子どもの姿勢が悪い!それ、側弯症という病気かも?私の手術体験記

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子どもが本を読んでいる姿や、スマートフォンやタブレット、ポータブルゲーム機で遊んでいる姿を見て『ま~た前かがみになってる!すっごい猫背になってる!』など、子どもの姿勢の悪さが気になる親御さん、結構多いんじゃないでしょうか。

私も小さい頃、両親によく注意されていました( ̄  ̄;

 

ただ姿勢が悪いだけならまだいいんですが、その姿勢の悪さ、もしかしたら”側弯症などの病気”かもしれません

側弯症という病名はあまり聞き馴染みがないため『(うちの子は)ただ姿勢が悪いだけ』と決めつけがちですが、万が一側弯症だった場合、私のように、結構な大事になってしまう可能性があります。

 

側弯症に限らず、病気は、早期発見、早期治療に限ります。

あまり心配しすぎるのもダメですが、逆にあまり楽観視しすぎるのもいけません。

って、この加減がなんとも難しいところなんですけどね。

 

ということで今回は、側弯症とは一体どういう病気なのか。

実際に私が体験し、大変だった手術の体験談なども交えながらお話していきたいと思います。

子どもの姿勢が悪い!それ、側弯症という病気かも?私の手術体験記を紹介

側弯症ってどういう病気?

側弯症とは、脊椎(せきつい)・背骨が、どんどん湾曲していく病気です。

 

通常、脊椎は、胸の部分は後ろに、腰の部分は前に、緩やかに湾曲していて、これは、生理的湾曲と呼ばれています。

緩やかに前後に湾曲していることから、前、もしくは後ろから見た、レントゲンを撮った場合でも、脊椎はほぼ真っすぐです。

 

しかし、側弯症の場合、脊椎が左、もしくは右に曲がってしまい、脊椎自体もねじれてしまいます。

そして、そのねじれ、側弯がひどくなると、重大な障害が色々と出てきてしまいます。

 

また、側弯症は、突発性側弯症、いわゆる、原因がわかっていない側弯症が約80%を占めています

更に、その突発性側弯症のうち、3歳以下が4%・4~9歳が12%・10歳以上が84%というデータもあります

 

『10歳以上って、30歳も40歳も50歳も10歳以上だから、それだけ年齢の幅が広ければ、84%っていうのは普通じゃないの?』と思うかも知れませんが、その84%のうち、子どもの身長が伸びる思春期に発症する場合が多く、また、そのほとんどが女の子になります。

私もこの”思春期側弯症”に該当します。

そのため、子どもが小学校の高学年~中学生の頃、そして、それが女の子の場合、少し気にしてあげるといいかも知れませんね。

 

冒頭で少しお伝えした通り、早期に発見することが大切なんですが、子どものこの時期(思春期)、特に女の子の場合は、母親にも裸を見られるのを嫌がる傾向にあります。

そのため、子どもの裸の後ろ姿を見れば、すぐに違和感を感じることが出来るんですが、その姿をなかなか見られないということから、どうしても側弯症の発見が遅れがちになります。

また、子どもが「痛い痛い!」と言ってくれればいいんですが、側弯症の症状が初期の段階では、子ども本人もあまり強い痛みを感じないということもあり、これも、側弯症の発見が遅れる原因の一つとなります。

 

側弯症は、脊柱が大きく曲がってしまうと、もとに戻すことはできません

そのため、学校の健診などで、早期に発見、治療していくことが大切になってきます。

しかし、学校の健診などに頼るのではなく、自分(親)も子どもの成長を見守るという意味で、少し子どもを気にかけるということも大切かも知れませんね。

(って、その頃の子どもは、なかなか言うことを聞かないのでめちゃくちゃ大変ですけどね(ーー; )

私の側弯症手術体験記

では実際に、私の側弯症の前兆から手術、リハビリから現在に至るまでの側弯症(手術)体験記をお話させていただきます。

 

私は中学生の頃、部活で吹奏楽部に所属していました。

吹奏楽部ということで、座りっぱなしの時間が長かったということもあり、少しずつ、腰や背中に痛みを感じるようになっていきました。

 

この頃は、『授業でも部活でも座ってと、1日長時間座っているから腰や背中が痛いのかな?』ぐらいにしか思っていませんでした。

もちろんこの頃は、側弯症という病名も知らなかったですし、まさか自分が側弯症だなんて、夢にも思っていませんでした。

 

そして、中学2年生になった頃、腰や背中の痛みが我慢できなくなり、親に話したところ、接骨院に通うようになりました。

しかし、症状は全く改善されませんでした

 

『これぐらいの症状だったら、病院じゃなく、とりあえず接骨院に行く』

これ、結構皆さんやってらっしゃるんじゃないでしょうか。

今思えば、“とりあえず接骨院に行く”じゃなく、”とりあえず病院に行く”という選択肢選んでおけばよかったなぁと思いますね。

 

そんな痛みがおさまらない日が続いたまま、気づけば私も中学3年生に。

ある春の日、私がお風呂に入ろうと脱衣所で服を脱いでいるところへ、たまたま母親がやってきました。

そして、鏡の前に立っている私を見て

「なんでそんな姿勢悪いの?まっすぐして」

と一言。

すかさず私は、

「真っすぐ立ってる」

と言いました。

その時に初めて、自分では普通に立っていて真っ直ぐなつもりだったが、母親に言われて改めて自分の姿を鏡で見てみると、左右の肩の高さが違うということに気が付きました。

母も『さすがにこれはただ姿勢が悪いということじゃない!』ということに気づき、すぐに近くの整形外科へ行きました。

そして、整形外科でレントゲンを撮ったところ、”重症”だということが判明しました。

 

これ、脱衣所で、たまたま母親が私の姿(背中)を見て、すぐに異変に気づいてくれたから良かったけど、『もし、脱衣所で母親が私の背中を見なかったら…』、『もし、母親が私の異変に気づかなかったら…』と思うとゾッとします。

ホント、タイミングよく(?)、私の姿(背中)を見てくれたこと、すぐに異変に気づいてくれたことに感謝です。

 

そして、名古屋の名医の先生に紹介状を書いてもらい、予約を取ったのはいいんですが、取れた予約はなんと2ヶ月後…

整形外科で先生に「重症です」と言われ、取れた予約が2ヶ月後って、正直どういうこと?と思いましたが、どうにもならないものはどうにもなりません。

その間、『娘のために何か出来ることはないか』と、両親が必死でネットで色々と調べてくれて、接骨院へ行ったり、他の病院へ行ったりしてみましたが、名古屋のその病院、その先生は名医らしく、『そこへ行くのがベスト』『そこへ行くしかない』と、どこへ行っても言われました。

 

そうこうしている間に2ヶ月が経ち、ついに名古屋の病院を受診する日が来ました。

レントゲンを撮り、診察時の先生の一言、

「よく生きていたね」

は、今でも忘れられません。

 

その時の私の側弯症の曲がりは50度

ちなみに、側弯症の初期の段階、20~25度は経過観察。

25~40度と、曲がりがひどい場合は装具療法。

40度以上の曲がりの場合は手術をするのが一般的です。

 

はい。

私の場合、診察に行ったときには、もう手術をしなければいけないレベルでした。

あまりにも曲がりがひどすぎたということもあり、先天性か後天性かもわかりませんでした

また、骨盤の左右の大きさが違うということもわかりました。

 

ホント、私が先生のその一言を今でも忘れられないのは、それだけ本気と言うか、感情がこもってたんですよね~。

ホント、私、頑張ってよく生きていましたよ♪

 

レントゲンを撮り、異常もわかったし、さぁ早速側弯症の手術!…とはいきませんでした。

側弯症の場合、脊髄に異常があることが多いらしく、その場合、まず脊髄の手術をしないと側弯症の手術ができないということでした。

 

早速、脊椎に異常がないか、脊椎の造影剤の検査入院をすることに。

すると、私も脊髄に異常が見つかりました…

ということで、まずは脊髄の手術をすることになりました。

中学3年生の冬、くも膜嚢腫(くまもくのうしゅ)の手術をし、手術も無事成功しました。

 

さぁ、今度こそ側弯症の手術!…とはまだいかないんですね。

手術に向けての自己血輸血を取るため、2週間に1回、岡崎から名古屋の病院に通うという日々が始まりました。

 

そして、高校1年生の夏(のちょっと前)、遂に側弯症の手術をすることになりました。

その手術は6時間かかり、私は、体にボルトを6本入れました。

そして、手術前、50度だった曲がりは、手術後、22度まで改善されました。

でもですね~、ここからが大変でした。

 

まず手術後、1ヶ月は絶対安静ということで、1ヶ月寝たきりに…。

そして、安定してきた頃にコルセットの型を取り、プラスチックのギブスを巻くことに。

そして、1ヶ月が過ぎ、高校1年生の夏、私のリハビリが始まりました。

そのリハビリというのは、電動ベッドに体を固定し、徐々に角度を決めて体を起こすというものでした。

普通の人からしたら、何の変哲もない、何も大変なことじゃないと思うかも知れませんが、これがまた重力を感じきつい!

ホント、このリハビリの日々は辛かったですね~。

そんなリハビリの日々が約1ヶ月続き、やっと立てるようになったのが、夏ももう終わりの頃でした。

そして、そこから約3週間後、私はやっと退院することができました。

 

手術後、22度まで改善された側弯症。

更にその状態で装具を着用すると、曲がりは19度に。

側弯症は完治することはできませんが、手術や装具をつけることによって、痛みなどの症状を緩和することはできます。

今でも腰や背中が痛い時はありますが、昔のあの頃と比べればどうってことないです(←ちょっと強がってます( ̄▽ ̄; )

側弯症の手術は、手術をするための違う手術や、手術の準備、リハビリと、とにかく大変ですが、痛くて辛い日々をずっと送るよりかは、一度ちゃんと手術をするという選択肢を私はお勧めします。

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まとめ

側弯症って、周りが思っている以上に本人は辛いんです。

しかし、側弯症という病気があまり知られていないということもあり、側弯症という病気についてもそうですが、側弯症の辛さ・大変さも知っていただきたくて今回この記事を書くことにしました。

 

側弯症は、初期の段階では経過観察。

曲がりがひどくなってくると装具療法。

更に曲がりがひどくなると、私のように手術になります。

側弯症は、早期に発見することで、手術まで至らず、装具療法などで治療をすることもできます。

装具療法もかなり辛いですが、手術に比べれば…と私は思います。

手術に至るまでの過程も大変ですが、小学生・中学生の子どもに全身麻酔をして、約6時間という長時間手術をするというのは、親としてものすっ~ごく心配だと思います。

 

『腰や背中が痛い=とりあえず接骨院』ではなく、まずは整形外科・病院へ行くこと。

そして、突発性側弯症は、私のように思春期側弯症が最も多いです。

小学校高学年~中学生、特に女の子をお持ちの親御さんは、子どもさんを少し気にかけてあげてくださいね。

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