子どもが小学生になり、体重も増えてくると、
「錠剤にしますか?それとも粉薬にしますか?」
と、聞く機会が増えてきます。
当院でも同様です。
その時に、
「うちの子、錠剤が飲めないんです。どうやったら飲めるようになりますか?」
と、質問を受けることがあります。
うちの子もそうだったんで、その気持ち、すっごいわかります!
しかし、うちの子の場合、低学年の頃は飲めていたのに、高学年になり、ある日突然飲めなくなったという、ちょっと特殊(?)なパターンということもあり、質問を受けた時に、いつもスムーズにお答えすることができていません。
そこで今回は、錠剤の薬が飲めない小学生の子どもへの飲ませ方について、どのような方法で飲めるようになったのか。
我が家のきっかけ、体験談をお話していきたいと思います。
錠剤が飲めない子どもへの飲ませ方って?(小学生篇)
錠剤が飲めない子どもへの飲ませ方って?
錠剤が飲めない子どもへの飲ませ方ですが、うちの場合、薬を細かく刻み、こんにゃくゼリーを細かくしたものに混ぜて、一口ずつ、何回にも分けて飲み込むことを繰り返しました。
幼児が薬を飲むときに使う『お薬飲めたよ』というゼリーの購入も考えましたが、うちの子、小学校低学年の頃は、何の苦労もなく錠剤を飲めていたので、『わざわざ買っても、すぐに飲めるようになったらもったいないし…』という思いから、うちではこんにゃくゼリーを使いました。
なので、最初から錠剤を飲めないという場合は、『お薬飲めたよ』を使ってくださいね。
また、こんにゃくゼリーは、薬用ではないということもあるのか、うまくゼリーに混ざらないのもあり、たまに口の中に薬が残ると
「苦い~~!」
と息子は大騒ぎ!
うちの子は、もう小学校高学年なので、ワーギャー言いながらも毎回飲んでくれますが、子どもが低学年となると、次から薬を飲まなくなってしまうということも考えられるので、やはり、『お薬飲めたよ』などを使用することをおすすめします。
生まれてからず~~っと薬が嫌いな我が家の子ども。
実は、錠剤の前、粉薬の時はもっと大変だったんです。
大人が飲むように、口の中に粉薬を入れて、その後に水分を入れて飲ませようとすると、「おえっ」としながら吐き戻すことも度々あり、園時代はなかなかうまく粉薬が飲めず、ずっと味の濃い野菜ジュース(普通のジュースだとバレちゃうので)に混ぜて溶かして飲ませていました。
子どもに
「薬の何が嫌い?」
と聞くと
「味が嫌い!変に甘さがあるから」
と答えてくれました(^^;
そんな、暗黒時代と言っても良い粉薬時代を経て、うちの子も小学生に上がり、体重も増え、診察室で医師から
「○○君、大きくなったから、玉(錠剤)の薬も出せるよ」
と言われ、
「玉の薬が良い!」
と、うちの息子は大喜び!
母としては、『いやいや、錠剤、本当に飲めるの…』と、正直かなり不安でした。
しかし、私の不安や心配はどこへやら、うちの子は、すんなりと錠剤を飲むことができました。
さすがにこの時は、『いやいや、あの粉薬の苦労って一体…』って感じでしたね。
と、これで、『子どもの薬が飲めない問題は解決!』と思われたんですが、一筋縄ではいかないのが我が息子(ーー;
小学校高学年に上がった頃に、突然錠剤が飲めなくなりました( ̄□ ̄;
『今まで普通に飲めていたのになんで??』という素朴な疑問から、子どもに聞いても、
「口に入れたときに、なんでかわかんないけど、薬だけが残って、水だけしか飲めない」
と…。
正直、『たまたまその時だけかな?』と思ったんですが、その後、薬を飲むたびに、毎回同じ状態に…。
なかなか錠剤が飲めないため、包丁を使って薬を細かく刻み、こんにゃくゼリーを細かくしたものに混ぜて、一口ずつ、何回にも分けて飲み込むことを繰り返しました。
あまりにも錠剤が飲めなくなったため、
「小さいときみたいに、粉薬に出し直してもらおっか?」
と、息子に聞くも、
「粉薬はまずいから嫌!玉が良い!」
と、断固拒否(ーー;
『いやいや、錠剤を細かく刻んでいるから、これ、もはや粉薬みたいなもんなんですが…』とも思いましたが、子どもの意見を尊重し、錠剤刻み作戦を続行することにしました。
錠剤が飲めなくなった最初の頃は、本当に細かく刻んで、やっと飲み込めるという感じでした。
それを、細かく刻んだもの→1/4くらいの大きさに。
それがすんなりと飲めるようになったら、1/4→1/3に。
しかし、大きくして薬が飲めない場合は、大きさをまた小さく戻し…を繰り返し、1/3→1/2、へと、少しずつ少しずつ刻み方の大きさを変えていきました。
すると、1年ぐらいででしょうか、錠剤そのままで飲めるようになりました(^^)
昔(って言ってもちょっと前ですが)、錠剤を飲めなかった理由を本人に聞くと、
「薬を飲まないといけない!って意識するからなのかな?自分でも知らないうちに舌が変に動いているのかもしれない」
って話してくれました。
薬・錠剤を普通に飲める人からすると理解できないかもしれませんが、理屈とかではなく、これが、薬・錠剤を飲めない人にしかわからない、正直な気持ちなんだなと思いました。
今回は、我が家、うちの子のやり方ですが、錠剤が飲めない子どもへは、最初から1錠丸々なんとか手を変え品を変え飲ませようとするのではなく、最初は錠剤を細かくし、徐々に徐々に大きくしていくやり方がおすすめですよ。
まとめ
診察室で、子どもが錠剤をスムーズに飲める方法を聞かれるたびに、なかなかうまく答えることができなかったため、今回、この記事を書くことにしました。
錠剤をスムーズに飲むには、練習すれば飲めるというものではありません。
普段の食事では、錠剤以上の大きさのものを、普通に飲み込んでいます。
うちの息子がそうでしたが、1回ひっかかって(飲めなくなって)、考えてしまうと、とたんに飲み込めなくなってしまいます。
錠剤を飲む時に考えない、薬ということを意識しないことが大切です。
しかし、意識しないというのは難しいことなので、うちでは、錠剤を細かく刻み、少しずつ少しずつ錠剤を意識しないように、そして、子どもに自信をつけさせるようにしました。
錠剤を細かく刻むことが良いことかは分かりません。
しかし、薬を飲めない(飲まない)ことより、いいことというのは間違いありません。
うちの子どもみたいに、薬ということを意識してしまうと、正直、錠剤を飲めるようになるまで、時間はかかると思います。
しかし、大きくなれば、風邪をひくことも減り、薬を飲むことも少なくなると思います。
言い換えると、『子どもが錠剤が飲めない』というのは、今しか体験できないこと、また、体験できない人もいる、貴重なことなんです。
「いや、別に体験できなくていいんですが…」
という人(私)もいると思いますが、自分の子どもに合った飲ませ方、色々と試行錯誤してみてくださいね。