乳児健診や診察の中で、特に赤ちゃんのお母さんたちからよく聞かれる質問で
「最近、うんちが2~3日に一回になってきたんですけど、こんなに小さいのに便秘なんでしょうか?」
というものがあります。
そうですよね。
赤ちゃん、特に新生児の頃なんて、母乳やミルクを飲んだら、その都度うんちしたりして、ほぼ毎日うんちが出てましたよね。
それが、少し大きくなって、毎日出なくなってしまうと
『あれだけ毎日うんちをしてたのに、これって大丈夫なの?』と、心配になる気持ち、よ~~くわかります。
それと同時によく聞かれるのが
「毎日うんちが出ないのは便秘なんですか?」
「うんちが出ない時、どう対処したらいいんですか?」
という質問で、赤ちゃんのうんちに関して困っている方って結構多いんです。
この記事を読んでもらって、赤ちゃんの便秘や、お家での対処法について知ってもらえるとうれしいです。
ということで今回は、赤ちゃんのうんちが毎日出ないのは大丈夫なのか?
また、赤ちゃんの便秘の時の対処法について紹介していきます。
赤ちゃんの便が毎日出ないけど大丈夫?便秘のときの対処法
赤ちゃんの便が毎日出ないけど大丈夫?
赤ちゃんの便が毎日出なくても、基本的には大丈夫です。
大人でも、毎日便が出なくて、2~3日に1回でも、何にも問題がない人も多いですよね。
ただし、注意してもらいたいのが、うんちが出ないことによって、赤ちゃんに不都合がないかどうかです。
新生児の頃は、授乳する度にうんちをしていたことが多かったと思いますが、それがだんだんと脳が発達することによって、食べたら(飲んだら)すぐにうんちが出る、ということはなくなってきます。
そして、次第にその子なりのうんちのペースというのが出来上がってきます。
それが毎日なのか、1日おきなのか、3日に一回なのかは、それぞれ赤ちゃんによって違ってきます。
じゃあ、赤ちゃんが便秘かどうかの判断基準はどこなのでしょうか。
それは、うんちが出ないことで赤ちゃんが困らないかです。
具体的に言うと、
■うんちが出ないことでお腹が苦しくて哺乳量が減る
■飲んでも吐いてしまう
■お腹が張って苦しそう
■機嫌が悪い
■うんちが固くなってしまい、出す時にお尻が切れてしまう
などなどです。
こういった症状が出るようになった時に”便秘”と言えます。
最初はわからないかもしれませんが、だんだんと、
『うちの子はうんちが2日出なくて、3日目になったら全然おっぱいを飲まなくなった』
『4日は平気そうだけど、5日出ないとなんだか苦しそう』
などなど、その子のペースがわかってきます。
それが分かれば、便秘で苦しくなる前に対処してあげれるようになると思います。
逆に言えば、たとえば7日間うんちが出てなくても、全然普段と変わらないし、うんちもつるっと出てくるようなら、それがその子のうんちのペースなので問題がないと言えます。
大人からしたら信じられないかもしれませんが、実際にそういう子もいたんですよ♪
赤ちゃんの便が毎日出ていなくても、基本的には大丈夫です。
何日出てないと大丈夫じゃないかは、赤ちゃんによって変わってくるので、うんちが出たかや、赤ちゃんの様子などを記録しておくと、後から振り返った時に、その子のうんちのペースが分かると思いますよ。
赤ちゃんが便秘のときの対処法
赤ちゃんが便秘のとき、自宅でできる便秘の対処法として、お母さんたちによくお伝えしているのが、“綿棒刺激・綿棒浣腸”です。
綿棒刺激・綿棒浣腸とは、文字通り”綿棒で刺激(浣腸)してうんちをだすこと”です。
ご存知の方もいるかもしれませんが、簡単にやり方等をご説明していきますね。
【用意するもの】
■綿棒(大人用の太い物)
■ワセリン(もしくはオリーブオイル)
■新しいオムツやおしり拭き
【やり方】
①まず赤ちゃんを寝かせて、足をM字に広げた状態にして、お尻がしっかりと見えるようにします。
(赤ちゃんが動いてしまってやりにくい場合は、家族の方に足や体を支えていてもらうといいですね。)
②綿棒の先、頭の丸い部分に、ワセリンやオリーブオイルなどの潤滑剤になるものを付けます。
③赤ちゃんのお尻の穴の中に、綿棒の頭の部分を入れます。
④お尻の穴を広げるように綿棒をくるくると動かしていきます。
この時、うんちが肛門の近くにきたような感覚、うんちを出したいような感覚を赤ちゃんに与えたいので、綿棒は前後に動かすのではなく、くるくると円を描くようにしっかり動かして下さいね。
嫌がって泣く子もいますが、泣くことでお腹に力がかかってうんちが出ることもありますよ。
しばらく刺激しても出ないこともありますが、こうやって刺激されたことで腸も動いて、しばらくしてから出るということもありますので、すぐに出なくてもガッカリしないでくださいね。
また、おしりから血が出てくることもありますが、そうなったら刺激するのはやめてください。
お尻の粘膜はすぐに再生されるので、よっぽど心配はありませんが、万が一、出血が続く場合はクリニックを受診してください。
そして、
「綿棒刺激は癖にならないの?」
という質問もありますが、生理的な反応を利用しているので、癖になったり、大きくなってから便が出にくくなるということもないので安心してください。
赤ちゃんが便秘で苦しくなる前に、自宅でできる対処法が綿棒刺激です。
実際にやってみて、よくわからないという場合は、受診の際にご相談下さい。
まとめ
今回、この記事を読んでもらって”毎日うんちが出ないのは大丈夫なの?”というお母さんたちの心配が、少しでも軽くなればうれしいです。
赤ちゃんの便秘に関するご相談って、実は結構あるんですよ。
やはり、自分(お母さん)たちが、便秘で苦しい・苦しんだという経験から
『うちの子は苦しくないかしら?出来れば苦しい思いをさせたくない』という、我が子を心配する親心からなのではないでしょうか。
今後も、そんな親御さんの不安や心配事を少しでも解消していけるよう、問診時にお話したり、このブログ等でお伝えしていきます。