子どもの鼻水・鼻づまりの原因は?鼻づまりって吸った方がいいの?

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子どもって、大人と比べてよく鼻水が出たり、鼻が詰まったりしますよね。

当院・しいの木こどもクリニックにも

「熱はないんだけど、鼻水が出ちゃって…」

と、受診される方も結構いらっしゃいます。

 

子どもが鼻水をダラダラと流していたり、鼻が詰まって苦しそうだったりすると、親としては『早くなんとかしてあげたい!』って思いますよね。

でも、なんで子どもってこんなに鼻水が出るんでしょうか?

 

ということで今回は、大人とは違う、子どもの鼻水や鼻づまりの原因について。

そして、

「鼻づまりの時は鼻を吸ったほうがいいの?」

という、素朴な疑問についてもお話していきます。

子どもの鼻水・鼻づまりの原因は?鼻づまりって鼻を吸ったほうがいいの?

 

子どもの鼻水・鼻づまりの原因は?

子どもに限らずですが、なぜ鼻水が出るのかというと、鼻の中についた異物を洗い流すためです。

異物とは、風邪の原因となるウイルスや菌、ホコリやハウスダスト、花粉などのことです。

風邪の原因となるウイルスや菌の多くは、喉や鼻の粘膜から侵入してくる事が多く、それを防ぐために、のどや鼻の粘膜についたウイルス・菌を外へ出すための体の反応が、咳や痰(たん)・鼻水になります。

 

子どもは大人よりも免疫力が未熟なので、まず体にウイルス・菌を入らせないようにしようとするので、大人なら咳や鼻水が出ない程度でも、咳や鼻水を出して自分を守ろうとします。

鼻水も、出始めの時は透明で、水みたいな鼻水のことが多いですよね。

これは、サラサラ流れていくことで、鼻の中の異物を洗い流しやすくするためです。

 

そして、しばらくすると、白色や黄色になったり、ネバネバしてきますよね。

なんだか汚い色の鼻水になってくると、『うちの子大丈夫かしら?どこか悪くなってないかしら?』と、心配になりませんか?

私は子どもの頃、鼻水が黄色とかになると、わけもなく心配していました。

多分これは私だけだと思います(^^;

 

しかし、鼻水の色が変わってくるのにも、ちゃんとした理由があるんです。

人間の体の中には、白血球という菌やウイルスと戦う細胞があるのですが、その白血球が戦って死んだものが混じってくると鼻水が白色や黄色になってきます

 

鼻水の色が変わってきたら『この子の中で白血球(免疫)が戦ってるんだなぁ』と思ってもらえればいいと思います。

 

また、鼻づまりの原因としては、鼻水がたくさん出ているせいで詰まっているということもありますが、鼻水がそんなになくても、鼻の粘膜そのものが腫れているということも理由としてはよくあります。

子ども、特に赤ちゃんは、大人と比べると顔も小さく、鼻の中なんてもっと小さいですよね。

その為、ほんの少し腫れただけでも、すぐに鼻が詰まってしまうんです。

子どもの鼻づまりって吸った方がいいの?

「鼻水や鼻づまりの時は、鼻を吸ってあげたほうがいいんですか?」

とよく聞かれますが、

「鼻を吸って、鼻水や鼻づまりが多少楽になるなら、出来る範囲で吸ってもらうのはいいですが、それだけで治るわけじゃないです」

と、お答えしています。

 

まず鼻水ですが、頻繁に出てくることが多いので、1日1回吸うぐらいでは、その後、少し楽になる程度で、それで鼻水がスッキリとなくなることは少ないです。

だからといって、1日に何回も何回も吸っていると、今度は鼻の粘膜が刺激されて腫れてきて、鼻が詰まってしまうということにもなりかねません

その為、授乳の前や寝る前などに、出来る範囲で吸ってあげるぐらいで大丈夫です。

臨機応変に、お子さんの様子を見てやってあげてくださいね。

 

そして、鼻の粘膜が腫れているタイプの鼻づまりは、そもそも、鼻の中に吸えるものがないので、吸っても楽になることはほぼほぼありません

鼻の粘膜が腫れているタイプの鼻づまりの時は、縦抱きにしてあげると赤ちゃんは楽になります。

鼻の粘膜が腫れていると、鼻の粘膜がカーテンのように垂れ下がって、鼻の中を塞いでしまいます。

特に寝た状態だと、重力の関係で塞がりやすくなってしまいますので、真横に寝かすよりも、少し体を起こしてあげたほうが塞がりが少なるなるので多少楽になります。

大人でも鼻炎の方とかは、なんとなく経験ありませんでしょうか。

 

あと、ずっと縦抱きでいるのはお母さんも辛いですよね。

その場合、大きめの枕を背中に当てて、斜めにしてあげるというのも一つの方法です。

お母さんまで倒れちゃったら大変ですから、無理のない範囲で行ってくださいね。

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まとめ

今回は、鼻水や鼻づまりの原因や理由、お家でやってあげられることをお伝えさせていただきましたが、それだけでは十分じゃないこともあります。

鼻水・鼻づまりで眠れなくて体力が落ちてしまうと、病気と戦う力がなくなってしまうなんてこともあります。

 

『こんな症状でクリニックを受診するのは…』と思うのではなく、どんな些細なことでも、気になるならクリニックを受診し、医師や看護師に相談してください。

全ては赤ちゃんや子どものためです。

自分が安心するためにも、かかりつけのクリニックをもっと頼ってくださいね。

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