、検査をしたお子さまに、先生が
「この看護師さんはね~、手をふりほどいてきたんだよ~」
とネタにされます(ーー;
大人でも少し苦しい検査ではありますが、お子さまにとって大切な必要な検査です。
頑張って検査したお子さまは、いっぱい褒めてあげましょうね。
溶連菌感染症の治療方法ってどんなことをするの?
溶連菌感染症って聞くと、どんな治療をするんだろうってドキドキしてしまいますよね。
溶連菌は、抗生物質がよく効く病気で、10日から14日分のお薬が処方されます。
1、2日もすれば、お熱もさがり、喉の痛みもやわらいできます。
そのため
「熱が下がったので、薬を飲むのをやめました」
なんてことを、周りやネットニュースでたまに見聞きします。
溶連菌は、抗生物質がすぐに、そしてよく効くため、自分の体の中で抗体(溶連菌と闘うための自分の免疫力)を作る前に病気が良くなります。
そうすると、薬を途中でやめてしまうことで、溶連菌がぶり返してしまうことがあります。
また、溶連菌にかかると、リウマチ熱や、急性糸球体腎炎になってしまう合併症もあります。
そのリスクを減らすためにも、処方された抗生物質は、最後までしっかり飲みきるようにしましょう。
まとめ
溶連菌について、大切なポイントを絞ってお話しました。
治療の中でもお話しましたが、溶連菌にかかると、急性糸球体腎炎になってしまうリスクがあります。
早いと3週間後から、遅いと2・3か月後から発症する可能性があります。
もし、溶連菌にかかった後で、顔や足にむくみが出てきたり、尿の混濁や血尿などが気になったときは受診してください。
あと、働くお父さんお母さん、保育園や幼稚園、学校に行くのを楽しみにしているお子さまにとっては、保育園、幼稚園、学校にはいつから行けるかなってところも気になりますよね。
溶連菌は、お薬がよく効きます。
そのため、お薬を飲み始めて24時間経てば、人にうつしてしまう力も弱くなりますので、お薬を飲み始めた日と翌日はお休みです。
翌々日からはお熱が下がり、元気になれば通園、通学できますよ!
また、溶連菌は大人の人もかかります。
お父さんお母さんも、喉が痛いなと思ったら溶連菌の可能性もあるため、お仕事や子育てに忙しいとは思いますが、そのまま様子をみるのではなく、一度内科を受診しましょう。
その時は、子どもが溶連菌だったということを伝えていただくと、診断の手がかりになりますので、ぜひ伝えてくださいね。
溶連菌感染症は、お薬を最後まで飲みきって、むくみや尿などの異常がないことを確認して、ようやく溶連菌の治療、その後の経過も一段落といった流れになります。
少し長いなと感じるかもしれませんが、子どもの健康を守るために一緒に頑張りましょうね。
かかりつけのクリニックの先生、そしてスタッフも、一緒に子どもの成長・健康を見守りたいと思っています。
何か心配なことがあれば、かかりつけのクリニックに相談してくださいね。