2022年9月末頃より、新型コロナウイルス感染者の急増を受け、また、医療機関の負担軽減のために、『自己検査等陽性者登録窓口』が設置されました。
そのことにより、検査医療機関への受診・診察をしなくてもよくなりました。
また、以前に比べて抗原検査キットも手に入りやすくなり、自己検査する人も増えました。
その結果、本当は新型コロナウイルスに感染しているのに陰性と判定される、いわゆる偽陰性の患者様が非常に増えました。
正しい検査方法で検査することが大切ということは言うまでもありませんが、検査するタイミングも重要です。
インフルエンザ同様、検査するタイミングを間違えてしまうと、陽性なのに結果は陰性という偽陰性と判定されてしまうため注意が必要です。
そこで今回は、コロナの抗原検査はいつすべきなのか。
コロナの抗原検査をし、検査結果が陰性(偽陰性)から陽性へと変化した、我が家の娘の例を交えながらお話していきます。
コロナの抗原検査はいつすべき?
コロナの抗原検査をするタイミングですが、発熱してすぐはもちろんですが、1日経過したぐらいに検査をしても、体内のウイルス量がまだ少ない場合は、陰性(偽陰性)と判断される場合もあります。
そのため、ある程度ウイルス量が出た後に検査をすることが重要になってきます。
我が家の娘は、学校の担任の先生が新型コロナの陽性となり、接触した約2日後に症状が出始めました。
そこで少し、娘が感染した時の流れから抗原検査のタイミングなど、時系列でお話していきますね。
2022年11月2日(水)
うちの娘は、この日まで担任の先生と接触していました。
受験生ということもあり、ちょうど願書応募の時期で、書類のことで担任の先生と密に話をしていました。
また、担任の先生と仲もよく、放課後にもよく話をしていました。
もちろん、お互いマスクはしていました。
2022年11月3日(木)
担任の先生が、『インフルエンザA型+新型コロナ陽性』という連絡が入りました。
また、夜になって娘も喉、咽頭に違和感があると言い出しました。
念のために熱も測りましたが、このときは平熱でした。
2022年11月4日(金)
朝、再度熱を測るも平熱。
「咽頭の違和感は?」
と尋ねるも、
「う~ん、あるようなないような…。多分口を開けて寝てたから、乾燥して違和感があるのかも?」
というぐらいだったため、娘はそのまま登校することに。
登校すると、クラスに休みの子が多く、そのうち1人は新型コロナ陽性と判明。
午前中、普通に授業を受けるも、昼に、咽頭痛がひどくなり、また、熱も37.5℃となったため早退することに。
この日、うちの娘も合わせて、体調不良で3人が早退することになりました。
帰宅後、熱はそこまで高くないが、咽頭痛がひどいということもあり、すぐに解熱剤を内服。
夜になって熱を測るも、37.5℃とそこまで高くないが、咽頭痛の症状が悪化し、更に、ひどい頭痛の症状も現れました。
そのため、解熱剤を内服し、早めに就寝することに。
2022年11月5日(土)
夜中に再度解熱剤を内服したからか、朝熱を測ると36.6℃と平熱に。
しかし、咽頭痛と頭痛は、昨日とあまり変わらない様子でした。
そのため、新型コロナを疑い、抗原検査をすることにしました。
午前10時に『新型コロナ+インフルエンザ』の抗原検査したところ、結果は陰性。
しかし、娘の症状から、どう考えても新型コロナに感染していると思ったので、偽陰性を疑いました。
昼に熱を測るも熱はなし。
しかし、咽頭痛・頭痛がひどかったため、解熱剤を内服しました。
夜、熱を測ると38.0℃と、少し高めの熱が。
また、咽頭通・頭痛は変わらずひどく、更に、咳も出始めました。
しかし、対処すること(処置)は限られてくるため、この日も早めに就寝することに。
2022年11月6日(日)
朝、熱を測るも熱はなし。
しかし、その他、咽頭痛・頭痛・咳の症状は変わらず。
私が偽陰性を疑っているということと、昨日の夜の高熱もあり、再度、朝に新型コロナの抗原検査をしました。
が、結果は陰性でした。
でも、私だけでなく、娘も偽陰性の疑いは拭えませんでした。
この日、1日中熱がなかった娘。
翌日は月曜日。
「明日、学校へ行っていいのか?それとも行かないほうがいいのか?というかこの症状で本当に陰性なのか?」
と、娘は悩んでいました。
というのも娘は受験生。
「もし、実は新型コロナ(の陽性)だったという場合、クラスに広めるしまうかもということを考えると、皆に申し訳なくて…」
という思いから悩んでいたそうです。
「よし。それならもう一度検査しよう!」
ということで、20時、夜の8時に再々度の検査をすることにしました。
結果は、『新型コロナ陽性(判定あり)』でした。
少し上記をまとめると、
11月2日(水):担任の先生と接触
11月3日(木):朝、担任の先生より、陽性との連絡あり。娘、夜に咽頭に違和感。
11月4日(金):昼から微熱。咽頭痛等の症状あり。
11月5日(土):朝から熱、咽頭痛等の症状あり。10時に『新型コロナ+インフルエンザ抗原検査』をするも結果は”陰性”。夜も熱あり。
11月6日(日):1日中熱はなし。咽頭痛等の症状はあり。朝、『新型コロナ抗原検査』をするも結果は”陰性”。夜、『新型コロナ抗原検査』をしたところ、結果は”陽性”。
※咽頭痛等の症状が強くあったため、毎食後に解熱剤(6時間毎)を11月5日(土)まで内服していました。
と、娘の流れをみてみると、症状が出てから、熱があってもなくても、新型コロナの抗原検査は『陰性』と出ているため、検査のタイミングがすごく重要ということが分かってきます。
クリニックを受診しない場合、検査をする・しないの判断やタイミングが個人に委ねられてしまうため、どうしても偽陰性が出やすくなってしまいます。
しかし、クリニックを受診した場合、医師に診察してもらうことで、咽頭所見等から、検査をする・しないの判断が医師からあるため、偽陰性は出にくくなります。
しかし現在、多くの患者様が、
「親が昨日から熱が出て、昼に検査しましたが陰性でした。でも、子どもに熱が出ていると、親が陰性でも出勤できないので検査希望です」
「つい先程、子どもが発熱した。この時期(流行している)ということもあり、旦那さんの会社は子どもに熱が出ると出勤できないから検査をしたい」
「コロナ陽性の子と同じクラスですが、濃厚接触者ではありません。熱もないけど、喉が痛いようなので検査をしたい」
などなど、皆さんいろんな背景があるということもあり、非常に多くの方が検査を望まれます。
しかし、タイミングが早い方が多いため、
「熱が出ても、喉が赤くないと検査しても陰性と出ることがあります。偽陰性と出てしまい、本当の陰性かどうかはわかりません」
と、当院の先生たちは患者様にお話をしています。
また、『熱はあるが喉の赤みはない。でも、どうしても検査してほしいということから検査をするも、結果は陰性。しかし、数日後に親が発熱して、検査をしたところ、結果は陽性だった』というパターンも多いです。
今回のうちの娘も、それと似たようなパターンです。
11月4日(金)昼に微熱と咽頭痛があり、その翌日の11月5日(土)に朝から熱、咽頭痛等があったため、10時に検査をするも結果は”陰性”。
1回目の検査は、発熱からは1日も経過していないタイミングでした。
そして、その翌日、11月6日(日)の朝に検査をするも結果は”陰性”。
2回目の検査は、発熱からは2日経過していないタイミングでした。
そして、その日の夜に検査をしたところ、結果は”陽性”。
3回目の検査は、発熱からは2日+1/4日程度経過したタイミングでの検査でした。
今回、インフルエンザの検査と同様、ウイルス量がしっかり出てから検査しないと、正確な検査結果が出ないことがわかりました。
(インフルエンザの検査も、熱が出てから12時間後の検査を推奨しています)
年齢によっては、鼻から綿棒を入れて検査をすることもあり、その場合、子ども(人)によっては苦痛を伴います。
そんな苦痛を伴う検査を子どもに何度行わせないでいいように、検査をするタイミング・判断を間違わないでくださいね。
まとめ
今回は、新型コロナの検査のタイミングについてお話しましたが、インフルエンザも同じです。
検査のタイミングによっては偽陰性になってしまうことをお伝えしたく、今回この記事を書くことにしました。
『陰性だから大丈夫』と思って行動したことにより、実は陽性(偽陰性)で、結果、周りの人たちも発熱するなど、感染を広げてしまいます。
自己検査をする場合は、タイミング・判断がとても重要になってきます。
その判断に迷ったときは、一度かかりつけ医で診てもらう、かかりつけ医に判断してもらうことをお勧めします。
家族や周りの人たちが安心して生活をしていくためにも、きちんとした判断の元、検査をして欲しいと思います。
今回は新型コロナ(コロナ2019)の話でしたが、その他の風邪でも、症状があるときには人に移す可能性があるので、できれば症状が落ち着くまでは、自宅で安静にできるといいですね。
とは言っても、
「体調悪くても、出てこれるのであれば出てこれない?」
という風潮、”出ていかなければいけない圧”が、特に中小企業はまだまだ強いと思います。
「体調悪いんだったら全然休んでいいから」
という風潮になる、そんな優しい世の中に少しずつ変わっていけるといいですね。