以前、当ブログで、
と、赤ちゃんの便秘の時の対処法についてお伝えさせていただきました。
その後、親御さんたちから
「(対処法ではなく)赤ちゃんの便秘の原因ってなんですか?」
と聞かれるようになりました。
そうですよね。
対処法ではなく原因を知って、出来れば未然に防ぎたいですよね。
明らかな原因がないものもありますが、乳児期ならではの便秘の原因でよく言われるのが、“食事のバランス”、”水分摂取量”、”運動”です。
そこで今回は、乳児期の便秘の原因についてお話していきます。
乳児期の便秘の原因って?
乳児期の便秘の原因ですが、まずは環境的要因、食事があります。
でもお伝えしましたが、新生児期(出生から生後1カ月)は毎日だったのが、2日に一回や3日に一回と、次第にその子なりのうんちのペースというものが出来上がってきます。
そして、環境、食事が大きく変化するのが、乳児期(生後1カ月~1歳)の5・6カ月頃、離乳食の時期です。
離乳食の時期は、母乳・ミルクの時期と比べて、水分摂取量が減ることがあるため、意識して水分を摂っていくことが大切です。
また、離乳食がすすんできたら、食事のバランスや、食物繊維を含む食べ物を摂ったりと、食事の内容を意識していくと便秘になりにくくなります。
ただ、
でもお伝えしましたが、水分摂取量や食物繊維などの食事内容を変えるだけでは改善しない場合もあるため、
「これだけ食事に気を遣っているの、なんで治らないの…」
と、あまり落ち込まないようにして下さいね。
そして、乳児期のもう一つの便秘の原因として、身体的要因があります。
乳児期の赤ちゃんは、まだ消化器官の発達が未熟なため、便秘になりやすいというのがあります。
大体生後2~3ヶ月頃になると、少し消化器官も発達してきて、便を腸の中にためておくことができるようになります。
(それまでは、ためるということができないため、母乳やミルクを飲むと、その都度排便をしているんです)
しかし、ためておくことができるようになっても、うんちを出す能力が追いついていないとうまく出せず、便秘になってしまいます。
うんちを出すためには、消化器官の発達だけでなく、腹筋の力も必要になってきます。
大人でも排便時、いきむ時にはお腹に力を入れますよね。
乳児期の赤ちゃんは、腹筋の発達も未熟で、また、うまくいきむことができないため、どうしてもうんちを出しにくくなってしまうんです。
余談ですが、赤ちゃんが泣いた時などに、おへその部分が膨らんだりする臍ヘルニアも、腹筋の発達が未熟なことが原因であることが多いので、腹筋ってこんなに赤ちゃんの頃から重要なんだと改めて感じましたね。
また、腹筋の力について付け加えると、男の子より女の子のほうが、筋肉量の差だけではなく、お腹の中に子宮があるため、腹筋に力を入れてもその力が直腸や肛門に伝わりにくく、うまくいきめない原因のひとつにもなります。
これらの身体的要因は、消化器官や腹筋が成長・発達することで解消されていきます。
そのため、思いっきり赤ちゃんと遊んで笑わせて、自然と腹筋を鍛えさせてくださいね。
まとめ
乳児期の赤ちゃんに限らずですが、便秘で受診するお子さんって結構います。
それだけ、便秘で困っているお子さん、親御さんって多いんですよね。
今回お話した通り、便秘の原因は色々あって、一つだけではなく、複数の原因が重なっていることもあります。
食事や運動、水分摂取など、親が手助けできることもあれば、お子さんの成長・発達など、親にはどうしようもないこともあります。
そのため、その子その子によって、対処法が違ってくる場合がありますので、まずは気軽にかかりつけ医に相談することをお勧めします。
そのうえで、クリニックと一緒に子どもの成長を待つ、成長を見守っていきましょう。
「便秘?そんなことで相談するなんて…」
とは思わないで下さい。
先ほどお伝えした通り、便秘で受診されるお子さんは結構みえます。
一人で悩まず、かかりつけ医と一緒に見守っていきましょう。
お子さんの健やかな成長・発達のお手伝いをすることも小児科のクリニックの役割です。
悩んだ時は遠慮なく受診し、相談してくださいね。