「子どもの夜泣きっていつからいつまででした?」
「子どもが夜泣きしたときってどう対応してました?」
などなど、子どもの夜泣きについて悩まれている親御さんは多いかと思います。
当院・しいの木こどもクリニックでも、来院された患者様から、子どもの夜泣きについても含め、毎日のように様々な質問を頂きます。
その都度、その質問を受けたスタッフがお答えしているんですが、今回はその、”子どもの夜泣き”についての質問・回答をブログにさせていただきました。
ということで今回は、子どもの夜泣きの対処・どう対応していたのかということについて、患者様から頂いたQ(質問)に対しての私のA(アンサー)と、先生のお答え&考えを+α追加してお伝えしていこうと思います。
子どもの夜泣きについてのQ&A(9ヶ月位の子どもを想定)
それでは、患者様からよく聞かれる・質問される”子どもの夜泣きについてのQ&(私の)A+先生のお答え&考え”です。
Q. 夜泣きっていつからいつまででした?
A. うちの子はあまりひどい夜泣きはなかったけど、どうだろ?5ヶ月位~1歳位までは夜にフニャフニャすることは多かったです。
A. 人それぞれだけど、長いと2歳超えて夜泣きする子もいる。特に1歳前半はひどい(大変だと)と思う。
Q. 夜泣きの原因って何かわかります?
A. 何でしょうね?一般的には昼間にいつもと違うことがあったりって聞くことはあるけど、いつもどおりの生活をしていても夜泣いちゃうこともありましたよ。
A. お父さんが遅く帰ってきて、子どもを興奮させるようなことをするなど、明らかにわかることもあるけど、わからないことだらけ。
親子ではあるが同じ人間ではないので、何を見てどう感じているかはそれぞれなので、そのことだけを考えて何か原因を省けば止まるかといえばそういうものでもない。
Q. 夜泣き、放置したことってあります?
A. 放置しようとしたことはあったけど、放置しても泣き続けるから、結局は放置できずでした。
A. 放置したことないし、放置できないという人がほとんどだと思う。
「放置しても泣き続けるから、うるさいから外へ出て飲みに行きました」なんていうネグレクトの人もいる。
それを聞いて、「なんで!?信じられない」「普通は泣き続けたら放置しないでしょ」「親なんだから見るのは当たり前」と思う人がほとんどだと思う。
でも、人によって育ってきた環境も違うし、旦那さんが全く手伝ってくれないワンオペ育児など、家庭環境も違う。
もちろんネグレクトはだめだけど、そうならないよう、環境を整えることが大事。
Q. 夜泣きで、いつも何時ぐらいとか時間帯・パターンとかって決まってました?
A. うちの子のは、パターンとかは特になく、ランダムに泣くって感じでしたよ。
A. その子それぞれなので、わかればラッキーだけど、わからないことだらけ。
Q. 夜泣き、何分(何時間)程放置したことあります?
A. 私は泣いてしまうとすぐに手が出て(あやして)しまうので、時間を正確に測ったことはないが、続くときは「3分は我慢…」と思ってました。
でも結局「寝たかなー?」を確認するために起きちゃうことが多かったです。
A. すぐ手を出してしまっていた。
「寝たかなー?」を確認して起きちゃうことはよくあった。
「もう大丈夫かな?」と思ったら泣く…。
もう焦るとダメで、自分の心に時間的な余裕がないとドツボにはまる、わかってるけどやってしまう。
無限に泣き続けさせ、疲れて寝ちゃう子もいるけど、それはあまりおすすめはできない。
Q. 夫は夜泣きの対応してくれました?分担とかしてました?
A. ずいぶん昔なので、その頃はまだ「男の人は仕事」、「女の人は家庭」という風潮で、主人も朝早くの出勤だったし、平日は私の役目、土日は泣けば主人も目を覚まして一緒に起きて来てくれた感じです。
A. 本人(奥さん)がどう思っているかが大切。
「土日手伝ってくれてありがとう」と思うのか、「土日しか手伝ってくれない!」と思うのか。
私は多少はしていた方だと思うけど、奥さんがどう思っているかは…。
Q. 夜泣きが原因で夫婦喧嘩になったりしませんでした?
A. 夜泣きが原因ではありませんが、でも「何で私ばっかり…」とは心のどこかで思ってた様な気がします。
態度に出ていたこともあったかもしれません…。
A. うちはそんなにだと思う。
「やってくれなかったら言って当然でしょ!」
「態度に出して当然でしょ!」
という人はいっぱいいる。
子育ては夫婦でするものという認識と、夫婦関係を良好に保つことが大切。
Q. 夜泣きの対応、あやし方とか、どう寝かしつけてました?
A. 抱っこしないと泣き止まなかったですね。
「抱っこして泣き止む→布団に置く→泣く」の繰り返しで、途方に暮れたこともありました。
A. うちもそうで、焦るとこうなる。
毎回ではないが、抱っこすると、子どもは落ち着くのか、しばらくすると泣き止んで寝る。
でも、「寝たな~」と思って布団の上に置くと泣く…。
後は余裕の問題で、寝たなと思ってからどこまで抱っこし続けるか。
“寝たなと思ってから約10分程度抱っこして寝かすといい”みたいな話もあるけど、10分という時間を考えているときは、大体また泣く(起きる)。
自分のお腹の上で寝かせるぐらいの時間の余裕・流れじゃないと難しいかも。
Q. 夜泣きが泣き止まない時・全然寝ない時ってどうされてました?
A. 目を覚ませるっていう方法を聞いたことがあって、寝ぼけて泣いているのを電気をパッとつけて目を覚ませるってことをやったことあるけど…。
A. コレ(完全覚醒)はホントそう。
中途半端な途中覚醒は、赤ちゃんも何が何だかよくわからない状態になっているから、一回儀式のように完全覚醒させてもう一回寝かせた方がいい。
遠回りのように見えるけど、結局はこれが近道になる。
Q. 夜泣き対策って何かされてました?
A. 昼間、外遊びをさせたり、お散歩に行ったりと、試したことはありましたよ。
でも、それがダメだったのか(?)、夜泣きする…みたいな。
A. 「疲れたから寝るだろう」という対策は間違い。
逆に刺激が多い日は余計に夜泣きする場合が多い。
散歩へ行って新しいものを見たり、いろんな経験をしたりするとダメな場合が多い。
Q. 夜泣き対策グッズ(おしゃぶりとか音楽)って何か使ってました?
A. うちはおしゃぶりを使っていました。
“ダメな風潮”もあるけど、自分がイライラしないためにも、おしゃぶりを使っていましたよ。
A. タブー、ダメなものはよっぽどないので色々試せばいい。
その子にとっては寝付きやすい、その子に合うものを色々と試して探せばいい。
また、静かな方がいい、刺激が少ないほうが寝やすいということでもない。
静かすぎると余計に精神が高ぶって眠れなかったりもする。
人(子ども)にもよるけど、真っ暗でも明るくても眠れなくて、少し明かりがあるくらいがちょうど眠れるという人も多い。
あまり極端は良くないかも。
うちの場合、どうしてもだめな時は、子どもを完全覚醒させて車に乗せて、10分程走ると寝ていた。
振動が心地いいのか、意味のないエンジン音(ホワイトノイズ)がいいのか、車は一発で寝ていた。
Q. 夜泣き対策の何か便利グッズとかってあります?
A. 月齢の低いときはおくるみなどで手足を固定して安心感を与えるなどやってみました。
月齢が上がってくると、静かな音でメリーさんなど使っていました。
A. 小さいときのおくるみはホントそうで、人間はキュッとなっていると安心するから、手足をキュッとすると大人しくなるし寝てくれる。
Q. 防音対策とか、夜泣きの苦情・クレーム・隣人対策って何かされてました?
A. うちの周りは高齢の方が多かったので、何も対策とかはなかったですね。
A. うちも何もしなかったけど特に問題はなかった。
でも、夜泣きだけじゃないけど、親も同じように困っているにもかかわらず、子どもが泣いているとその親に目が向けられる。
他人(周り)から見ると、親と子は一緒なので、「私も困ってるんです」と言っても逆に攻撃される。
それを防ぐには、苦情・クレームを言われる前に話をしておくということが大切。
隣人関係が良好な状態で、
「これから夜泣きで迷惑をかけるかもしれませんがすいません。」
と話をすると、きっと
「いいよいいよ。赤ちゃんなんてそんなもんだから」
などと話してくれると思う。
すると、いざ、赤ちゃんが夜泣きで周りに迷惑をかけた時に、
「前にいいよって言ったから、ちょっと文句は言いにくいなぁ…」
ってなります。
一番の対策は、ご近所さんとの関係を良好にしておくこと。
そして、事前に話をして、本人たちから「大丈夫ですよ」などといった言葉をもらっておくことが重要です。
Q. 夜泣きがひどくて、子どもに暴言を吐くとか怒鳴るとかしたことってあります?
A. 「早く寝なさい」って言ったことはあったかもしれないですね。
でも、今考えれば、言葉も通じない子に言ったってね…。
でも、そのときは必死だったなと。
A. 言葉も通じないとか頭ではわかっているけど、そうしてしまったことはあるかもしれない。
でも、そうすることで逆に火がついてしまい、余計に夜泣きがひどくなる場合もある。
分かってはいるけど、その時の自分の状態・体調によってはそうしてしまうこともある。
暴言を吐かないとか怒鳴らないに越したことはないけど、そうしてしまった自分をあまり責めないでください。
Q. 夜泣きで夜が怖いとか、もう嫌、もう無理とか、うつやノイローゼになりませんでした?
A. うちの子は夜泣きがそこまでなかったので大丈夫だったけど、友達の子が3歳位まであって、昔は”勘(疳の虫)が強い”と、おばあちゃんに言われて、”虫封じ”っていうのを神社に行っていました。
今でも調べるとあるみたいだから、夜泣きする子って多いのかもですね。
A. うちはそこまでだったけど、どの位の夜泣きで悩んでいるのか、人によって程度は全然違う。
また、感じ方も人それぞれ違う。
性格の違いと同じように、そのことにどれくらい悩むかも人それぞれ違う。
Q. 夜泣きの相談ってどこにされてました?
A. やっぱり一番は母親ですかね?「そんなん忘れちゃったー」と言われることも多かったけど、話すだけで愚痴のはけ口になっていた気がします。
A. 旦那さん(奥さん)。
相談する時って大体追い詰められている時だから、気持ちに余裕を持たせてくれる相手、話を聞いてくれる人に話すことが大事。
親でも友達でもクリニックの先生でもネット上の知らない人でも誰でもいい。
批判的な答えをしない人、聞いてくれる人を探してその人に相談するのがベスト。
Q. 夜泣きを減らす方法とかって何かあります?
A. ないと思います。
A. 夜泣きを一律に減らす方法はない。
その子の日常の中で興奮することがあったり、刺激になることがあったりすれば、それを取り除けば夜泣きは減ると思う。
赤ちゃんはロボットでもなければコンピューターでもない。
「全ての赤ちゃんがこうです(こうすればいい)」みたいな、何かの法則にのっとって動いているわけではない。
だから、夜泣きを一律に減らす方法はない。
大人でも、ちょっとした言葉で傷つく人もいれば、全然平気な人もいる。
それは、その人の個性・感じ方が違うから。
赤ちゃんも同じ。
言葉を喋らなかったとしても、その子その子の個性がある。
特に赤ちゃんが喋るまでは、「皆一律ではない」「個々の人格がある」ということを、頭で理解するだけではなく、気持ち・心でも理解することが大切。
Q. 夜泣きがひどい時期って子どもはどんな感じ(様子)でした?
A. 何かに取り憑かれたように、自分の子じゃないみたいな感じ。
昼間はすごくかわいい存在が、夜になると「なんなんだ!?」みたいな。
A. ウチも全く同じ、ホントそんな感じ。
日中は「可愛いなぁ」って思うけど、夜になると「なんだよ!」って。
ほとんどの人が同じように思うと思うから、「そう思ってしまう自分はダメだ…」なんて思わないでください。
Q. 夜泣きの乗り越え方・乗り切り方を教えてください!
A. ①抱っこ ②おっぱい(ミルク) ③目を覚まさせる ④音を聞かせる ⑤他のことで気をそらす
A. ひとりひとりの子どもに個性・人格があるということをしっかりと頭においた上で、子どもをよく観察して、その子にあった寝かしつけ方を模索していくこと。
でも、それは義務ではない。
今まで、好きになった人に対して、「どうしたら喜んでくれるだろう?」と考え、あれこれ努力してきたと思う。
そして結婚し、その赤ちゃんが産まれたと思う。
その時の努力って、そんなに苦じゃなかったんじゃない?
赤ちゃん(の夜泣き)に対しても、そう思えるようになるといい。
思い通りに行かないことも、好きな人のためや大事な人のために一生懸命考えることって、結構楽しかったりすると思う。
日中はめちゃくちゃかわいい、天使と思う赤ちゃん。
「この子を気持ちよく寝かせてあげる、寝かしつけるにはどうすればいいんだろう?」
ということを、恋人が喜ぶことを考えるときのような気持ちで、余裕を持って楽しみながら探していけるといい。
また、日中の穏やかに過ごしている時だと、比較的気持ちに余裕があると思うので、できれば日中に考えるのがいい。
でも、それは理想論だけどね(^^;
体力的にも精神的にも参っている時に夜泣きされると「もう!!」って思ってしまう。
でも、そう思う自分を許してあげてほしい。
Q. 夜泣きが終わった今だからこそ言えるアドバイスを教えてください!
A. 今思えることは、本人も何で泣いちゃうのかわからないかも…って思う。
大人だって気分の浮き沈みもあったり、いろいろな日があるし。
その時は終わりが見えなくて、「何で?何で?」って思うかもしれないけど、終わってしまえばいい思い出です!
A. 今は正直大変な時期。
これまでの回答でもありましたが、「もう!!」って私もしょっちゅう思ってた。
子どもが夜泣きの時期でも、ずーっと心穏やかに過ごせる人なんていないと思うし、それが普通だと思う。
今は大変ですが、必ず終わりは来ます
今はそう思えないと思うけど、夜泣きが終わり、子どもが少し大きくなると「あの頃は大変だったなぁ」と、懐かしいなぁと思う日がいつかは必ず来ますよ。
まとめ
私達、しいの木こどもクリニックは、病気を診るのはもちろんですが、それだけではないと考え、小児科医として、そしてかかりつけ医として、親御さんが困っていることに対しても、真剣に向き合ってアドバイスしています。
今回の”夜泣き”という”子育ての悩み”についてもそうです。
子どもさんのためだけでなく、心配している・困っている親御さんの力になれることは何なのか、ということも考えながら話をしています。
それが、小児科医として、かかりつけ医としての課せられた役割と考えているからです。
子どもさんや親御さんが、どうしたらその問題を乗り越えていけるのかを一緒に考える。
かかりつけ医だからこそできる関わり方を今後も大切にしていきたいと思っています。