風邪の時に無理に登園させてはいけない理由とは?いつから登園させてもいいの?

この記事は約10分で読めます。

「昨日の夜は熱があったけど、今朝は下がっているし、元気もあるから、保育園・学校に連れて行こ♪」

 

 

・・・

 

 

・・・

 

 

お昼過ぎ…

 

 

「子どもさん、お熱があるのでお迎えに来てください」

 

 

( ̄□ ̄;

 

 

と、園や学校から、このような呼び出しがかかったことがあるお父さん・お母さんは多いのではないでしょうか?

 

当院・しいの木こどもクリニックを受診された方でも

「朝には熱が下がっていたから、大丈夫かなって思って保育園に行ったんですけど、昼過ぎから熱が出てしまって、もれなくお呼び出しがかかりました… 」

と、話してくれるお父さんやお母さんがとても多いです。

 

でもこれ、実はちゃんとした理由があるんです。

 

赤ちゃんの場合は別ですが、子どもの場合、朝・昼・夜と、3回も熱を測ることなんてないですよね。

ましてや、普段元気なときなんてなおさらです。

そのため、なかなか気づかないことが多いんですが、実は、1日の中で熱って変動しているんです。

 

この、熱の変動なんですが、子どもが普段元気なときでも、風邪をひいて熱が出ているときでも、子どもの体調に関係なく変動しています。

傾向としては、朝が一番体温が低くて、夕方以降に少し体温が高めになることが多いです。

しかし、中にはずっと高熱が続く風邪もあります。

また、先ほどとは逆で、朝に熱が出て、夜は下がるというパターンもあります。

でも、経験上、風邪の約半数は、朝熱が下がって、また午後から上がってくるパターンが多いです。

 

そのため、朝子どもの熱が下がったからといって、

「もう大丈夫よね♪」

と思ってしまうのは、医療者からの立場では「ちょっと待った!」となります。

熱が下がったと言って(思って)いいのは、”朝・昼・夜の1日を通して、37.5℃以下になったら”です。

 

「うちは共働きで、子どもを見てくれる人が近くにいなくてしょうがなく…」

「家で子どもを休ませたいとは思うけど、なかなか仕事が休めなくて…」

と、このような理由から、少し無理をしてでも登園・登校させてしまうという方も、正直、たくさんみえると思います。

 

それとは反対に、

「出来れば家で、病気の子どもをゆっくりと見てあげたい」

そのように思っているお父さん・お母さんがほとんどだと思います。

 

そういった部分を理解した上で、”子どもが風邪の時、無理に登園させてはいけない理由”について、医療者の立場からお話させていただきますね。

子どもが風邪の時、無理に登園させてはいけない理由とは?

1つ目の理由は、周りの子どもにうつしてしまうからです。

 

風邪の時は、体が風邪を治すための免疫を、一生懸命フル回転させます。

そして、風邪と戦うため、体は発熱します。

ということは、周りの子どもにうつしやすい状態にあるということになります。

 

園や学校に行く以上、風邪をうつした・うつされたは、避けては通れない道です。

そうやって、風邪をたくさんひいていくうちに、子どもたちの中に、たくさんの風邪に対する抗体が出来てくるため、それはそれで、大切な行程ではあります。

 

しかし、初期症状が、風邪の症状と似ている病気は多々あります。

例えば、

「これ、もしかしたらインフルエンザかも?」

と、疑わしい発熱をしている時に、

「でも、熱は下がったし、会社も休めないから、まっ、多分大丈夫でしょ」

と、朝子どもの熱が下がったからといって登園させ、保育園中にインフルエンザウイルスをバラまいてしまう。

 

うつした方はまだしも、うつされた方は

「なんでそんな状態の子を連れてきた(登園させた)の!!」

と、思ってしまうお父さん・お母さんもいるんじゃないでしょうか。

 

「そんなのお互い様だから仕方ないよね」

と思う部分がある反面、自分がどうしても仕事を休めない時にそんな事があると

「なんで?どうして?」

と、そのお父さんやお母さんだけでなく、子どもを預かっている保育園に対しても思ってしまうことがあるんじゃないでしょうか。

 

“お互い様”と思うことは大切です。

しかし、出来る限り周りにうつさないようにするということは、集団生活を送る上で、とても大切なことなのではないでしょうか。

 

 

2つ目の理由としては、大切なわが子を守るためです。

 

子どもって、熱があっても元気な時って、結構ありますよね。

でも、先程お伝えしたとおり、”風邪と戦うため”に体は熱を上げています。

そのため、元気だからといって、普段と変わらず遊ばせてしまうと、風邪の症状を更に悪化させてしまいます。

 

ましてや登園させたりすると、保育園にはたくさんのおもちゃがあったり、お友達がいたりするので、子どもは楽しくなり、無邪気に遊んでしまいますよね。

そうすると、子どもは遊ぶほうに体力を使ってしまい、風邪を治すために使う体力が少なくなってしまい、結果、風邪の症状を更に悪化させてしまいます。

 

「うちの子、なんでいつも風邪が長引くのかしら…」

「早く風邪が治ってほしいのに、なかなか治ってくれない…」

そう感じた時は、子どもが風邪の時の対応を、一度見返ってみて下さい。

 

短期的に見れば、子どもが少し熱があっても元気な時は、普段と変わらず遊ばせたり、登園させたりすると思います。

しかし、長期的に見ると、そうすることで逆に風邪が長引いてしまい、園や学校を休ませなければいけない期間が長くなってしまうといった事になりがちです。

 

本当に子どものことを思うのであれば、子どもが病気の時は、短期的に見るのではなく、長期的に見て、とにかくゆっくり休ませてあげてください。

それが、風邪を治すための一番の近道になります。

 

 

3つ目の理由としては、風邪も含めてですが、他の病気をもらいやすい状態にあるためです。

 

子どもに限ったことではないですが、1回風邪をひくと、元通りの体調に戻るまで、約2・3週間くらいかかるそうなんです!

これは私も、当院・しいの木こどもクリニックに来て、院長先生に聞くまで知らなかったので、

「えっ!治る(元の状態に戻る)のに、そんなにかかるんだ!」

と、とてもびっくりしたのを覚えています。

 

「風邪をひいて、もう大丈夫だと思ってたら、また風邪をぶり返した」

「風邪は治りかけが大事」

と言ったようなことをよく耳にしますよね。

また、皆さんも経験あるんじゃないでしょうか。

これはそういうことなんです。

 

子どもが風邪をひいたら、とりあえず熱が下がるまで安静にする。

そして、熱が下がった・風邪が治ったら、”今は子どもが他の病気をもらいやすい状態”だということをわかったうえで、遊ばせたり、登園させたりしてくださいね。

 

 

4つ目の理由としては、子どもに痛い思いをさせないためです。

 

子どもの熱が下がりきらない間に、別の風邪をもらってしまった場合、

『最初にひいた風邪が長引いてしまって熱が続いているのか』

それとも、

『新しく別の風邪をもらってしまって熱が続いているのか』

ということを見極めなければいけません。

これを見極めるためには、採血など、ちょっと詳しく検査するしか方法がない場合があります。

 

採血・注射が好きだという子どもは、まぁいません。

本当だったら、しなくてもよかったかもしれない痛い思い(採血)。

それを、子どもにさせてしまうことになるのは、お父さんお母さんにとって辛いことですよね。

同じように、私達医療者もとても心苦しいんです。

 

子どもにそういった思いをさせないためにも、風邪が治るまでは、また、せめて子どもの熱が確実に下がったと確認できるまでは、自宅でゆっくりと休んでもらえると嬉しいです。

 

「じゃあ、どんな状態になったら、園や託児所、学校に行ってもいいの?」

って思いますよね。

そこについては、次の段落で詳しくお話していきますね。

いつから登園させてもいいの?

小児科で働いていて、1・2位を争うくらい多い質問が、

「いつから園や託児所、学校へ行ってもいいんですか」

という質問です。

 

『共働きのご家庭』や、『○○日に行事がある』という場合、いつから登園・登校させていいのかというのは、非常に気になるところだと思います。

特に園や学校の行事は、子どもも楽しみにしている場合が多いので、なんとか子どもを参加させてあげたい!と思うのが親心です。

 

大きく分けると『治癒証明が必要な病気』と『治癒証明が不要な病気』の2つに分けられます。

治癒証明が必要な病気は、お医者さんの証明書、『治癒証明』がないと、登園・登校できない病気です。

治癒証明が不要な病気は、お医者さんの証明書、『治癒証明』はいらず、熱が下がったり等、症状が改善したら登園・登校できる病気です。

 

患者様からよく聞かれる病気を、一覧として載せておきますので、参考にしてください。

治癒証明を必要する疾患

【感染症の種類】インフルエンザ(H5N1型を除く)
【出席停止期間の基準】発症した翌日から5日間経過し、かつ解熱後2日(小学校入学前は3日)経過するまで。(★解熱日を0日としてかぞえる)

【感染症の種類】咽頭結膜熱(プール熱)
【出席停止期間の基準】主要症状が消失した後、2日経過するまで。

【感染症の種類】水痘(水ぼうそう)
【出席停止期間の基準】すべての発疹が痂皮化する(かさぶたになる)まで。

【感染症の種類】流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
【出席停止期間の基準】耳下腺・顎下腺または舌下腺の腫脹が出現後、5日間経過し、かつ全身状態が良好になるまで。(★発症した日を0日としてかぞえる)

治癒証明を必要としない疾患

【感染症の種類】溶連菌感染症
【出席停止期間の基準】抗生剤治療開始後24時間経過し、全身状態がよければ登校可能。長くても診断日と翌日を出席停止にすればよい。(☆豊田市は治癒証明必要!→親のみの受診でOK。証明書は指定用紙・当院のものどちらでもOK)

【感染症の種類】手足口病・ヘルパンギーナ
【出席停止期間の基準】発熱期や口腔内の水泡・潰瘍のため摂食できない期間は出席停止となるが、症状の安定した者は登校可能。

【感染症の種類】流行性嘔吐下痢症(ウイルス性の感染性胃腸炎)[ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスが主]
【出席停止期間の基準】下痢・嘔吐症状の回復後、全身状態のよい者は登校可能。

【感染症の種類】突発性発疹
【出席停止期間の基準】解熱後、元気であれば登校可能。(発疹が出ていても解熱後であればOK)

 

今回は、患者様からよく聞かれる病気のみを一覧で掲載しました。

この他にも複数の”感染症の種類”や”出席停止期間の基準”がありますので、気になるものがありましたら、受診の際にお尋ね下さい。

【病院を嫌がる子どもってどうすればいいの?】

まとめ

今回は、

「なぜ、子どもが風邪の時、無理に登園させてはいけないのか」

ということについて、医療者の立場からの思い。

そして、小児科でとても多い

「いつから登園・登校してもいいの?」

という質問に対して、お答えさせていただきました。

 

当院・しいの木こどもクリニックの先生をはじめスタッフは、”お子様に早く元気になってもらいたい”という、お父さん、お母さんの気持ちと常に同じ思いでいます。

それぞれのご家庭により、様々な事情があると思います。

それはそれで是非、診察の際にその事情や思いをぶつけて下さい。

“お子様に早く元気になってもらいたい”という思いは私達も一緒です。

ご家庭の事情や、お父さんお母さんの思いを理解したうえで、今後どうするかを一緒に考えていきましょう。

これからも、お子様が少しでも早く元気になれるよう、また、元気なときが少しでも長く続くようなお手伝いをさせてください。

【子どもを病院へ親以外(祖父母)が連れて行く場合に特に気をつけたいことって?】