当院・しいの木こどもクリニックには、下駄箱・スリッパはなく、土足のまま院内にお入りいただきます。
そのため、初めて来院された患者様に
「あっ、土足で入っていいんですか?」
と、時々聞かれます。
大きな規模の病院では、今は土足が当たり前のようになっていますが、クリニックや小規模の医院などでは、まだスリッパに履き替える所が多いように感じます。
「なぜ土足のままでいい所と、スリッパに履き替える所があるのだろう」
と、皆さんも疑問に思われたことがあるのではないでしょうか。
そこで今回は、クリニックで土足って衛生的に問題ないのか。
土足のメリットとデメリット(スリッパのデメリットとメリット)についてお話していきます
クリニックでの土足のメリット(スリッパのデメリット)
クリニックでの土足の一番のメリットは、なんと言っても『院内感染を防げる』ということです。
いくら綺麗に掃除された床であっても、床には無数の落下細菌が存在しています。
そのため、床と接触するということは、落下細菌に触れるということになります。
靴からスリッパに履き替える時、床や下駄箱に一切触れずに履き替えるのはなかなか難しいかと思います。
また、それが大人だったらまだしも、子どもだったらなおさらです。
更に、履き替えるスリッパが、常に新品(抗菌されたもの)ならいいですが、人が使用した後の物となると、そこから接触感染してしまう恐れもあります。
私もつい先日、某医院さんへ行ったんですが、そこはスリッパに履き替えるところだったんですね。
私が行った時間はちょうど混み合っていて、そのためスリッパがなく、診察が終わって帰られる方のをお借りしたのですが…。
な、生暖かい…( ̄▽ ̄;
と、あまりいい気分じゃなかったことを覚えています。
(ちなみに、座って待っている間は、ずっとスリッパを脱いでいました…)
このようにクリニックでは、土足のままでスリッパに履き替えないことにより、『院内感染を防げる』というメリットがあります。
また、その他の、土足のままのメリットとしては、『患者様の手間が省ける』ということです。
革靴の方だったら靴べらがほしいところですし、ブーツの方だったらブーツの形が崩れず入る下駄箱がほしいです。
また、妊婦さんや足腰が弱い方へは、座って履ける椅子みたいなのも欲しいところです。
そして、先頭の人がスリッパに履き替えるのに時間がかかってしまうと、それ以降の人は玄関(入り口)で待っていけなくなり、自然と玄関扉も開きっぱなしになってしまう時間が増え、雨風やホコリ、チリが院内に入ってきてしまいます。
特に小児科では、親御さんがお子さんの靴を脱がしてスリッパを履かせて、次に自分も靴を脱いでスリッパを履いてと、結構大変です。
そして、子どもが一人だったらまだしも、二人、三人となってくると、それだけでもう一苦労です。
私もつい先日、他のクリニックで、
「はい、〇〇ちゃん。スリッパ脱いで~」
「はい、今度はお靴履こっか」
「お兄ちゃん待って!先行かない!」
と、そんなバタバタしている光景を見て、『お母さんは子どもの靴を履き替えさせるだけでも、本当に大変だよね~』と、しみじみ思いました。
このようにクリニックでは、土足のままでスリッパに履き替えないことにより、『患者様の手間が省ける』というメリットがあります。
クリニックでの土足のデメリット(スリッパのメリット)
一方、クリニックでの土足のデメリットなんですが、やはり、『外から土や泥を持ち込んでしまう』ということです。
靴に付着した土や泥をそのまま院内に持ち込んでしまうため、受付、待合室、診察室、通路などが汚れ、汚く見えます。
また、それが雨の日になると、水滴(水)も一緒に入ってくるので、床が滑りやすくなってしまいます。
その対策として、土足のところはどこもそうだと思いますが、当院でも玄関に、かわいい橋をモチーフとした、かなり大きな足拭きマットを置いています。
しかし、当院・しいの木こどもクリニックは小児科ということもあり、多くが親御さんと小さいお子さんが見えます。
親御さんはしっかりとマットで足を拭きますが、子どもはそんな事お構い無しで入ってきます( ̄  ̄;
そのため、私たちスタッフも気を配っていますが、雨の日は通常より滑りやすいため、患者様にご迷惑をおかけしています。
このようにクリニックでは、土足のままでスリッパに履き替えないことにより、『院内が汚れる』というデメリットがあります。
まとめ
日本の生活様式で言うと、『玄関で靴を脱ぐのは当たり前』という認識があります。
しかし、様々な公共施設、クリニックや医院によっては、土足でよかったり靴を脱いだりと、場所によって色々と変わってきます。
何科のクリニックにもよるかとは思いますが、当院では、
『汚れたら掃除すればいい。それよりも院内感染を防ぐことのほうが重要』
と、院内感染を徹底しています。
もちろん、接触感染だけではなく、飛沫感染、空気感染対策もしています。
『病院へ行くと病気になる(病気をもらう)』は、もう昔の話です。
小さい子どもさんと一緒に出かける場合は、見た目の衛生面を気にすることも大切ですが、目に見えない・見えにくい感染対策についても考えることが大切です。
子どもはそんなのお構い無しで、常に全力で動いちゃいますからね(^^;
私達親が、こどもの健康を守ってあげるということも大切なことですね。