乳児健診で、お母さんといろんなお話をさせていただくんですが、皆さん、似たような悩みや不安をお持ちです。
私の感覚としては、特に皮膚トラブルに関する相談が多いように感じます。
冬の時期は、”乾燥から見られる皮膚トラブル”の相談。
そして、少し暖かい春や暑い夏は、”あせもによる皮膚トラブル”の相談。
皮膚トラブルは、季節によって症状が違いますので、もちろん対処方法も変わってきます。
そんなこともあり、皮膚トラブルに関する相談は、季節関係なく、一年中聞いてるので多いように感じるのかもしれません。
また、夏や夏前になると、赤ちゃんの服装やお家での室温、エアコンの使い方(室温調整)などの相談もよく受けます。
自分(親)は、暑かったら薄着になればいいし、また、風通しのいい所に移動すればいいですが、赤ちゃんは、自分で脱いだり移動したりできません。
ということで今回は、赤ちゃんに最適な夏の室温や服装についてやあせもの防ぎ方など、夏によく受ける赤ちゃんの困り事を中心に、一部ですがご紹介していきます。
赤ちゃんに最適な夏の室温は?室内での服装やあせもの防ぎ方
赤ちゃんに最適な夏の室温って何度?
「エアコンはつけっぱなしでも大丈夫ですか?」
と、よく質問を受けます。
地球温暖化のせいでしょうか、今は昔と比べても、夏場は非常に暑い・高温の日が続きます。
昭和生まれの私を含め、昔の人達は、どうやってエアコンがない時代を乗り越えてきたのか…。
「夏は暑いのは当たり前。昔はクーラー・エアコンなんていうものはなかった。だからエアコンはつけない。我慢だ!」
なんていう考えはやめてくださいね。
エアコンは必ず使いましょう。
室内でも熱中症になり、我慢していたら命に関わりますからね。
では、赤ちゃんのいる環境の室温は何度ぐらいがいいかというと、一般的には外気との温度差が5℃以内と言われています。
温度の目安としては、夏場は26~28℃ぐらいですね。
赤ちゃんが寝ているところに温度計を置いて、室温をチェックしたり、体・手足を触って熱すぎないか、また、冷えすぎていないかを確認しましょう。
また、エアコンの風が直接当たらないようにし、扇風機を併用して、風を循環させることも大切です。
あっ、もちろん扇風機の風も直接当たらないようにしてくださいね。
そして、忘れがちですが、エアコンのフィルターをこまめに掃除することも大切です。
なかなかこのフィルター掃除が大変なんですが、『掃除をしないことでホコリを赤ちゃんに吸わせている』と思えば、少しは掃除をしなきゃと思えるようになるんじゃないでしょうか。
赤ちゃんは室内ではどんな服装がいいの?
多くのお母様方から
「赤ちゃんを家で寝かせる時、服装はどんなものを着せていればいいですか?」
と聞かれます。
新生児のうちは体温調節が未熟なので、大人より一枚多く服を着せてあげて下さい。
3・4ヶ月頃からは、逆に大人より一枚薄着でもいいです。
これは、夏場だけではなく冬場も同じです。
夏は比較的薄着なため、赤ちゃんも活発で、布団やタオルケットを蹴ってしまうこともしばしばあります。
その為、布団やタオルケットを蹴ってもお腹が冷えないよう、ロンパース型の服装がおすすめです。
また、汗をかいたらこまめに着替えさせることも大切です。
汗の吸収が良い肌着が数枚あるといいですね。
あと、外出時なんですが、お店などの室内のエアコンで体が冷えすぎることもありますので、外出する時は、羽織るものやバスタオルなどを必ず持っていき、その場その場に合わせて赤ちゃんの体温調節をしてあげてくださいね。
赤ちゃんのあせもの防ぎ方
あせもは医療用語で『汗疹(かんしん)』と言われます。
言葉の通り、汗の湿疹です。
赤ちゃんは汗っかきなので、背中や首などに一年中あせもが出来ることがあります。
汗や汗の成分の刺激で肌トラブルが起き、放っておくとかゆみが強くなり、そこから化膿してとびひになることがあります。
そうならないために、夏のあせもを防ぐ一番の方法として『行水(ぎょうずい)』があります。
あくまで行水なので、ボディソープは使わないでくださいね。
夏、汗をかいたらシャワーなどでこまめに汗を流してあげる、これがあせもを防ぐ一番の方法です。
ガーゼで拭くだけでは、なかなか清潔な状態を保つことが出来ませんので、汗をかいたらしっかり洗ってあげることをおすすめします。
また、こまめにケアしていても良くならない時は、早めに小児科を受診するようにしてくださいね。
まとめ
今回は、赤ちゃんにとっての初めての夏を迎え、日々の生活で困っていることを取り上げさせていただきました。
一年を通して、乳児健診でお母さんのお話を聞いていると、
「うちの子、夏生まれ(冬生まれ)なんですが…」
と、環境以外の悩みや不安もお聞きします。
『大切な赤ちゃんにとって、最適な環境を作るにはどうすればいいのか』
そんな、赤ちゃんのことを真剣に考えているお母様方を見て、改めて親心の美しさを感じました。
ご相談を通じて私たちも、赤ちゃんやお母さんの困ったことや、お悩みを知ることが出来ます。
そのためにも、安心してご相談していただける環境を、今後も大切にしていきたいと思います。