「子どもが急遽入院!何を持っていけばいいの?何があると便利なの?」
「うちの子、ちゃんとご飯食べるかな?」
「大部屋しか入れない(空いてない)けど大丈夫かな?」
「夜泣かないかな?」
「入院中わがまま言わないかな?」
などなど、”子どもの入院”については、不安・心配が山積みで、また、「あれもこれもやることが多くて大変!」と、かなり悩まれる親御さんばかりだと思います。
今回はその、”子どもの入院”についての悩み・質問についての回答をブログにさせていただきました。
ということで今回は、”子どもが入院する”、”子どもが現在入院中”、”子どもがもうすぐ退院する”といった、”子どもの入院”の様々な場面で、どんなことが大変だったのか。
また、どんな心配や悩みを持っていたのか。
私の子ども(娘)が頻繁に入院していたということもあり、その時の対処・対応や、気持ち・感情等について、親御さん等から頂いた質問に対しての私の回答と、先生のお答え(考え)を追加してお伝えしていこうと思います。
■子どもの人数:女の子が1人(一人っ子)
■家族構成:私・子どもの2人家族(両親は近所に住んでいる)
子どもの入院についてのQ&A
それでは、親御さん等からたまに聞かれる・質問される、”子どもの入院”についてのQ&(私の)A”です。
Q. 子どもはどんな原因(症状)で入院してました?
A. 子どもが2~8歳頃、気管支炎でよく入院してました。
最初は微熱程度だったので、いつもどおりの風邪だと思い、すぐには病院に行かず、様子を見ていました。
2~3日経っても熱が下がらず、症状も酷くなってきたので病院を受診し、採血をしたら、炎症反応の数値が高く、そのまま入院となってしまいました。
Q. (その時の)子どもの入院日数ってどのぐらいでした?
A. 気管支炎で入院してた時は、毎回大体5日程度でした。
症状が酷くなってから入院するまでは、38℃~40℃の高熱がずっと続いていて、水分も摂れず、ぐったりとして、辛そうにしていたのですが、入院して、点滴治療をするようになってからは、日に日に元気になってくれました。
それでも毎年のように入院してました。
特に保育園へ入園したての頃は、すぐに熱を出し、1年の半分を病気で欠席してました。
そのため、長期で園や学校を休むことは、うちにとっては恒例行事となってました。
Q. 子どもが入院するってなって、「ご飯食べるかな?」とか、「大声で泣かないよね?」とか、何が不安・心配でした?
A. 子どもが2歳の頃からよく入院してたんですが、個室ではなく、6人の大部屋での入院だったので、夜泣きをして、周りのお子さんに迷惑をかけてしまわないか心配でした。
大部屋は、小さい子から大きい子まで、いろんな年齢の子どもが入院していたので、1人が泣くと、連鎖反応のように周りの小さいお子さんも泣き出してしまうので、とにかく静かに過ごさせることに必死でした。
熱があると、何をしても機嫌が悪かったので、毎日、子どもだけじゃなく、周りにも気を遣いすぎて、私も泣きたかったです。
Q. 子どもが入院して辛い・大変だったことってなんですか?
A. 子どもが2歳の頃に入院した時、40℃近くの高熱が5日も続いて、あまりご飯も水分も摂れずに過ごしていた時なんですが、点滴を24時間刺したままで、手が自由にならず、動きが制限されていたときは、毎日機嫌が悪くてめちゃくちゃ大変でした。
抱っこしてもダメ。
テレビを見せてもダメ。
また、病室から出ることも出来なかったので散歩もできず、とにかく毎日ご機嫌取りに明け暮れていました。
Q. 子どもが入院した時、どう付き添ってました?
A. 幸か不幸か、子どもの入院先は、私が働いていた職場だったので、顔見知りの先生や看護師さんばかりだったので、そこは安心して子どもを託せました。
小児病棟は「可能な限り付き添いで」とのことだったので、私も一緒に小さなベッドに子どもと2人、一緒に寝てました。
Q. 子どもが入院した時、大部屋でした?個室でした?
A. 子どもが2歳と小さかったこともあり、個室を希望したんですけど、満室で入室できず、6人の大部屋で過ごしていました。
うちの子は夜泣きもあったので、なるべく夜はぐっすり寝てもらえるよう、昼間は寝かせないようにするなど対策してました。
あと、一緒に入院してる同部屋の親御さんも「うちもよく泣くし、全然迷惑じゃないから大丈夫よ!」と言われて安心したのを覚えてます。
Q. 子どもは入院時、わがままになったりしませんでした?
A. 入院中は元気もなく、ぐったりだったので、わがままを言うことなく終わったんですが、退院してからが大変でした。
24時間ずっと一緒にいたので、私と離れることができず、トイレへ行くにもついてくる始末。
保育園も泣いて行きたがらない。
買い物をする少しの時間、私の両親に面倒を見てもらうことは出来ずと、今まで大丈夫だったことが全てダメになってしまいました。
Q. 子どもの入院準備・持ち物で、”これは絶対に持っていったもの”ってなんです?
A. うちの場合、子どもを置いて着替えを取りに行くということがなかなか出来なかったので、とにかく着替えをたくさん持っていったほうが良いと思いました。
高熱で汗をたくさんかくし、点滴のせいか、いつもよりおしっこの量も増えて、オムツから漏れてしまうことも何度かあり、準備していたよりも更に1つ2つ多めに用意しておいたほうが良いと思いました。
Q. 子どもは入院しても、これといってやることがなくて退屈だったと思うんですが、病院での過ごし方というか、退屈しのぎでどんなことしてました?
A. 入院初日はまだぐったりしていて元気もなく、1日中寝てばかりでしたが、熱も下がり、点滴も外れ、手が自由になると、ベッドの中で過ごすことが今度は苦痛になってきてしまいました。
そんな時は、ポータブルDVDでアニメを見たり、お絵描きをしたり、折り紙をしたりして過ごしていました。
Q. 子どもの入院で、準備や手続きや付き添いなど、ご家族は色々とやってくれました?
A. 我が家は母子家庭だったので、入院準備・手続きなどは、近くに住んでいる自分の母親が手伝ってくれました。
母親もフルで働いている人だったので、付き添いなどは頼ることなく、自分1人でやってました。
着替えを取りに帰るときなどの短時間のみ交代してもらい、用事を済ませてました。
近くに住んでいなかったらそれすら出来なかったので、そこはとても助かったしありがたかったです。
Q. 子どもが入院する前後で大変だったことを教えてください。
A. 入院する予定で病院を受診していないので、「洗濯物を干しっぱなしだ!」「家の窓開けっ放しだ!」と、家のことが心配でした。
兄弟がいなく、1人っ子だったので、そこの心配がなかったのがせめてもの救いでした。
Q. 子どもの入院中で大変だったことを教えてください。
A. うちの子は、保育園でも割と活発な方で、朝から元気いっぱい走り回って遊んでた子なので、熱があってぐったりしている時は良いんですが、熱が下がり、元気になってくると、「外行きたい~!」「外で遊ぶ~!」「ブランコ乗りた~い!」など、ずっと病室にいるのが苦痛になってきていました。
いろんな病気の子が入院しているので、病室から出ることは出来ず、また、廊下に出ることすら許されなかったので、遊び盛りの子どもには日々苦痛だったと思います。
Q. 子どもの退院前後で大変だったことを教えてください。
A. 経過良好でずっときていたのに、退院前日に発熱して、退院がずれ込むことが何度かありました。
子どもの体調って、本当に数時間単位で変化するんだなぁと実感しました。
Q. 親として、子どもの入院で、どんなストレスを感じました?
A. 保育園の時の入院は、小さかったし、ひたすら寝て過ごして回復すること、機嫌悪くならないようにすることで、ストレスを感じることは少なかったんですが、小学生にもなってくると、口が達者になってくるので、「勉強や本読みなど、体調が良い時にやってね」と、担任の先生が持ってきてくれた課題を、「ちょっと頭痛いかも…」「今日はちょっと体調悪いかも…」と言って、直前まで元気にしてたのに、そういう時だけ体調悪いアピールをしてくることがとってもストレスでした( ̄□ ̄メ
Q. 子どもが入院するってなって、会社を休みにしたり、有給取ったりとかってしました?
A. ありがたいことに、そこは理解のある職場だったので、子どもが入院中はずっとお休みを取らせていただいてました。
嫌な顔ひとつせず、「しっかり付き添ってあげてね」と言ってもらえたのは救いでした。
働くお母さんが増えている中、子どもの体調で休むことも多く、職場や周りのスタッフにも負担をかけてしまっているにも関わらず、受け入れてくださる職場には、本当に感謝でした。
働くお母さん皆が同じ気持ちだと思います!
Q. 子どもの入院で、補助金とか助成金って出ました?
A. 補助金、助成金は出ませんでした。
ただ、受給者証があったので、入院中は食事代のみで大丈夫でした。
Q. 子どもの怪我や入院等の保険ってかけてました?
A. 小さい頃から入退院を繰り返している子だったので、保険には入ってました。
ただ、後から見返してわかったのですが、入院7日目からしか補助がないプランだったので、いつも5日で退院していた我が家には、保険のありがたみを感じることなく終わってしまいました。
Q. ちょっとほっこりする(笑える)、子どもの入院エピソードを教えてください。
A. 保育園の年少から小学2年生の間で、もう何度も入院しており、病棟看護師さんからも、入院のたびに「おかえり」と言われており、”小児病棟の主”みたくなっていたので、泣きながら入ってくる新しい患者さん(子ども)に「ご飯おいしいよ」とか、「トイレはここにあるからね」と、まるで自分の家のように説明していたのには笑えました。
Q. 子どもが頻繁に入院することに対して、家族と揉めたりしませんでした?
A. 病院へ行くのを後回しにしてしまったために手遅れとなり、入院になることが多かったので、「どうしてもっと早く、酷くなる前に病院へ連れて行かなかったんだ!」と、毎度両親に口うるさく言われてました。
Q. 子どもが頻繁に入院して、心配が絶えない親御さんに対して、経験した・通ってきた道だからこそ言えるアドバイスを教えてください!
A. フルで働くお母さんが増えてきているこのご時世。
少しの咳や微熱程度だと、どうしても病院へ行くのを後回しにしてしまうことも多いかと思います。
「日中は元気だから明日まで待とう!」
「咳もたくさん出てるわけじゃないから、酷くなったら受診しよう!」
と、後回しにせず、症状が軽くても、自分で判断せずに、早めに病院へかかることをおすすめします。
先生からのアドバイス
頻繁に入院するのを防ぐには、「このぐらいだったら行かないほうがいいかな」と、受診するのをためらわないこと。
特にコロナ2019(新型コロナ)とかもあって、病院・クリニックは忙しいと思っている親御さんが多く、受診控えをする方が多い。
昔、僕を教えてくれた先生と患者さん(患児の母)で、こんな会話があった。
お母さん:こんな軽いことで連れてきてすいません。
先生:こんな軽いことって言うのは誰が決めた?病気が軽いか重いかは医者が診察して決めることで、素人が勝手に判断するな!
お母さん:今日来て、明日悪くなったらどうすればいいですか?
先生:明日も来るでしょ。
お母さん:明後日悪くなったら?
先生:明後日も来るでしょ。そんなん調子が変わったら毎日のように来るのが普通だ!
とまぁ昔の先生ということもあり、結構お母さん(患児の母)に怒ってた。
その後、僕にこう話してくれた。
「世の中には、”こんな軽いことで連れてきて”みたいな、くだらないことを言う医者がいる。その医者たちは、仕事に対してプライドがない。こんな軽いとか重いとかっていうのが、素人(患児の親御さん)にわかると思っているのか。自分たちの仕事は、そんな素人が分かる仕事なのか。俺はそんな仕事じゃないと思っている。だから、親御さんは子どもを連れてくるのが仕事で、俺たちは病気(症状)がこじれてないかをきっちり診察するのが仕事。だから、親としては子どもを連れてくるのは大変かもしれないけど、病院側、少なくともうちの病院としては、昨日も来て、今日も来て、というのは、変化があるのであれば当然だ」
と話してくれて、僕はその意見に今でも賛同している。
そして、クリニック(しいの木こどもクリニック)を開院してからは、
気兼ねなく来てもらう、頻繁に来てもらうことで、”酷くなる手前のところで気づけていたかもしれない”という患者さんも今までにはいた。もちろん、それでもこじれて入院になる子もいるからゼロにはならないけど、「こんな軽いことで連れてきてって言われるかもしれないし…」という理由で行くかどうかを迷うんだったら、そんな事は考えずに来てほしい。少なくとも僕、うちのクリニックはそう考えている。
と、身にしみて思うようになった。
あと、不安なことや気になることは、どんなことでも質問してもほしい。医者からしたら、言い方は悪いが、患者(親御)さんは全て素人だと思っている。どんな質問をしても「こんなくだらない質問をして」とは絶対思わない。だって、親御さんはプロじゃないから、どんな質問が出てきてもおかしくない。医者から見たら「そんなこと聞く?」って話があったとしても、それはプロの目線から見た時には当然かも知れないけど、普通の人から見た時に当然ではない話はいくらでもある。だからそこは遠慮せず、恥ずかしがらずに何でも聞いて欲しい。もしかしたら、そういったところに子どもが病気になる原因・ヒントが隠れていることもあるから。
ちなみに僕は、電化製品を買う時に、プロじゃないから、多分店員さんにくだらない質問をいっぱいしてると思う。でもそれって、自分に合ったものを欲しいし、買い物で失敗して、またすぐに違うのを買うのも嫌だから、普通のことだと思う。感覚的にはそれと似た感じだと思う。
頻繁に入院するのを防ぐには、受診するのをためらわないこと。
「仕事が忙しくてなかなか連れていけない」というのもあるかもしれないけど、できる限り早めに連れていくことが大切。
まとめ
私達、しいの木こどもクリニックは、病気を診るのはもちろんですが、それだけではないと考え、小児科医として、そしてかかりつけ医として、親御さん達が困っていることに対しても、真剣に向き合ってアドバイスしています。
今回の” 子どもの入院”という、親にとっては一大事なことについてもそうです。
子どもさんのためだけでなく、困っている親御さんの力になれることは何なのか、ということも考えながら、実体験を赤裸々にお話させていただいています。
それも、小児科医として、かかりつけ医としての課せられた役割と考えているからです。
子どもさんや親御さん達が、どうしたらその問題を乗り越えていけるのかを一緒に考える。
かかりつけ医だからこそできる関わり方を今後も大切にしていきたいと思っています。