Web問診のメリット&デメリットって?(患者さん側から見たVer.)

この記事は約6分で読めます。

世の中では、お金が紙や硬貨から電子マネーに変わったり、切符が交通系ICカードになったりと、何かとデジタル化が進み、まただいぶ浸透してきましたね。

クリニックも同様で、紙のカルテから電子カルテになったり、診療予約もWebから予約できたりと、様々なものがデジタル化されてきています。

その流れで現在は、『Web問診』を導入する、導入しているクリニックが増えてきました。

当院も近々、Web問診の導入を予定しています。

 

「Web問診を導入して、(患者さんには)どういったメリットがあるの?」

と思われる方も少なくないかと思います。

 

そこで今回は、患者さん側から見た、Web問診のメリット、またデメリットについてお話していきます。

(患者側から見た)Web問診のメリット

まずは、患者さん側から見た、Web問診のメリットですが、一つは、自宅でスマホやパソコンで問診入力を行えるということです。

これだけ聞くと、あまり大きなメリットに感じないかもしれませんが、この、自宅で問診入力を行えるということには、非常に大きなメリットがたくさんあります。

 

例えば、小さいお子さんが2人3人と複数人いて受診する場合、待合室で子どもの様子を見ながら、複数人の問診票を書くのは結構大変です。

それが自宅であれば、それぞれの子どもの様子を見ながら、ゆっくりと入力することが出来ます。

 

また、問診票は、細かく書いてくれればくれるほど、医師も診断がしやすくなり、診察もスムーズになります。

待合室で書くとなると、

「まっ、別に細かく書かなくても、直接先生(医師)に言えばいっか」

と、正直なりがちです。

その場合、問診票に不記載の事項が多いため、診断が難しくなってしまいます。

先生(医師)たちは誤診を防ぐため、経過や細かい症状など、あれこれと詳しく話を聞くことになるので、結果、診察時間が長くなり、患者さんの待ち時間が長くなってしまいます。

それが自宅で問診を入力できるとなると、診察時間まで余裕があるので、経過や症状など、細かく入力することが出来ます。

その結果、診察時間が短くなり、患者さんの待ち時間の短縮に繋がっていきます。

 

また、Web問診は、子どもをクリニックに連れて行くのが、普段細かく子どもを見ていない方が連れて行くときにも役立ちます。

「奥さんに子どもをクリニックにつれてってと言われたので連れてきました」

「娘からクリニックに孫をつれてってと言われたんで連れてきました」

という場合、大まかな症状は奥さんに聞いていてわかるんですが、細かい症状やいつからといった経過となると、答えられない方がたまにお見えになります。

そうなると診断が難しくなり、結果、次の日に奥さんが子どもを連れて、再度受診するという場合もあります。

Web問診は、事前に自宅で問診を入力出来るので、奥さんが予約をして、Web問診を入力しておけば、子どもの症状をあまり詳しく知らない方でも、安心してクリニックへ子どもを連れてくることが出来ます。

 

と、このように、自宅で問診を入力できるというだけでも様々なメリットがあります。

 

 

その他のメリットとしては、問診の内容の濃さです。

Web問診では、質問の回答によって、『こういった症状はありませんか?』と、質問が追加・分岐していきます。

そのため、自分では気づかなかった症状にも気づくことが出来ます。

紙の問診票では、質問の回答によって質問を追加・分岐するということが出来ないため、それら全てを問診票に記載すると、問診票が何枚にもなってしまうので、どうしても簡単な質問しか載せることが出来ません。

Web問診では、そういったところも解消できます。

 

 

あとは、Web問診を導入することで、感染対策が強化されます。

麻しん(はしか)や水痘(水ぼうそう)や結核は、空気感染します。

しかし、来院して、問診票を記入してもらって、それを看護師が見て、『これはもしかして…』となってしまう場合がないとは言い切れません。

当院では『事前に発疹がある(水ぼうそう、はしかが疑われる)患者さんは、受付で言ってください』としていますが、気づかなかったり、言い忘れたりしてしまう方もいないとは言い切れません。

Web問診を導入することで、来院前にそれらを知ることが出来るので、そういった症状が疑われる患者さんには、事前にこちらからアプローチをすることが出来るようになるため、より感染対策が強化されるようになります。

 

 

他には、先程少し出ましたが、患者さんの待ち時間が短縮されます。

事前に問診を入力してもらうので、院内で問診票を書く手間がなくなります。

それと同時に、事前にある程度症状がわかるので、診察の時間も読めるようになります。

そのため、現在患者さんをメールでお呼び出ししていますが、その精度が上がります。

「呼び出されたから行ったのに40分も待った」

といった親御さんも多々お見え方と思います。

申し訳ございませんm(_ _ )m

今までは、来院されてから問診を行い、そこである程度病気がわかり、症状によっては診察時に「これは紹介状を書かなければいけない」となり、それによって大幅に診察時間が伸び、結果、患者さんの待ち時間が長くなってしまっているというのが現状です。

また、問診票にはあまり記入せず、直接医師にお話をされるという方もたまに見えるので、そういった場合も、患者さんの待ち時間が長くなってしまいます。

Web問診を導入することで、待ち時間がゼロになるということはありませんが、それらが解消されるので、だいぶ短縮できるようになるかと思います。

 

 

また、その他のメリットとしては、英語やポルトガル語といった、多言語に対応できるというところもあります。

 

 

このように、Web問診のメリットは、患者さん側から見ただけでもこれぐらいあります。

Web問診だけでなく、これからも、親御さんがより楽に、より便利と思ってもらえる仕組みやシステムを導入していきたいと思います。

まとめ

一方、患者さん側から見た、Web問診のデメリットですが、まぁ“面倒くさい”、これに尽きるかと思います。

症状によっては質問が多い、入力するのに時間がかかります。

子どもが一人ならまだしも、二人、三人となると、人数分入力しなければいけません。

「書いたほうが早い!」

「口頭で説明したほうがしっかり伝わる!」

と、思う方も出てくるかと思います。

特に、スマホやパソコンでの入力に慣れていない方は強く思うかと思います。

 

私自身20代ですが、正直、

『書いたほうが早いんじゃない!?』

と思いました。

でも、

『家でスマホでできるのって楽だなぁ』

とか、

『症状を知らないばぁばやじぃじにクリニックへ連れて行ってもらっても、きちんと診断してもらえるならいいかなぁ』

とも思いました。

要は、良いところもあれば、悪いところもあるということです。

 

Web問診に慣れるまで、患者さん側もそうですが、私達クリニック側も時間がかかるかと思います。

私達も新しいシステム・仕組みを導入するということで、ちょっと…、いや、だいぶ抵抗がありました。

でも、患者さんのため、また、それが私達のためになると思い、導入を決めました。

 

はじめは戸惑うことも多いかと思います。

しかし、患者さんと一緒に、より良いシステムに改善、使いやすいWeb問診にしていきたいと思っています。

院内での待ち時間の短縮のため、また、スムーズな診察を行うためにも、是非、事前のWeb問診入力を、よろしくお願いいたします。