子どもが足を痛がるのは成長痛のせい?病院を受診した方がいいの?

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「足が痛いぃ!!」

と、子どもが急に痛がること、ご家庭によって頻度は違うと思いますが、よくあることだと思います。

 

そんな時、『あぁ、今日転んで怪我したところが痛いのね』とか、『昨日足をぶつけてたからそこかな?』と、思い当たることがあればいいのですが、何も思い当たることがないと、『えっ!?急にどうしたの??』と、心配になりますよね。

 

痛みの程度も個人によって違いますが、中には痛くて泣いてしまう子もいるみたいで、そんな時、『どうしよう…。病院へ行ったほうがいいかな?』と、不安になりますよね。

 

当院・しいの木こどもクリニックでも、

「うちの子、夜中に突然足が痛いーって泣き出しちゃって。朝にはもうよくなっていたんですけど気になっちゃって…。これって成長痛なんですかね?」

と、聞かれることが時々あります。

 

そこで今回は、言葉ではよく聞く”成長痛”とは一体何なのかということについて。

そして、子どもが足を痛がった時の対処法や、病院を受診するかどうかの判断・タイミングについてお話していきます。

子どもが足を痛がるのは成長痛のせい?病院を受診した方がいいの?

成長痛って何?

成長痛とは、子どもの足(多くは膝のあたり)の痛みの事を指すことが多いです。

成長痛は、正式な病名ではなく、成長期(2歳頃から12歳頃)に痛がることが多いためそう呼ばれています。

 

成長痛の特徴としては、

■子ども(特に3歳から5歳頃)に多い
■夕方~夜間に痛がることが多い
■痛みの強さは様々で、強いと泣いてしまうほどのこともある
■毎日など定期的ではなく、不定期に痛がる
■日中に痛がることは少なく、運動などは普段通りにできる
■原因ははっきりしていない

などがあります。

 

受診された時によくあるのが

「昨日の夜、痛いって大泣きしてて…。今は全然平気そうなんですけど…。」

と、お母さんは心配そうにしていても、当の本人はケロっとしている、なんていうパターンが多いですね。

 

本人に聞いても、

「今は痛くない!」

って言うし、昼間は普通に遊んでいて、歩き方も普段と変わりなし。

 

診察や検査(当院ではできませんが、レントゲンなど)でも異常がないと、

「他に考えられる病気はないので成長痛ですね」

と、判断されることが多いみたいです。

成長痛は、簡単に言うと、『病気が原因ではない、成長期に起こる痛み』という感じですね。

子どもが足を痛がった時の対処法は?

「足が痛い!」

と、子どもが突然言った、痛がった時は、まずは、腫れや傷などがないかぶつけたり転んだりしていないかを確認しましょう。

特に何もなければ、まずは抱っこしたり、痛がる部分をさすってあげたりしてください。

そういうお母さんやお父さんからの安心感があるだけで、痛みがよくなる場合も結構あります。

本人が希望するようなら、温めたり、シップを貼ってあげたりしてもいいですね。

 

成長痛は、夕方から夜間にかけて起こることが多いのですが、夜間は周りの環境が静かで、他からの刺激が少ない事が多いため、足の痛みだったり、ささいなことがとても気になったりしてしまいます。

『何かをやった(やってもらった)』と思うだけで、不安が軽減することもあるので、本人の希望を聞きながら、温めたりシップを貼ったりするといいですよ。

もちろん、抱っこをしているだけで安心できる子もいるので、そういう子は落ち着くまで抱っこをしてあげてくださいね。

病院を受診するタイミングって?

子どもが足を痛がった時の、病院を受診するタイミングですが、腫れや傷などがなく、成長痛の特徴に当てはまるのであれば、急いで受診はしなくても大丈夫です。

痛がる部位や、頻度などの記録をつけたりして、しばらく様子を見てもらっても大丈夫です。

ただし、ごくごくまれにですが、関節や筋肉の病気で痛がることもあるので、注意して様子を見てください。

 

例えば、

■日中も痛がるようになった
■毎日痛がるようになった
■いつも同じ場所を痛がる
■足を引きずったりして歩き方がおかしい

など、変化があるようなら、早めに整形外科を受診してください。

 

これは、当院の院長先生から聞いたお話ですが、

膝に痛みがあった子どもがいて、

「多分成長痛だと思うけど、念の為、整形外科も受診してください」

と話をし、整形外科を受診してもらったら、“成長痛ではなく股関節の病気だった”、という子どもがいた。

その子が痛がっていたのは膝だったけど、レントゲンを撮って初めてその原因は股関節にあったということが分かったので、子どもが日中痛がるとか、毎日痛がるという時はもちろんだけど、なんだか普段とちょっと違うとか、親御さんが違和感を感じたら一度整形外科を受診するのがいいね。

ちなみにその子は、股関節に負担をかけないよう、しばらく車椅子で生活をして、その後回復した、元気になったよ。

と話してくれました。

 

本当にごくまれですが、病気が原因で、子どもが足を痛がるということもあります。

子どもが足を痛がった時に、急いで病院を受診する必要はないですが、痛みが続くなど気になる時は、一度整形外科を受診して、

「異常はありません。成長痛だから大丈夫ですよ」

という事を確認をすると、安心できるんじゃないでしょうか。

また、先程もお伝えしましたが、成長痛っぽくない痛がり方になってきた時は、早めに整形外科を受診したほうがいいと思います。

まとめ

成長痛という言葉はよく聞くけど、どういう症状のことをいうのか、ということについては、まだあまり知られていないのではと思い、今回、この記事を書くことにしました。

 

子どもが足を痛がった時、『成長痛だから大丈夫』と、様子を見ていていい場合がほとんどです。

しかし、ごくまれに、病気が原因の事もあるので、様子を見るにしても、気にしながら様子を見るようにしてあげてくださいね。