子どもの食べムラや食べ物の好き嫌いについてよく聞く話&我が家の体験談

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「うちの子、食べムラがあるので、ちゃんと大きくなるか心配で…」

「うちの子、偏食(食べ物の好き嫌い)が激しくて、栄養が偏らないか心配で…」

などなど、子どもの食について悩まれている親御さんは多いかと思います。

当院・しいの木こどもクリニックでも、来院された患者様から、子どもの食についても含め、毎日のように様々な質問を頂きます。

その都度、その質問を受けたスタッフがお答えしているんですが、今回はその、”子どもの食”についての質問・回答をブログにさせていただきました。

 

ということで今回は、子どもの食べムラや好き嫌いに、どう対処・対応していたのかということについて、患者様等から頂いた質問に対しての私の回答と、先生のお答え&考えも追加してお伝えしていこうと思います。

■食べムラ: 兄・妹(3~6歳頃を想定)
■食べ物の好き嫌い: 兄・妹(1歳~を想定)

子どもの食べムラ&食べ物の好き嫌いについてのQ&A

それでは、患者様等からよく聞かれる・質問される”子どもの食べムラ&食べ物の好き嫌いについてのQ&(私の)A”です。

 

Q. 食べムラっていつからありました?「ここまで食べたらOK」みたいなラインを決めたりしてました?

A. 兄は、乳児の時、飲みムラがひどかったですね。食べムラの方は、食べムラというより、”自分で食べるのが嫌”という感じで、食べさせるとパクパク食べました。
妹は、食べムラというより基本少食でしたね。でも、あまりに食べないから心配だったので、「よそった分は食べなさい」というルールは作ってました。

 

Q. 食べムラで、お菓子しか食べないとかってありました?

A. 2人(兄妹)とも、お菓子は嫌いじゃなかったけど、お菓子だけ食べて、それをご飯代わりにするということはなかったですね。お菓子とかを食べたときは、「さっきお菓子食べたから、きっとまだお腹空いてないだろうなぁ」と思って、ご飯の時間をずらしたりしましたね。

 

Q. 食べムラで、食べる日と食べない日の差が激しいとか、日によって違うってありました?

A. 2人(兄妹)とも、日によって差が激しいとかはなかったですね。子どもが好きなおかずだったり、好きな味付けだったりすると、食べる量は違いましたけどね。

 

Q. 食べムラで、「今日めっちゃ食べるんですけど…」って、食べすぎて困ったってことありました?

A. 私と子ども2人の3人で中華料理店へ行ったときなんですけど、いつもは少食な下の子(妹)が、場所が変わってテンションが上がったのか、なんとラーメンを1杯食べきったんです!『すごっ!めっちゃ食べるやん!』と思ったのもつかの間、下の子はすぐさまどんぶりにそのままリバース…。私が下の子(妹)の対応に追われている中、上の子(兄)が店員さんを呼んできてくれて、平謝りでお店を後にしました。普段より食べる、また、食べないときは要注意だということをその時に学びましたね。

 

Q. 食べムラというか、遊び食べばかりして困ったって時ありました?

A. 2人(兄妹)とも、遊び食べはほとんどなかったけど、遊び食べっぽいことをし始めたときは、子どもに「もうごちそうさま?」って確認をして、さっさと片付けちゃってましたね。

 

Q. 食べムラがあった時って無理強いしました(無理矢理食べさせました)?

A. 無理強いしても子どもは食べないものは食べないから、無理強いはしませんでしたね。でも、食べ物を捨てるということになるので、「あなた(子ども)のために手間ひまかけて作ったのよ」ってことは言ってましたね。そこは、相手が子どもだろうが大人だろうが関係ないって感じでしたね。

 

Q. 食べムラを直そうと、レシピ(メニュー)や見た目を少し工夫したりしました?

A. 特に下の子(妹)は『食べるのが嫌いなのかな?』っていうぐらい少食だったので、『食べることが好き・楽しい!』と思ってもらえるように、できる限り下の子(妹)の好きなものを出してましたね。

 

Q. 子どもの食べムラについて誰かに相談しました?

A. 上の子(兄)が5歳の頃から親と同居したので、母親(義母)に相談してましたね。相談というより、どちらかというと愚痴的な感じでしたけど…。あと、食卓も同じにしていたので、子どもの様子を一緒に見てもらえていたので、だいぶ助かりましたね。

 

Q. 食べムラがあると、身長や体重など、子どもの成長が心配じゃありませんでした?

A. 乳児の頃は、上の子(兄)も結構体重が軽かったので、保健師さんに、ミルクの与え方や時間等、こっぴどく言われましたね。『いや、わかってるけど上手くいかないんだって!』と言いたかったけど、その時は言葉を飲み込んでいましたね。その後、自分の母親に相談したところ、「飲まないものは飲まない。別に吐き出すわけでもないし、身長は伸びているでしょ?体重は軽めなだけで、成長していないわけではないでしょ?寝返りもつかまり立ちも、ハイハイ…はちょっと変だったけど、ちゃんと成長しているから気にしないの!」と言われて安堵し、また、あまり心配しすぎないようになりましたね。このとき、『心配するのはいいけど、心配しすぎるのはよくない』ということを学びましたね。

 

Q. 子どもの食べムラで悩んでいる親御さんへ、自分の子どももそうだったからこそ言えるアドバイスを教えてください!

A. 『子どもの食べムラはあって当たり前』と、まずは肩の力を抜いてくださいね。他の子や育児本と比べず、自分の子どもの成長を見て感じてください。『食べるのは楽しいこと』という親御さんの姿を見せていると、子どもたちも食べることを好きになって、しっかりと食べるようになるので、”明るい食卓にすること”がとっても大事ですよ。

 

Q. 子どもの食べ物の好き嫌いはいつ(何歳)頃からありました?栄養不足や栄養のかたよりを心配してなにか対応・対策ってしてました?

A. 2人(兄妹)とも、離乳食が始まってから好き嫌いはありましたね。でも、栄養不足や栄養の偏りはそんなに心配しませんでしたね。

 

Q. 子どもの好き嫌いの原因・理由ってわかりました?

A. 2人(兄妹)に、好き嫌いの理由を聞いたら、「見た目・食感・味・匂いで嫌い」って言っていましたね。また、上の子(兄)に関しては、「これを食べると喉が痒くなる(アレルギーが出る)から嫌だ」と、大きくなってからですが教えてくれました。

 

Q. 子どもの好き嫌いはどこまで許してました?

A. 食べず嫌いだけにはさせたくなかったので、子どもが嫌な顔をしても、一度は口に含ませてましたね。でも、次からは、子どもが嫌いなもの・食べたくないものは、無理矢理食べさせようとは一切しなかったです。子どもの頃は食べられなくても、大人になったら食べられるようになるものっていっぱいありますからね。あと、「栄養が…」って言うのもあるかもしれないけど、嫌いなものを無理矢理食べさせようとすると、子どもにとっては食事の時間が苦痛となってしまう。『食事の時間は楽しく!』がモットーじゃないですが、うちではそっちを優先してましたね。

 

Q. 好き嫌いがあった子どもの料理(ご飯)やお弁当って工夫とかされてました?

A. 普段の食卓(料理)は、子どもが手を伸ばす、好きなおかずを必ず一品は用意してましたね。あと、お弁当は、子どもの好きなものだらけで良いと私は思うので、子どもが好きなものをとにかく敷き詰めてました。うちの場合、子どもの頃のお弁当って、特に遠足だったり、給食がないときだったりと、いつもとは違うシチュエーションのときに食べるものだったから、お弁当の蓋を開ける瞬間の子どものことを思って用意してましたね。

 

Q. 兄妹で好き嫌いって一緒でした(似てました)?

A. 兄と妹で、好き嫌いは全然似てないですね。

兄は、好き嫌いというより、体に合う合わないといった、食べた後の体の異変から、次からは食べない・ちょっとだけ食べるといったように、自分でセーブする感じですね。

妹は、貝類への拒否感が強いですね。特にあさり。どうも、あさりをかんだ時にジャリっとなる確率が高いようで、それが原因で嫌いになったと。でも、あさりのエキスは全然大丈夫なので、わ、私の砂抜きのせいで生まれた好き嫌いかもしれません…。

 

Q. 子どもが保育園に通って、偏食・好き嫌いが直ったっていうのあります?

A. 上の子(兄)は、「ブロッコリーが食べられるようになった!」と、なにか誇らしげに帰ってきたときを思い出しますね~。

下の子(妹)は、少しは少食が良くなったかな(?)ぐらいですかね。

でも、嫌いなものを食べさせるような無理強いはしなかったですし、食育も意識して行ってくれて、本当に助かりました。あと、親以外の人と食べる最初の場として、保育園は、子どもの心の成長にもつながる存在だと感じています。

 

Q. 子どもの好き嫌いがひどくてムカつく、腹がたったことってありました?

A. 親の私が作ったものより、祖母(義母)の作ったものから手を出して食べたとき!いやね、好みがあるからね、しょうがないっちゃ~しょうがないんですけど、でも嫌でしたね。思わず子どもたちに「ムカつく!」って言っちゃってましたね。

 

Q. 子どもがご飯で好き嫌い言うから「今日はご飯抜きよ!」なんてことありました?

A. さすがに「今日はご飯抜きよ!」ということはしたことがないですね。

 

Q. 子どもの好き嫌いを直す・なくす方法ってありますか?

A. 子どもの好き嫌いを直す、なくす必要はないと思いますよ。それよりも、親が食べないとか、親が超偏食(ダイエットや筋トレ食)とか、そっちの方が問題があると思いますよ。その場合、食卓におかずが並ばないし、親も食事を制限して食べない。そんな親の姿を見た子どもは「私もいらない」ってきっとなると思います。食卓・食事の場を、ぜひ楽しい場所にしてあげてください。

 

Q. 子どもの食べ物の好き嫌いで悩んでいる親御さんへ、自分の子どももそうだったからこそ言えるアドバイスを教えてください!

A. 親の自分は食べないのに、子どもには「体に良いから」って無理強いして食べさせようとするのはだめですよ。その場合、食べることが嫌いになる可能性もありますからね。そうではなく、『なんでうちの子は食べないんだろう?』と、まずは子どもが嫌いな理由を考えること。そして、子どもが食べている様子をしっかり見ること。すると、

『肉を小さくしたら食べてくれる』
『魚は骨を取ったら食べてくれる』
『野菜もジュースの中に入っているのは飲んでくれる』
『おにぎりだったら…』

などなど、『こうしたら食べてくれた!』がきっと見つかると思います。でも、どうしても無理・ダメな時も多々あります。そんなときは、『お菓子でお腹を満たすことだけはしないようにしよう!』ぐらいのゆる~い気持ちでもいいと思いますよ。

先生からのアドバイス

子どもといえども、私達大人と同じ、一人の人間なので、食べムラや食べ物の好き嫌いがあるのは何もおかしなことではない。

また、人(その子その子)によってその理由が違うのも当然のことだから、その子に合わせた対応・対処法を見つけていくしかない。

だから、食べムラや食べ物の好き嫌いを直すというのはとても大変なこと。

そんな大変なことなので、周りに助けを求めたり、小児科医に相談したりすることが大切。

小児科医は、いろんな家の子(患者さん)の話を聞いているため、そこに知恵があったりする。

ぜひ小児科を、アドバイスやヒントを求めるところの一つにしてほしい。

まとめ

私達、しいの木こどもクリニックは、病気を診るのはもちろんですが、それだけではないと考え、小児科医として、そしてかかりつけ医として、親御さんが困っていることに対しても、真剣に向き合ってアドバイスしています。

今回の”子どもの食べムラや食べ物の好き嫌い”という”子どもの食についての悩み”についてもそうです。

子どもさんのためだけでなく、困っている親御さんの力になれることは何なのか、ということも考えながら、実体験を赤裸々にお話させていただいています。

それも、小児科医として、かかりつけ医としての課せられた役割と考えているからです。

子どもさんや親御さんが、どうしたらその問題を乗り越えていけるのかを一緒に考える。

かかりつけ医だからこそできる関わり方を今後も大切にしていきたいと思っています。