夏風邪を代表する病気、ヘルパンギーナ。
手足口病は、だいたい手や足、口にも水泡(すいほう)・水ぶくれができることが多い病気って、なんとなくイメージしやすいと思いますが、『へルパンギーナって?カタカナばかりでよくわからない。どんな病気?』と思うママさんも多いと思います。
そこで今回は、そもそもヘルパンギーナってどんな病気のことで、症状や潜伏期間はどれぐらいなのか。
そして、ヘルパンギーナの治療法はあるのか。
また、ヘルパンギーナは大人でもうつるのかなど、ヘルパンギーナについての知識を一緒に深めていきましょう。
ヘルパンギーナってどんな病気?治療法ってあるの?
ヘルパンギーナってどんな病気?気になる症状や潜伏期間は?
ヘルパンギーナは、ウイルス性感染症のひとつで、暖かい時期になると活性化する種類のウイルスが原因で起こる病気です。
そのため、日本では夏に流行することが多いので、夏風邪のひとつと言われています。
特徴的な症状としては、高い熱を出すことが多く、喉に炎症が起き、口の中や喉にも水泡ができるため、とてもしんどい思いをすることが多い病気です。
発熱は、2~4日ほどで解熱すると言われていますが、口の中の痛みなどがよくなるまで、おおよそ1週間程度が目安とされています。
イメージしただけでも痛そうじゃないですか?
私たちでも、口の中にひとつ口内炎ができただけでも痛いですよね。
これは私の実話なんですが、奥歯近くに、耳まで響く痛みが1週間程度あったんですね。
そして、たまらず歯医者さんを受診すると、驚くことに痛みの原因は”口内炎”だったんです。
「口内炎に塗る薬出しておきますね。」
と、歯医者さんの先生に言われ、
「すみませんでした…」
と、少しはずかしい気持ちと、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
それくらい痛かったんですよ。
私の子どもが産まれてはじめてヘルパンギーナにかかった時には、今まで熱を出しても好きなものは食べるし、水分も摂ってくれていたうちの息子ですら、全然口にしてくれませんでした。
子どもの口の中を見ると、『わぁ!大変なことになってる。これじゃ痛いはずよね。食べれないし、きっと唾を飲み込むことすら痛いわよね。』と思ったことを思い出します。
結局、息子はなかなか水分も口から摂れず、ぐったりしてしまい、結果的に5日ほど入院することになってしまいました。
そして、息子が発症してから3日後。
上の姉が
「喉が痛い。」
というではありませんか。
病院へ連れていくと、やっぱり彼女もヘルパンギーナでした。
とても面倒見のいい彼女。
しんどそうな弟に、
「これなら食べる?あ~んして」
と、看病してくれていたのです。
ヘルパンギーナの潜伏期間は、2~4日、長くて1週間くらいと言われています。
職業柄、”教科書どおりだわ。”と思ってしまう私。
なんとなく、一歩下がって客観視する時があるんですよね。(^^;
娘は、喉が痛いなりにも、年長さんということもあって、自分の食べれるものを
「これなら大丈夫。食べれる。」
と、教えてくれるので助かりました。
娘が熱を出した翌日に息子が入院になってしまったので、我が家はてんやわんやでしたが、娘の熱は2日間ほどで下がり、食欲の回復も早かったので、それが救いでした。
私は息子と入院、パパは娘の看病で仕事を調整。
約3年くらい前のことですが、今でも鮮明に覚えています。
それぐらいインパクトのあった、また、印象深い経験でしたね。
ヘルパンギーナの感染力、あなどっちゃいけませんよ。
ヘルパンギーナの治療法ってあるの?
こんなにしんどい思いをするんだから、『効果的な治療法・ヘルパンギーナに効く薬はないのかしら?』って思いますよね。
残念ながら、ウイルス性の感染症のため、これを飲めば治るといった薬はないんです。
治療法は、対症療法が基本となります。
解熱剤、喉の痛みをやわらげる薬の処方が主なので、無理をせず、なるべく安静に過ごすことが大切です。
安静って、ずっと横になっていなきゃいけないとか、そういうわけではないんですよ。
遊びに興味を持てる元気があると、親としても少し安心しますよね。
遊んでいても、子どもは正直なので、特に病気の時なんかは、疲れると自分から布団に寝にいったり、ソファーの上で寝転がっていたりしませんか?
そういう本人が休みたいと思った時に休める環境があることが大切なのです。
逆に、“遊びに興味も示さず、ずっと横になっている”状態は、安静にしている意味が違います。
ヘルパンギーナは、重症化すると髄膜炎(ずいまくえん)などを併発することがあります。
お子さんからのSOSを見逃さず、“いつもと様子が違う”というママさんが感じるものを大切にしていただき、なにかあればかかりつけ医必ず受診することをおすすめします。
ヘルパンギーナは大人でもうつるの?
ヘルパンギーナは、特に小さいお子さんに多い病気ですが、大人の人も感染しないわけではありません。
ちょうど夏に流行る病気なので、夏休みに兄弟でかかり、最後にママさんがかかってしまったというお話もたまに耳にします。
胃腸風邪も、吐いたり、ひどい時はおむつから漏れてしまうほどの下痢をしたりと、お子さんもママさんも大変な思いをしますよね。
ゴミ箱にビニールを被せ、いつ吐いてもいいようにスタンバイ。
頻回な下痢に汚れ物の山。
ひとりピークを越したかと思うとまた別の子。
最後には主人まで。
「もう!大人なんだからうつらないように気をつけてよね!私なんて気合いでうつらないようにしてるんだから。」
と、少し怒り気味に、ちょっと意味のわかんないことを言ったことがあります。(^^;
ヘルパンギーナも、発熱、喉の痛みで食べれない・飲めないなど、違う意味で、『少しでも食べたり飲んだりしてくれれば…』と、労が絶えないですよね。
あの手この手でやってみるものの、『なかなか口にしてくれない。大丈夫かしら。』と、心配な日々が続きます。
『こんなに辛そうなら、下痢して漏らしてでも、まだ動き回れる元気があるほうがマシ。』と思ったくらいと、ママ友が言っていました。
ようやく少しずつ口にできるようになり、『よかった。』と、少し肩の力が抜けた頃、自分の喉にも異変が(^^;
それからあまり時間が経たないうちに熱も出てきて、結局、実家のお母さんに助けを求める結果になってしまったそうです。
母ですもん。
体調が思わしくない子どもを、いつも以上に抱っこしたり、食べさせてあげたりするのは当たり前ですよね。
そりゃ、うつってもおかしくありませんよね。
でも、うつってしんどい思いをするのはお母さんです。
なるべく家の中でもマスクをすることや、手洗い・うがいをきちんと行うこと。
また、兄弟もいれば、難しいことだと重々わかっていますが、なるべくお子さんが寝ている時に一緒に休み、身体を意識的に休めることが大切です。
助けて欲しい時に“助けて”と言葉に出して言えること。
これが、子育て中には特に大切なんじゃないのかなとつくづく思います。
家族やママ友、時にはお金を出しても預かってくれるサービスを利用するのも全然あり!だと思います。
「もう、限界。」
そうなる前に言える勇気。
自分が限界になる前に対処できること。
子育てとうまく付き合っていくコツは、そこじゃないのかなと、4人の子育てを通して、学ばせてもらいました。
まとめ
へルパンギーナの感染経路としては、口の中の水ぶくれの中にいるウイルスが飛び散ることで感染する”飛沫感染”。
また、よだれのついた手で触ったところに、知らずに触れたりして感染する”接触感染”が多いですが、症状の経過と共に、感染の危険性も減ってきます。
ただ、元気になってからも、長いと2週間以上も便中にウイルスを排出していることがあるんです。
元気になると、つい、サッと済ませてしまいがちですが、意識して手洗いを念入りに行うことが予防のためには大切です。
でも、一日があっという間の忙しい毎日です。
時が経てば、『いつお熱出したっけ?』と、忘れてしまいませんか?
私なんて、2・3日前の記憶も曖昧です。(^^;
なので、お熱を出した日など、子どもの名前&病名を、カレンダーに記入するようにしました。
毎日カレンダーを見ないと、今日が何日かわからないくらい重症な私ですが、カレンダーに記入しておくと、必ず目に入っておすすめですよ。
母だってしんどい時はしんどいんです。
でも、やらなきゃいけないことがあるから体にムチ打って動くしかないんです!
だから、手間にならない程度にいろんなアイデアで、予防できることは予防していきたいものですよね。
当院・しいの木こどもクリニックには、子育て経験者がたくさんいます。
『こんなこと相談していいのかしら?』と遠慮せず、受診の際、何でもご相談ください。