今年も、インフルエンザワクチン(予防接種)は無事終わりましたか?
注射を嫌がり、予防接種に連れてくるのも、また、打つのも一苦労っていうママも多いんじゃないでしょうか。
赤ちゃんの頃は何もわからなくて、泣いても暴れてもそんなに苦労することはありませんが、2才を過ぎ、段々といろんなことがわかってくると、
「注射は嫌!」
と、クリニックに連れてくるのも大変ですよね。
そこで今回は、注射嫌いの子どもが注射嫌いじゃなくなる方法や、当院・しいの木こどもクリニックでの予防接種への取り組みについてお話していきます。
子どもが注射嫌いじゃなくなる魔法の方法
そもそも、子どもが注射嫌いになる原因とは何なのでしょうか。
それは、“痛い”・”怖い”と思う気持ちが強く、”注射=嫌な物”となってくるからではないでしょうか。
それでは、子どもが注射嫌いじゃなくなる魔法の方法について、いくつかご紹介していきます。
■注射に行くことを伝える
皆さんは、子どもをクリニックへ予防接種に連れてくる時、ちゃんと説明されていますか。
話を聞くと
「子どもに話すと嫌がるので言っていない」
というママもいます。
医療用語で”プレパレーション”という言葉があります。
これは、事前に何が起こるかを子どもに説明し、子どもが受け入れた上で、注射や処置に望んでもらうという医療用語です。
子どもにとっては、”黙って連れてこられた“という恐怖心。
究極は、”ママに騙された“とも思ってしまい、注射嫌いになります。
そのためにも、注射の前日でもいいので
「明日は注射に行くよ」
と、子どもにちゃんと伝えます。
それに対し、
「ちゅうしゃいや!」
という子どもには、”注射が何故必要なのか”ということを、しっかりと伝えることが大切です。
例えば
「病気になったら遊べなくなって困っちゃうよ」
とか、
「おいしいおやつが食べられなくなるよ」
などなど、簡単な言葉で伝えます。
痛くないは絶対NGです!
もう数を数えられる子どもであれば、
「チクッとするけどすぐ終わるよ。何秒でやってもらおうか?」
と、子どもの主体性を引き出すという方法もあります。
注射は、ほとんどの場合数秒で終わります。
すぐに終わるということを伝えて、お家でイメージしてくるのもいいですね。
■ご褒美を子どもと考える
「注射が終わったらドーナツ買おうね」
と、”注射が頑張れたらご褒美“というルールを作っているママもいます。
私も子どもが小さい頃(幼稚園の年長ぐらいまで)は、”注射が終わったら必ずガチャガチャをする”という約束を子どもとしていました。
インフルエンザ予防接種の1回目はガチャガチャ1回。
インフルエンザ予防接種の2回目はガチャガチャ2回、といった具合でした。
長男にはその方法がうまくハマり、毎回出費でしたが、すんなりと注射を打って帰れるようになりました。
当院・しいの木こどもクリニックでは、子どもへの注射のご褒美として、
「頑張ったね~!」
と言って、手作りのぬりえをプレゼントしています。
新たな関心事を用意し、楽しいイメージを持たせるというのも、注射嫌いを無くすための一つの方法です。
■注射が終わったらいっぱい褒めてあげる
注射が終わったら、泣いていても褒めてあげて下さい。
「凄い頑張ったね」
「痛かったのに動かなかったね」
「凄い!お兄ちゃん、お姉ちゃんになったね」
と、子どもを最大限に褒めてあげましょう。
3~4才ぐらいになると、
「かっこいい」
とか
「すごい」
と褒められると、子どもはがぜん頑張ります。
その子どもの頑張りを、大げさなぐらい褒めてあげましょう。
うちの次男は、幼稚園のY先生が大好きだったので、注射に行く前はY先生にお願いし、キュートな笑顔で
「T君頑張ってね」
とエールを送ってもらい、注射が打ち終わった次の日は、
「かっこいい」
と褒めてもらうようにお願いしていました。
うちの次男はY先生に、
「全然痛くなかったし!」
とカッコつけていましたが、
「えっ、泣いてたじゃん(ーー; 」
と、私は思わず口にしそうになりましたが、それをぐっと抑えた頃が懐かしく思います。
やっぱり好きな人に褒められるってうれしいですからね。
注射が嫌いな子どもへのしいの木こどもクリニックでの取り組み
当院・しいの木こどもクリニックは、かかりつけ医として、乳児期から幼児、学童期に至るまで、予防接種を継続的に行っています。
かかりつけ医として、いつもの先生、いつものスタッフと接することで、ママはもちろん、子どもも予防接種を安心して打てるように日々努めています。
また、事前にぬりえを準備して、注射を頑張ったご褒美として渡し、子どもを楽しませています。
注射されるとは知らないで来院される子どもは、かなり大暴れすることもありますが、必ず保護者の方にしっかりと体を支えて頂き、子どもには
「動くのが一番危ないからじっとしようね」
「すぐに終わるから頑張ろうね」
と励ましています。
時に、乳児の定期予防接種で、ママと赤ちゃんの付き添いで来ている、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいます。
乳児の予防接種を、お兄ちゃんやお姉ちゃんが目の当たりにしてしまうと、次の自分の時への恐怖心がマックスになってしまうので、私たちスタッフで協力して、その時間は、お兄ちゃんやお姉ちゃんの相手をしたり、時には、注射をしているところが見えないように、大きなお尻と背中で視線をブロックしたりと工夫しています。
何より、院長先生自身が、注射嫌いの子どものために
「すぐに終わるから頑張ろう」
とたくさん励まし、“どうしたら子どもたちに痛みが少なく注射を打てるだろう”と、日々考えて行っています。
あまり声を大にして言えませんが、実は院長先生も注射が大嫌いなんです。
自分が注射嫌いだからこそ、
「どうしたら痛くないか」
を常日頃考え、工夫しているんです。
また、院長先生だけではなく、スタッフだけでもなく、皆で創意工夫していくと、結構いろんなアイデアが出てくるので、クリニック全体で考えるということが大切だと思います。
まとめ
今回このブログ(記事)を書いたのは、先日、高校生の子どもが、インフルエンザ予防接種を無事終えて、ホッとしたことがきっかけです。
なぜなら、うちの息子も本当に注射嫌いで、かかりつけの先生にキック&パンチと大暴れで、苦労してた時期があったんです(ーー;
その時は
「悪いことしたら注射になるよ!」
とか日々言ったりしてて、子どもに恐怖心を植え付けていたからかもしれません。
激しく反省…。
まずは、“注射=予防接種 嫌だ!”という子どもの気持ちを素直に受け止めましょう。
そして、注射は”やらなきゃいけないからしょうがないよ”と言うより、”なぜ必要か”を、親として子どもに言う、伝えることが大切なのだと思います。
“勉強は何でやらないといけないの”と、一緒の考えかもしれませんね。
真剣にママが話をすると、子どもって意外とわかってくれます。
だからこそ、子どもとちゃんと向き合い、自信を持っていろんな壁を乗り越えていきましょう。