子ども医療費受給者証。
お子さんがいる方は『あ~、あれのことね』と、すぐにわかると思うのですが、まだお子さんがいらっしゃらない方は、『なんとなく名前は聞いたことあるけど詳しくは…』と、結構知らない方が多いものです。
今回は、これからパパ・ママになる方のために、子ども医療費受給者証とは一体どういうものなのか。
そして、思わず紛失してしまった時や、県外に住所変更した時はどうすればいいのか、その手続きなどについてお話していきます。
子ども医療費受給者証とは?紛失した時や県外に住所変更する時ってどうすればいいの?
子ども医療費受給者証とは
子ども医療費受給者証とは、子どもが病院を受診する際に、健康保険で8割(就学後は7割)医療費免除に加え、この証明書を持参すると残り2割(就学後は3割)が医療費免除となる為、実質0円で医療を受けることができるという助成制度です。
ただし、0円だからといって子どもの状態ではなく、親の都合で夜間・休日診療を気軽に利用したりする、いわゆるコンビニ受診はさけたいものです。
また、健康保険証あっての助成制度なので、子ども医療費受給者証だけでは使えませんのでお気をつけ下さいね。
子ども医療費受給者証は、市町村が都道府県から補助を受けて発行しているので、対象年齢や給付の仕方にはばらつきがあります。
北海道の南富良野町では22歳まで町が負担している一方、沖縄では3歳までのところがあったりと、かなりばらつきがあります。
2015年の日本の出生率は1.45です。
(2016年は1.44・2017年は1.43・2018年は1.42)
それを考えると、子ども医療費受給者証を含めた子育て支援の充実は全国的に推し進めることが大切ですよね。
実際、岡山県奈義町においては支援充実により、なんと出生率が2.81(2015年)まで上昇したとのことです。
子どもは将来、国を支える大切な存在です。
今現在、税の負担があったとしても、将来を見据え、皆で子どもを育てるという意識が子育て支援の意味合いとして大きいと思います。
子ども医療費受給者証を失くした・紛失した時ってどうすればいいの?
子ども医療費受給者証を失くした・紛失した時ですが、各市町村のHP(主は市役所のホームページ)で確認するか、電話で問い合わせ(主は市役所)をしましょう。
一応、当院・しいの木こどもクリニックがある岡崎市を例にしますと、
場所は、岡崎市役所の医療助成室(市役所 東庁舎1階 11番窓口)。
その他の各支所でも出来ますが、その場合、新しい子ども医療費受給者証は後日郵送になりますので、出来れば市役所で済ませたほうがいいと思います。
受付時間は、月曜日から金曜日の8時30分~17時15分まで。
持ち物は
■子ども医療費受給者証(紛失ではなく汚してしまった、破れてしまった場合など)
■健康保険証
■受給者(保護者)の個人番号カードまたは通知カード
■届出者の身分証
です。
あとは、現地で『子ども医療再交付申請書』を書くだけです。
岡崎市のホームページからダウンロード・印刷もできますので、事前に印刷して書いて持っていっても大丈夫です。
今はインターネットですぐにいろんなことが調べられます。
しかし、子ども医療費受給者証を再交付する場合、各市町村によって、必要な物がちょっと違ったりするんですよね。
そのため、違う市町村のHPで必要なものを確認して、そのまま役所に行ってしまうと、
「すいません。あと、○○が必要です」
「すいません。□□はお持ちですか」
となってしまい、何度も足を運ぶことになりかねません。
ちゃんと自分の住んでいる市町村のHPで確認するか、電話で問い合わせるようにしましょう。
あと、子ども医療費受給者証を失くした・紛失した時に病院にかかる場合ですが、窓口で一時的に費用はかかるものの、後日、市役所で手続きをすればちゃんと償還してもらえることがあります。
でも、高額になってくると償還されるとはいえ一時的な負担が大きくなって大変ですよね。
また、高額でなくとも実際にクリニックに来られた患者様で、
「実は子ども医療費受給者証を失くしちゃって(^^;。今日って診察代かかりますよね?なので、診察に行こうかどうか迷ってたんです」
と、受診をためらってる患者様(親御様)がみえました。
このことは、お子さんが心配な状態が続いてしまうだけではなく、最悪の場合、状態が悪化し、適切な治療をすべき時を逃してしまうかもしれないのです。
もちろん失くさないに越したことはないですが、失くしたと気付いた時はすぐに再交付の手続きをするようにしましょう。
県外に住所変更する・住所変更した時ってどうすればいいの?
県外に住所変更する・住所変更した時も、先ほどの紛失時同様、まずは各市町村のHPで確認するか、電話で問い合わせをするようにしましょう。
県ごとに負担の年齢・対象世帯・給付方法が異なりますので、県外に引っ越しされる場合は事前に調べておくといいですね。
また、“住民票を移して2週間以内”に手続きすることが一般的です。
そのため、引っ越しでバタバタしていると忘れてしまいがちなので、“引っ越しの際に必要な手続き”の1つに入れて準備しておきましょう。
あと、病気はいつなるかわからないので、引っ越す前に引越し先でかかる小児科を事前に探しておくと、いざというときに慌てず安心ですよ。
まとめ
子ども医療費受給者証は、子育てに不安を抱えるご両親が小児科に通いやすくなるよう、小児科へ通う垣根を低くし、子どもの健やかな成長を支援する制度です。
大人が病院を受診する時は、医療費の負担が気になると”少し様子をみてみよう”となりがちですが、子どもは自分で対処はおろか、症状を記録して受診しようかという発想すらないですよね。
子ども医療費受給者証を使うことで医療負担がなくなり、安心してクリニックを受診することができることで、ぐっと子育ての負担が心理的にも経済的にも減りますよね。
また、子どもはいつ病気になるかわかりません。
子ども医療費受給者証の紛失時や引越し時など、手続きが必要だとわかっていながら『まっ、また今度でいっか』と後回しにすると、そんな時に限って子どもが熱を出す・病気になるというのはよくあることです。
必要な手続きは速やかに済ませ、いざという時すぐに使えるように備えておくと安心ですよ。