9・10ヵ月健診では、成長や発達について、さまざまな相談があります。
その中でよくあるのが、
「うちの子、離乳食を食べてくれなくて…」
という相談です。
離乳食を食べない理由はいろいろあります。
健診で、たくさんのママのお話を聞いていると、少しずつ、赤ちゃんにも食べない理由がちゃんとあるんだなぁと思うことがあります。
ということで今回は、離乳食を食べない理由と、その対策についてお話していきます。
離乳食を食べない。また、食べてくれない、食べむらがある時の原因や理由は?何か対策ってあるの?
離乳食を食べてくれない・食べむらがある理由は?
当院・しいの木こどもクリニックでは、乳児健診の前に、ママに、今の赤ちゃんの栄養・発達などを知るために問診を行っています。
9・10ヵ月健診では、赤ちゃんの離乳を把握するため、以下の問診をとります。
①離乳食の回数、「よく食べる」「食べむらがある」「あまり食べない」。
②おっぱい・ミルクは、日中何回飲んでいますか?
①で「よく食べる」に記入があった場合、日中のおっぱい・ミルクは0~1回と、日中の離乳が進んでいることがわかります。
①で「あまり食べない」に記入があった場合、日中のおっぱい・ミルクの回数を詳しく聞いています。
すると、ほとんどのママが、
「おっぱいが大好きで、ぐずったら飲ませていて、10回以上飲ませてます。」
「離乳食を食べないので、栄養が足りないかと思って、食後と間食におっぱいをあげています。」
と話されます。
お話を聞いたうえでママに、
「離乳食を食べてくれないのは、何か原因が考えられますか?」
と聞くと
「おっぱいが大好きだからです。」
と…。
ママも赤ちゃんも理由がわかってるんですよね。
でも、ついついおっぱいをあげてしまうんですよね。
そこで、おっぱいが好きで、離乳が進まず困っているママへのアドバイスです。
離乳食を食べるためのアドバイス
先にお話しした健診では、9・10ヵ月の赤ちゃんをもつママには、
「お誕生日にむけて、離乳食を3回にして、日中のおっぱい・ミルクの量を減らしていきましょう」
とお話しています。
また、
「寝る前・寝てからの授乳はスキンシップなので、やめなくて大切にしてくださいね」
と、卒乳や断乳は勧めていません。
「自律授乳」という言葉をご存じでしょうか?
赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけ飲ませる授乳法のことを言います。
今までの自律授乳から、9・10ヵ月になると、1歳のお誕生日にむけて、食事を基本とした生活リズムに変えていくことを勧めています。
起床・就寝の時間も、そろそろ一定になってくる頃です。
食事の時間をまず決めます。
ママに無理のない時間で、3回きちんと食事ができるようにしましょう。
おっぱいが好きな赤ちゃんは、離乳食後、すぐにおっぱいをあげると、それを覚えていて、食べむらになり、離乳食が進みにくくなるかもしれません。
赤ちゃんはいろいろなことに興味も広がっていきます。
日中、遊びやおもちゃなどで、おっぱいから興味をそらすことができるといいですね。
ときには、パパが授乳の代わりに赤ちゃんへご飯をあげるなど、協力してもらえると尚いいですね。
赤ちゃんは、パパやママの食事と同じものを食べたいと興味をもっています。
家族みんなで食卓を囲み、”ごはんの時間は楽しいことだよ”という雰囲気づくりも大切です。
おおげさなくらい
「おいしいねぇ」
と、ワイワイしながら食べてみると興味を持つかもしれません。
また、食事は時間をかけても食べないことがあれば、20~30分を目安とし、赤ちゃんが食事に意識が向いている時間を大切にしましょう。
まとめ
離乳食を食べてくれない理由は、今回挙げた、おっぱいと食事との関連以外にも実はたくさんあるんです。
でも、
「今食べてくれない。どうしてだろう?」
と気持ちが焦り、食べる・食べないと、結果を求められがちでつらいですよね。
子育て経験者の私もそうでした。
「せっかく作ったのに」
とへこみ、集中して食べてくれずイライラし、顔や態度にでて、おいかけて食べさせたことも…。
まずは、なぜ食べないのか、なぜ食べむらがあるか、負担にならないよう、試行錯誤してみましょう。
そのお手伝いとして、当院・しいの木こどもクリニックでは、乳児健診などで、ママの不安を聞き、一緒に考えるようにしています。
ぜひ、ご来院時には遠慮なくご相談ください。