臍ヘルニアってどんな状態のこと?治療は必要なの?

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皆さん、『臍ヘルニア(さいへるにあ)』って聞いた事ありますか?

「ん?なにそれ?」

という方、結構多いのではないでしょうか。

しかし、違う言い方、『でべそ』と聞くと、すぐに理解できるのではないでしょうか。

 

この、臍ヘルニアですが、どういうもの(状態)かというのは、なんとなくイメージできると思いますが、

「臍ヘルニアって治療が必要なの?」

といった、”臍ヘルニアについては詳しく知らない”、という方が多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、臍ヘルニアとはどんな状態のことなのか。

また、臍ヘルニアは治療が必要なのか、ということについてお話していきます。

臍ヘルニアってどんな状態のこと?治療は必要なの?

臍ヘルニアってどんな状態のこと?

臍ヘルニアは、いわゆる”でべそ”です。

臍ヘルニアについて、もう少し詳しく説明していきますね。

 

ヘルニア(脱腸)というのは、お腹の中の臓器が、お腹の外へ飛び出してしまっている状態のことです。

臍ヘルニアは、字のごとく、臍、おへその部分から腸が出てきてしまっているので、おへそが出ているように見える状態です。
(他にも、足の付根(鼠径部)から出てきてしまう『鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)』という病気もあります)

 

臍ヘルニアは、大人でも起こることのある病気ですが、子ども、特に乳幼児での発症が多くみられます。

なぜ乳幼児での発症が多いかというと、乳幼児・赤ちゃんは、おへその部分の筋肉が完全に閉じていないからです。

赤ちゃんは、お母さんのお腹の中にいる時、お母さんとへその緒で繋がっていますよね。

へその緒には、赤ちゃんが、酸素や栄養を受け取ったりするための血管が何本か通っていて、その血管を通すため、赤ちゃんのおへその部分の筋肉には穴が空いています。

生まれてからは、へその緒は不要になるため、乾燥して取れていくのですが、へその緒が取れても、まだ赤ちゃんのお腹の筋肉には穴が空いた状態になっています。

赤ちゃんが成長していくと共に、お腹の筋肉も成長して、次第にその穴はふさがっていくのですが、それまでの間に、赤ちゃんが泣いたりしてお腹に圧力がかかると、その穴からお腹の中の臓器、腸の一部が飛び出してしまうことがあります。

その状態のことを、『臍ヘルニア(でべそ)』と言います。

 

ほとんどの場合は、お腹の筋肉が成長して穴がふさがっていくため、成長すると治っていきます。

だいたい、1歳までには80%、2歳までには90%が、特に治療することなく、自然に治癒していきます。

そのため、臍ヘルニアは、あまり治療が必要とは思われていないんですね。

臍ヘルニアって治療は必要なの?

先程お話ししたように、乳幼児・赤ちゃんの臍ヘルニアの場合は、成長すると、自然に治癒することがほとんどのため、治療が必要になることはありません。

ただ、中には、極めてまれですが、ヘルニア嵌頓(かんとん)といって、飛び出した腸がお腹の中に戻れず、締め付けられて、血行障害を起こしてしまう場合があります。

『飛び出た部分が戻らない』

『嘔吐や腹痛の症状がある』

という場合には、手術などを行う場合もあります。

 

また、2歳を過ぎても自然に治癒しない場合等も、手術などの治療を行う場合があります。

…でも、臍ヘルニアで出ている部分って、筋肉がないので、皮膚の下に内蔵がある状態なので、あんまり見ていて気持ちいいものではないですよね。(※個人的な感想です)

 

「傷ついたりしないかな?」

「何かの拍子に傷つけちゃったらどうしよう」

と、不安に思う方もいるかもしれません。

 

「自然に治ることがほとんどって言われても、その間になにかできることはないの?」

と思う方もいると思います。

そういう場合には、病院によって、行っている病院と、行っていない病院がありますが、『圧迫療法』を行うこともあります。

これは、“おへその部分から、腸が飛び出てこないように、圧迫して固定する”、という治療法になります。

“ガーゼや綿球をおへその部分に当てて、腸が飛び出てこないように、そのガーゼや綿球を押さえながらテープで固定する”、というのがざっくりしたやり方です。

 

メリットとしては、

『自然治癒よりは早く治癒する可能性があること』

『自然治癒よりは見た目がきれいに治る可能性があること』

などがあります。

 

ただ、デメリットもあります。

赤ちゃんの皮膚はとてもデリケートなので、テープで固定することによって、皮膚がかぶれたりしてしまうこともあります。

最近は、かぶれにくい、肌に優しいというテープも増えてきていますが、やっぱりどうしてもかぶれてしまうお子さんがでてきてしまいます。

そのため、病院や医師によっては、圧迫療法を行っていないところもあります。

圧迫療法について相談したい、という場合は、その病院が圧迫療法を行っているか、問い合わせをしてみるといいですね。

 

臍ヘルニアのほとんどは、特に治療することなく、自然に治癒していきます。

そして、ヘルニア嵌頓などの治療が必要になるケースはごくまれですので、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。

まとめ

臍ヘルニアは、だいたい、10人に1人くらいの割合で起こると言われているので、そこまで珍しい状態ではありません。

中には、

「私(お母さんやお父さん)が赤ちゃんの頃、臍ヘルニアだった」

という方もいるかもしれませんね。

 

臍ヘルニアは、自然に治癒することがほとんどです。

「それでも心配!」

という方は、一度病院を受診し、

「この飛び出し具合は、大丈夫なやつですか?」

と、医師に診てもらうといいですね。

やっぱり、先生の口から

「大丈夫だよ」

と言ってもらえると安心感が違いますからね(^^)