病院でもらう薬、飲むのを1日3回から2回にできないの?

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病院やクリニックを受診して、「お薬を出してもらったけど、保育園(幼稚園)に行っているから、1日3回の薬だとお昼が飲ませられない。せめて1日2回にできないのかな?」と思われる方も多いのではないのでしょうか。

また、保育園や幼稚園側も、なるべくお昼に薬を飲ませたくないと思うみたいで、「お薬は1日2回にしてもらってください」と言われた方もいるのではないでしょうか。(でも、園からそう言われても、お母さんたちも困りますよね;;)

なんなら、「1日1回だけにしてくれればもっと楽なのになぁ」と思う人も多いですよね。

当院でも、「お薬を1日2回にできませんか?」というご相談がよくあります。

そこで今回は、病院で処方される薬は1日2回に変更できないのか、1日3回の薬が処方された場合はどうしたらいいのか、についてお話していきますね。

病院で処方される薬は1日2回に変更できないの?

厳密に言うと、できません。

ちょっと難しい話になってしまいますが、薬を飲むとその成分が吸収されて血液中に取り込まれます。この時の血液中の薬の濃さ(血中濃度といいます)が、ある一定の濃さの時に薬の効果が発揮されます。この濃さは、人間の体内で代謝され時間と共に段々と薄くなっていって、一定の濃さを下回ると薬の効果はなくなってしまいます。(俗に言う薬が切れた状態ですね)

1日3回内服する薬は、簡単に言うと『1日3回飲むことで、1日中効果が続いている状態になる』という薬になります。

かといって、1回に飲む量を多くしても、血中濃度のピークが高くなるだけで、効果が切れてくるまでの時間にはそんなに変わりがないので、「1回の薬の量を多くして1日2回にする」などは、そうやって処方している病院やお医者さんもみえますが、厳密に言ってしまうとあまり意味がありません。

逆に、極端に多すぎると血中濃度が効果の出る範囲を超えて、中毒域と言われる濃さになってしまうと体に害が出てしまう薬もあります。特に子どもは体が小さく、薬を代謝する機能も未熟なので、注意しなければなりません。

「じゃあ、1日2回でいい薬の中から選べばいいんじゃないの?」って思いますよね。

残念ながら、1日2回でいい薬というのが小児科で使える薬にはあんまりないんです…。

もちろん、薬を作っている製薬会社も、1日3回の薬より1日2回の薬、1日1回の薬の方が需要があるのは分かっています。

しかし、新しい薬の開発には莫大なお金と時間がかかるので、なかなか難しいみたいです…。

1日3回の薬が処方された場合はどうしたらいいの?

風邪薬など、必ず1日3回飲まなくてもいい薬の場合は、症状が軽ければご家族の判断で朝と夜の1日2回にしてもらって大丈夫です。

ただし、夕方くらいになると薬の効果が切れてくるので症状が出やすくなるのはご理解ください。

「薬を1日2回にすると、夕方にとてもしんどそう」という場合は、お仕事されている方も多いので、こう言ってしまうのは心苦しいのですが、園はお休みしてしっかりと1日3回飲んで、ゆっくり休んでもらった方がお子さんのためにはなると思います…><

抗生剤など、必ず1日3回飲まないといけない薬の場合は、1回飲んでから4時間あけば次の分が飲めるので、園から帰ってくる時間から、夜寝るまでの時間が4時間以上あれば、昼の分を帰ってすぐに飲んで、夜の分を寝る前に飲んでもらえれば大丈夫ですよ。食前や食後の指示があるかと思いますが、食事に関係なく飲んでも大丈夫です。ただし、食前・食後の指示を絶対に守らなければいけないお薬は指示通り飲んでくださいね。(小児科ではそういう薬はあんまり出ませんが…)

「朝の分を飲んでから、昼の分を飲むまで時間があくけど大丈夫ですか?」というご質問もありましたが、普通に食後に3回飲んでいたとしても、夜の分から次の日の朝の分までも結構時間があいているので、大丈夫ですよ^^

「夕方6時に帰ってきて、8時には寝ちゃうから…」など、4時間あかない場合は、お昼に園で飲ませてもらう必要があるので、『与薬指示書』を書かせてもらいます。

なるべく与薬指示書の用紙は持参してもらいたいのですが、忘れてきてしまった場合はお渡しすることもできるのでお伝えしてくださいね。

抗生剤以外の1日3回の薬も、「園から帰ってきてから、夜の薬までの間の症状が気になる」という場合は、同様に4時間以上あきそうなら、帰ってきてからと、寝る前で、食事に関係なく飲んでもらっても大丈夫です。

【市販薬の効きがよくないのはなんで?病院で処方される薬との違いは?】

まとめ

1日3回も薬を飲ませるのは大変なので、1日2回の薬にしてほしい。そういうお家の方の気持ちはよくわかります。

「お家の方の判断で、2回にしてもいいですよ」と言われても、「本当に変えていいの?」と戸惑うお気持ちもわかります。

「1日2回にしとくね」と、薬の回数を変える先生も、そういう気持ちに配慮したからだと思います。

ただ、当院・しいの木こどもクリニックの院長先生は、医学部に入る前に薬学部にも通っていたという、ちょっと変わった経歴の先生で、自分が学んできたことに対して適当なことはしたくないというお考えなので、院長先生は1日3回の薬を2回に変えたりはされません。

ですが、以前も当ブログでお伝えしましたが、風邪などの感染症は基本的には自分の免疫力で治していくものです

小児科でよく出る風邪薬(咳や鼻水などに対する薬)は、風邪を治すものではなく、症状を軽くして自分の体力を温存して、免疫力がしっかりと働くように手助けするようなものです。

なので、風邪薬に関しては、絶対に飲まないと良くならないものではないので、症状に合わせて調整してもらって大丈夫です。

ただし、中には必ず飲んでもらいたい薬もありますので、その場合は『与薬指示書』などを活用してくださいね。

薬に関しても、疑問に思ったことはご相談くださいね。…ただし、薬局さんの方でないとわからない事に関しては、お答えできない場合もあるので、ご了承ください><;;

【抗生剤とはどんな薬?子どもに抗生剤を使うのはどんな時?】