インフルエンザって毎年冬になると流行しますよね。
なぜ流行するかというと、通常の風邪と違って『潜伏期間』があるのもその要因の一つなんです。
最近、テレビやインターネットで『予防接種は必要か不要か』なんていうのもたまに見かけます。
また、『タミフル服用で副作用が!!』なんていうのも。
そういった情報に対し、親として、まずは正しい知識を入れることが大切です。
インフルエンザは毎年流行るからこそ気になる事もたくさんあります。
今回は、インフルエンザについて気になること、潜伏期間や、予防接種は必要なのか不要なのか。
そして、タミフルで本当に副作用が出るのかどうかなどについてお話ししていきます。
インフルエンザの潜伏期間は?予防接種は必要?タミフルで副作用?
インフルエンザの潜伏期間は?
インフルエンザの潜伏期間は短くて16時間。
長くて5日間。
2~3日間が最も多い潜伏期間と言われてます。
患者様から
「友達と遊んだら翌日に友達が発熱し、インフルエンザって診断されたんです。自分の子どももインフルエンザに感染したんですかね?」
と、よく聞かれます。
この問いに対しての答えは難しいところなんですが、潜伏期間中はウイルス量がまだ少なく、ウイルスを外に飛ばすことが出来ないので、ここから感染する可能性は低いです。
しかし、うつる可能性はあります。
この、ウイルス量が少ない中で発症するかどうかは、免疫力も問題となってきます。
負ければ発症、勝てば発症しません。
もし発症したときは、ウイルス量も多くなりますので、その場合は早めにクリニックを受診して、感染拡大を防ぐようにしましょう。
インフルエンザの予防接種は必要?
「インフルエンザの予防接種を打っても、毎年のように誰かがかかってるけど、これって必要なの?打った意味ないんじゃないの?」
って思ってる方もいますよね?
今はインターネットも普及しているので知っている方も多いとは思いますが、インフルエンザの予防接種は、感染を予防する効果はなく、完全に抑える働きはないと言われています。
でも、発症と重症化を抑える効果はあると言われています。
小さな子どもは、一回の接種だけでは免疫が充分ではないので、重症化を予防するには、二週間くらい空けて、二回接種すると必要な免疫ができます。
ただ、毎年インフルエンザは流行する型が違うので、前年に接種しても予防の効果はないので毎年接種することをおすすめしています。
また、
「インフルエンザの予防接種を打つ前や、2回目を接種する前にインフルエンザにかかってしまったので、今年は予防接種しなくてもいいですか?」
と聞かれることもあります。
その時には
「インフルエンザは大きく分けて3つの型があるので、また違う型にかかってしまう可能性もあるので、接種をおすすめします」
と、お答えしています。
ただ、今の流行している型にかかってしまった時は、少し遅めの時期に接種してみるのもいいですね。
私自身も、そして私の子どももインフルエンザにかかったことがあります。
インフルエンザの辛さを知っているからこそ、症状を軽減できる効果があるのであれば、予防接種を打ったほうがいいのではないかと私は思います。
タミフルの副作用は?
「インフルエンザにかかっている子どもが、タミフル内服後に異常行動を起こした」
とか、たまにニュースで目にすることもありますよね。
そんなニュースを目にしたときは、
「タミフルの内服って大丈夫かな?」
と、怖くて、心配になりますよね?
タミフルの添付書には、『精神、神経症状(妄想、せんもう、痙攣)が現れることがある』と書かれています。
子どもの場合、高熱を出した時に、熱性せん妄といって、幻視、幻覚、幻聴などから異常行動を起こすことがあります。
私の子どもも、部屋の一部を指して、
「怖い、怖い」
と言って怯えていたり、『両手を合わせて祈る』といった行動をしてました。
正直、その時はびっくりしたというか、どうしようって不安になりましたね。
熱性せん妄は、脳炎、脳症とは関係ないんですが、長い時間続く場合は病院を受診してください。
インフルエンザの異常行動で一番多いのは、熱性せん妄です。
タミフルによる副作用は詳細不明で、厚生労働省も「タミフル使用と異常行動発症との間に正の関連を検出するに至らなかった」と報告しています。
つまり、タミフルは飲んでも異常行動が増えるわけではなく、飲んでも飲まなくても異常行動をおこす頻度は同じということになります。
タミフル服用について心配する必要はありませんが、まだまだわからないことも多いので、高熱時、また、タミフル内服中はお子様からなるべく目を離さないようにしてくたざいね。
まとめ
風邪とは違い、重症化することもあるインフルエンザは、予防接種を打つことにより、重症化を防ぐことができます。
しかし、予防接種だけではなく、マスクをしたり、手洗いうがいをしっかりしたりと、感染対策をすることが大切ですね。
“インフルエンザにかからないためにこの時期だけする”のではなく、様々な病気から防ぐために、普段からこれらを習慣づける事も大切ですね。
そして、もしインフルエンザにかかってしまったら、これ以上感染が拡大しないよう、早めにクリニックを受診しましょう。