「昨日の夜、解熱剤を使ってみたんだけど、全然熱が下がらなかったんです。なんで効かなかったんでしょうか?」
と、受診された際に相談されるママさんたちが多くいらっしゃいます。
その際に、
「お子さんの様子はどんな感じでしたか?いつ頃使われましたか?」
と、お子さんの経過等のお話をじっくり聞かせてもらうんですが、特に初めてのお子さんの場合、解熱剤を使うタイミングを間違って使用していることが伺えます。
そこで今回は、解熱剤を使うタイミングについて。
そして、気になる解熱剤の副作用についてお話していきます。
解熱剤はタイミングを間違うと効かない!?副作用ってあるの?
解熱剤は使うタイミングを間違うと効かない!?
「えっ?解熱剤って使うタイミングがあるの?熱がある時に使えばいいんじゃないの?」
と思われているママさんが結構みえます。
体温計の数字を見て、
「え!39.0℃もある!ぐったりしているし、すぐ解熱剤を使ってあげたほうがいいよね」
と、辛そうなお子さんの姿を見て、そう思うママさんがほとんどだと思います。
でも、ちょっと待ってください。
熱があるのに、お子さんの手足が冷たくなっていませんか。
手足の先がまだ冷たいうちは、大人の寒気がある時と同じ状態です。
私たち大人もまだ寒気がある時って、すぐに解熱剤使いませんよね。
熱があるのにお子さんの手足が冷たくなっている場合は、まだ熱が上がるということをあらわしています。
そのような時に解熱剤を使用しても、それ以上の熱の上がりを抑えるのみで、ほとんど解熱効果が得られません。
この、解熱剤を使用するタイミングって、意外と知らない方が多いんです。
解熱剤は、使うタイミングを見極めることが本当に大切です。
解熱剤は、熱が上がりきった状態の時に使用するようにしましょう。
「で、熱が上がりきった状態っていつ?」
ということなんですが、熱が上がりきった状態、解熱剤を使うタイミングの目安としては、手足の先まで温かいことです。
そのため、体温計で熱を測るだけでも、おでこを触って熱をみるだけでもなく、子どもの手足の先を触って、冷たいか温かいかをみることが大切です。
解熱剤が効かないとおっしゃるママさんの多くは、この解熱剤を使うタイミングを間違っていて効かないという場合がほとんどですので、必ず子どもの手足の先を確認するようにして下さいね。
解熱剤って副作用あるの?
「あんなに熱があったのに、解熱剤を使ったらすぐに熱が下がった!これ、副作用とか大丈夫なの?」
と心配されるママさんも見えます。
どんな薬にも、多かれ少なかれ必ず副作用はあります。
もちろん、解熱剤にもあります。
子どもさんには、アセトアミノフェン(商品名だとアンヒバやカロナールなど)が一般的によく使用されています。
最も副作用が少なく、安全性が高いといわれている薬ですが、使用量を間違えると、副作用が出る可能性は高くなり、低体温や腎障害等を起こしかねません。
子どもさんの場合、体重と年齢により薬の量が変わってきます。
小さいお子さんほど薬の影響を受けやすいため、より注意が必要です。
「確か上の子の解熱剤の残りがあったはず。まだ使えるかな?」は、絶対にやめて下さい。
必ず病院やクリニックを受診し、その子どもさんに処方された解熱剤を使うようにしましょう。
まとめ
解熱剤は、病気を治してくれるものではありません。
だからと言って、“絶対に解熱剤を使わない”という極端なやり方もおすすめしません。
38.5 度以上の熱があり、水分や睡眠も十分にとれない・ぐったりしている時は、解熱剤を使用し、少し熱を下げて体を楽にしてあげる時間をつくることも必要不可欠です。
発熱は、免疫機能を高め、風邪などのウイルスや細菌と戦っている、『からだが頑張っている証』です。
その時の状態に合わせ、お子さんの免疫力(自然治癒力)が十分に発揮できるように手助けしてあげることが大切です。
子育ての最中は、後から“やり方が違っていたんだね”と気付くこともたくさんあります。
ちなみに私もそうでした。
“どうしてだろう?”などと疑問に思うことは、ご来院の際、どんなことでもご相談ください。