子どももコロナワクチンを打つべき?かかりつけの医師と相談を

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5歳から11歳の子どもへのコロナワクチン接種が始まり、接種すべきかどうか、判断に迷っている方も多いかと思います。

看護師である私も3人の子どもを持つ親。

 

1番上の子は医療関係の学生という事もあり、学校側や実習も関係して迷わず接種しました。

 

2番目の子は高校生。

・・・

少し迷いましたが接種しました。

 

3番目の子は8歳。

・・・

現在、かなり迷っている最中です。

 

来院される親御さんからも、

「子どものコロナワクチンの接種券が届いたんですが、接種した方がいいですか?」

と、最近よく聞かれます。

 

そこで今回は、子どももコロナワクチンを打つべきなのか。

我が家の迷っている思いを話しつつ、小児のコロナワクチン接種についてお話していきたいと思います。

子どももコロナワクチンを打つべき?

子どももコロナワクチンを打つべきかどうかということですが、”家庭の状況を考え、家族内でよく話し合って決める”、という答えになるかと思います。

 

例えば、子どもに基礎疾患がある場合は、重症化を防ぐためにも積極的に接種すべき。

しかし、ぜんそくの基礎疾患はあるが、きちんとコントロールできている場合は、かかりつけの医師と相談して決める。

 

また、おじいちゃんやおばあちゃんなど、高齢の方と同居している場合は、家庭内感染・重症化を防ぐためにも接種すべき。

しかし、そうでない場合は、接種することで得られる利益(安心して学校へ行ける等)と、接種することによるリスク(副反応等)を並べ、家族内でよく話し合い、かかりつけの医師と相談して決める。

 

といったように、子どもの健康状態や家庭環境は様々なため、それぞれの家族内でよく話し合って決める。

そして、その相談の窓口として、子どものことをよく知っている、かかりつけの医師に相談するといったことが大切だと思います。

 

我が家も、8歳の子どもに接種すべきか、家庭内で話しています。

その検討中の理由として、

■今まで使用されていたワクチンは、ウイルスの一部のタンパク質を人体に投与して免疫が出来る仕組み。しかし、コロナワクチンは、今までとは違って遺伝子という新しい形のため、安全性や長期にわたる副反応が心配。
新型コロナワクチンQ&A|厚生労働省
■上の子ども2人は、年齢も年齢のため、ある程度体も大きいが、下の子どもはまだ8歳のため、体が小さくて細いため、副反応を考えると怖い。
■副反応、この子の父(旦那)はなかったけど、母(私)も上の子ども2人も辛かったので、小さい8歳の子どもが耐えられるかが心配(上の子ども2人は、「3回目は接種したくない」と拒否している状況)
■ワクチン接種量が大人の1/3だが、本当に副反応は少ないのか。
■今流行っているオミクロン株はほとんど重症化しないと言っているため、小さい子どもへの接種の必要性をあまり感じない。デルタ株のような重症化率の高いコロナの変異株が出てきてから接種するというのでもいいのではないか。
■上の子ども2人は副反応が辛かったため、下の8歳の子どもの接種に反対という意見。
■父(旦那)は、「ワクチン接種の必要性は理解できるが納得はできないため、もっと周囲が打ってからでいいと思う」という意見。
■下の8歳の子ども本人に聞いてみたところ、「注射は嫌。針が怖い。お母さん、にいに(兄)、ねえね(姉)が打って辛そうだった。でも、コロナにはなりたくない」という回答が。メリットデメリットを伝えた上でもう一度聞いてみても、本人は「コロナにはなりたくないけど接種したくない」の一点張り…。

などなど、我が家の中では反対意見ばかりのため、まだ検討中の段階です。

 

当院・しいの木こどもクリニックでは、親御さんから子どものコロナワクチン接種の質問を受けると、その都度、西村院長が下記のようなお話をしています。

 

他のワクチンもそうだが、コロナワクチンもメリットとデメリットがある。
その、メリットとデメリットを考えた上で本人、また、子どもの場合は親も、メリットが上回れば打つという話になります。

現状(2022年5月19日時点)では、他のワクチン接種と比べると、子どものコロナワクチンの接種は、メリットとデメリットがかなり拮抗している感じがあり、なかなか難しいところがあります。
他のワクチンは、メリットの方が大きいため、親御さんにちゃんとわかってもらった上でですが「打ったほうがいい」と言いやすい。

メリットについては、発症予防・重症化予防というのがあります。
発症予防という観点から言うと、コロナウイルスが変異を繰り返していることによって、発症予防の効果は徐々に落ちてきています。
しかし、重症化予防という観点から言うと、変異を繰り返してはいるものの、未だに意味があると思います。
ただしこれは、年齢も関係あります。
重症化というのも、今のところですが、今の変異株については、子どもの場合、重症化はほとんどしない状況です。
そのため、”重症化予防という観点からのみで打つ”となってくると、ここも少し微妙なところになってきます。
また、ワクチン接種の副反応という観点から言うと、12歳以上の子どもに打っていた大人量と、11歳以下の子どもに打つ子ども量とでは、副作用・副反応の頻度も少ないです。

これらの様々な観点から考えると、正直、打つメリットとデメリット、どちらもそう大きくありません。
そのため、どちら・何を優先するのかということが大切になってきます。

また、コロナウイルスは何回も変異を繰り返しており、今度どういう形に変わるのかがわかりません。
ワクチンを接種しておくことで、もし今後、”子どもも重症化する”というコロナウイルスに変異した場合、重症化予防の効果はゼロではないと考えられるので、”今後の変異のことを考えて打っておく”という考えもあります。

もう一つは、家族の誰か一人がコロナに感染すると、家庭内ではマスクを外している事が多いため、家族内で感染が広がります。
そうすると、親御さんが仕事へ行けなくなるという社会的なデメリットが出てきます。
各家庭によって度合いは違いますが、社会的デメリットが大きい仕事に就いている場合は打ったほうがいいです。
しかし、リモートワークで勤務できるなど、社会的デメリットがそう大きくない仕事に就いている場合は、そう急いで接種をしなくてもいいかと思います。

感染予防の観点から、効果が少し落ちているとはいえ、打っていないよりは打ったほうがある程度感染予防・発症予防の効果が考えられます。
社会的な活動ができないというリスクを避けるのであれば、家族全員打つという考えもありだと思います。
我が家の家庭環境を考えて、打つ・打たないを、家族みんなで話し合って決めてください。

 

診察の補助に入り、先生のこの話を聞くたびに私の心は『接種しよう』というほうへ傾きます。

 

また、学校を通じて保健所から来たメールには、下記のように書いてありました。

 

子どももコロナワクチンを打つべきかどうかということについて。

我が家の現時点での考えは、院長先生の説明、厚生労働省の説明等を踏まえて、まずは今まで通りしっかりとした感染対策を家族全員がする。

そして、最後は本人の意思に任せてみようかなというのが我が家の現時点での考え方です。

まとめ

小児へのコロナワクチン接種に関して、国は推進する方向でいます。

ワクチンの効果ばかりが報道され、副反応に対しての報道は正直あまりされていないように感じます。

もしかしたら、副反応の症例が少ないからかもしれませんが、実際のところはわかりません。

 

ワクチンの必要性は、病気によるリスクと、ワクチンの副反応によるリスクを天秤にかけて決まります。

そのため、ワクチンについて可能な限り分かりやすく説明することはとても大切です。

しかしそれを、実際に接種する子ども、小さい子どもに理解してもらうことはとても難しいことだと、今回改めて感じました。

 

我が家の場合、子どもにしっかりと説明した上で、

『接種する・接種しないの選択をするのも子ども』

『良くも悪くもその結果を受け入れるのも子ども自身』

と、現時点ではそう決めています。

今は「注射イヤ!」って言っていますが、明日には「注射する!」って言っているかもしれません。

また、コロナワクチンを接種する・しないという話とは別に、家族の誰かがいつコロナウイルスに感染するかもわかりません。

今我が家でできること、しっかりとした感染対策だけは続けていこうと思います。