新型コロナウイルスが流行している現在、子どもが熱を出したとき、
「保健所に電話をしなければいけないの?」
「発熱外来に行かなければいけないの?」
「普通にかかりつけ医に受診してもいいの?」
「家で様子を見たほうがいいの?」
などなど、正直、どうしたらいいか悩みますよね。
実際、当院・しいの木こどもクリニックにも、
「子どもが熱があるんですけど、(そちらに)受診してもいいですか?」
「子どもの熱が2日続いているんですが、(そちらへ)受診しても大丈夫ですか?」
「先日、新型コロナウイルスが流行しているところへ行って、帰宅後、子どもが熱が出たんですけど、(そちらに)受診してもいいですか?」
などなど、1日に数件、電話で様々な問い合わせがあります。
そこで今回は、子どもが風邪症状のときはどうすればいいのか。
新型コロナウイルスが流行している現在の、小児科を受診するタイミングについてお話していきます。
コロナ禍で小児科を受診するタイミングって?
新型コロナウイルスが流行している現在の、小児科を受診するタイミングですが、当院・しいの木こどもクリニックの場合は、家庭内、または身近で、大人で発熱している方がいたり、濃厚接触者がいたりしなければ、マスクをして、いつも通り受診してください。
「熱が出ているときは、かかりつけ医に電話してから受診」
と国は言っていますが、これは、滅多に熱が出ない”大人の方のコロナ疑いの対応”です。
子どもは、ちょっと風邪っぽいとすぐに熱が出たり、寒暖差で鼻水や咳症状が出てくることも頻繁にあります。
また、子どもの場合、熱が出ていても、ほとんどが新型コロナウイルスの感染からくる症状ではありません。
しかし、100%違うとは言い切れません。
そのため、国は『空間的、もしくは時間的に区分けが必要』と判断せざるを得ないため、
「熱が出ているときは、かかりつけ医に電話してから受診」
と話をしているんですね。
当院・しいの木こどもクリニックの場合は、感染予防の観点から、最初から個室待合になっていたり、会計待ちの背もたれを高くし、他の患者様と顔を合わせないような作りにしたりと、元から『空間的に区分けをしている』ため、身近で、大人の方で発熱している方がいたり、濃厚接触者がいたりしなければ、マスクをして、いつも通り受診してくださいという話が出来ているんですね。
子どもの新型コロナウイルス感染症の報告者は、成人に比べると少ないです。(2020年度末時点)
また、当院・しいの木こどもクリニックがある、愛知県岡崎市の報告を見ても、単独で新型コロナウイルスに感染している子どもは0人と、全くいません。
そして、国内の報告(子どもの感染)の多くが、家庭内感染ばかりです。
そういったことから、当院の場合は、身近に大人で発熱している方がいたり、濃厚接触者がいたりしなければ、普通に受診しても特に問題はないということなんですね。
というのも、
「熱が出ているから新型コロナウイルスかも…」
「咳が続いているから新型コロナウイルスかも…」
と、昨今のWebやテレビなどのメディアの情報、現在の新型コロナウイルスの流行からすると、どうしてもそう考えてしまいがちですよね。
そういったことから、
「ちょっと熱っぽいけど、受診するのは我慢しよう」
「ちょっと鼻水が出てるけど、しばらく様子を見よう」
「ちょっと咳が続いているけど、クリニック(小児科)を受診して、逆に新型コロナウイルスに感染してしまうかもしれないから、もう2・3日経過を見よう」
と、クリニック(小児科)の受診を控える方が多くいらっしゃるんですね。
現在、そうして受診を控えたことにより、すぐに治るはずの風邪がなかなか治らず長引いてしまったり、また悪化したりしてしまうケースが増えてきているんですね。
当院・しいの木こどもクリニックでは、”子どもたちの感染は、基本的に家庭内感染が多い”ということから、お問い合わせ頂いた際には、
「家庭内や身近に、大人の方で熱が出ている人はいるかどうか?」
「家庭内や身近に、濃厚接触者はいるのかどうか?」
ということを確認させて頂いています。
熱や風邪症状は、新型コロナウイルスだけではありません。
受診しようかどうか、どうしても迷ったときの、一応の受診の目安としては、
1.発熱が3日続くとき
2.咳込みや夜間の咳が続き、呼吸が苦しそうなとき
3.だるい感じが強く、元気がないとき
4.おうちの方が見て、いつもと比べて様子がおかしいなと思うとき
です。
しかしこれらは、あくまでも目安にすぎませんので、親御さんが見て心配だと思ったらすぐに受診してください。
というのも、今のこの時期は、少しの咳、鼻水でも、園や学校に行きにくい感じってありますよね。
新型コロナウイルスでもなんでもないのに、子どもの様子を見て、
「今日はご自宅で休んで(休ませて)ください」
と、先生や保育士さんに言われた方もいらっしゃいます。
そうしたことを防ぐためにも、親御さんが気になったら受診してください。
感染症や病気も、新型コロナウイルスだけではありません。
新型コロナウイルスが流行しているからと、受診を控えるのではなく、マスクをして、いつも通り受診することが、本当の子どものためだと思いますし、私はそうしています。
子どものためにも、クリニック(小児科)を受診するタイミング、間違えないでくださいね。
まとめ
当院・しいの木こどもクリニックは、個室待合になっており、会計待ちの時も、他の患者様と顔を合わせないよう、背中合わせの作りになっているので、他の患者様と接触することはほぼありません。
また、個室待合なため、飛沫感染の恐れもほぼありません。
新型コロナウイルスもそうですが、他の風邪症状等の感染対策もしていますので、安心して受診してください。
「接触感染・飛沫感染対策はしているけど、それでも心配…」
という方は、クリニックから出る(帰られる)ときに、アルコールで手指消毒をしていただければ、自宅に菌を持ち帰ることを防ぐことができます。
新型コロナウイルス感染症が流行りだし、当院も患者様の受診控えがあります。
新型コロナウイルスという未知のウイルスで、ほとんどの方は、Webやテレビなどのメディアからしか情報を得ることが出来ません。
メディアも危険を煽る報道が多く、その恐怖心から偏見も生まれてしまっています。
子どもは親の背中・言動を見ているので、大人が偏見を持つ、偏った見方をしてしまうと、子どもも偏った見方をしてしまいます。
あまり世間の情報に惑わされず、正しい感染対策や対応をするためにも、わからないときは、クリニックを受診して、ぜひ、正しい知識を得てください。